2-2-09 リドニテス ベータ
枠沢はリドニテスの姿のまま
ニューヨークの
高層ビルの屋上にいた。
正面のビルの部屋の窓からテレビが見える。
“急がなければ”
枠沢はある重大な事に気がついた。
ボグルの出現は当然
日本にも伝わっているはず。
となると
すぐにも枠沢に
呼び出しがかかるはず。
その時に研究所にいないと-----。
クローンまかせでは-----少し。
“急がなければ”
「モンロー教授-----ですね」
後ろから急に
声がかけられた。
枠沢は
後ろを振り返った。
気づくと
兵士たちが銃を構えて何人も。
中にはBBガン、ライフルを手にした者もいる。
肩に肩撃ち式携帯BB砲をかついでいる者も。
その銃口は全て
枠沢の胸を狙っていた。
「手を上げてください。
あなたを逮捕します」
バーザス語で話しかけてくる。
ちなみにバーザスは英語圏だ。
どうしてここにいる事が。
周囲を見回す。
気づくと周囲のビルの窓から
そこかしこから人の視線が。
周囲のビルからここは
丸見えだったらしい。
ボグルの事にかまけて
気がつかなかった。
ウカツだった。
ビデオカメラが回されていれば
気がついたはずだが。
この点も-----
改良しなければ。
もっとも人目があれば
変身できないようには
なってはいるが。
兵士たちはゆっくりと近づいてくる。
枠沢は
ニヤリと。
飛び上がった。
BBガンが
ライフルが。
携帯BB砲も撃たれたが全く
こたえない。
もちろん枠沢が提供したモノだ。
枠沢は急上昇。
「何ということだ。
等身大のリドニテスにも
効果がないのか]兵士の一人が。
兵たちは上空をジッと。
枠沢はあせっていた。
早くしなければボグルが。
“誰にするか”
すでにリストアップした兵士たちにも
非常呼集がかけられているはず。
非番で自宅にいる者はいないだろう。
枠沢は眼をこらした。
リドニテスの視力は-----。
「いた」
ニューヨークの街並みからは
だいぶ離れている。
まあ街中にいれば
見つからなかっただろう。
そこの道路を
自動車を飛ばしている。
他の者でもよかったのだが
たまたま目についただけだ。
「あの男は-----確か」
リストの内容を思い出す。
あのリストには全アメリカ軍人の
履歴があった。
他にも。
その中の
“ナッシュ・ハワード中尉”
年齢、階級、その他。
問題ないか。
武道も-----まあ、これならば。
“急がなければ”
周囲を確認。
誰もいない。
枠沢は空間移動。
自動車の前へ。
自動車は急停止した。
男は驚いたように。
ヘッドライトに映る
枠沢の姿を見た男は
自動車から外へ。
銃を手にしている。
「モンロー教授-----ですね」バーザス語で。
枠沢は。
「中尉」
そう言うと
薬の入ったケースを差し出した。
「これは」男
「リドニテス・ベータだ。
飲め」
「私が」男はゴクリと生唾を。
「イヤならいい。
他をあたる」
男はリドニテスについて
もちろん知っていた。
“怪獣相手に戦わされるんだからなあ。
拒否する者も-----いないとも”
男はそれを受け取った。
枠沢の方を
ジッと。
眼が会った。
「どうする」枠沢。
男は
一気にそれを飲んだ。
三錠とも。
男は身体中に
込み上げてくるものを感じた。
枠沢はケースを受け取る。
「君はこれでリドニテス・ベータだ。
知っているとは思うが
このニューヨークにボグルが迫っている。
それを君の手で倒すんだ。
しかし-----」枠沢。
「しかし?」男。
「君の素性を明かしてもらっては困る。
今日、ここで私に会った事も
もちろんダマッていてもらわなければ」
「どうして」
「どうしてもだ」
もっとも念を押さなくても
しゃべれないようにはなっている。
男は落ち着いてきたようだ。
「リドニテスは数十分しか
変身していられない。
それに数年で普通の人に」枠沢は。
「それは承知しております」
「それと」枠沢。
「それと-----」
「変身時に数キロ
無意識のうちに空間移動する。
もちろん意識していれば
しないようにもできるが」
「空間移動。
なぜ」男。
枠沢はバーザスでした説明を繰り返した。
「そういう事ですか」
「では行きたまえ。。
君とはもう会うこともないだろう。
では」
枠沢は空へと。
そして空間移動。
地球から遠く離れた
宇宙の惑星上に造られた
研究所へと現れた。
そして人の姿に。
クローンと連絡をとり
カメラの死角へ。
その一瞬を利用して
枠沢はクローンと入れ替わった。
“うまくいったようだ”
クローンは再び眠りについたようだ。
それと-----。
御刀哲斗を含め
新しくリドニテスとなった者たち用の
クローンも至・急・用意しなければ。




