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44/83

2-1-06 名前3

 「いえ。

 怪獣自身に名前を書いておけば

いいんですよ。

 身体のどこかにでも、

遺伝子レベルで細工をして。

 他にも

カテゴリーや生年月日くらいは。

 身分証明書くらいの内容は」枠沢。

 「なるほど。

 身分証明書を-----」

 「もちろん出身地もですか」自衛官。

 「それは-----もちろん」枠沢。

 「やはり-----。

 怪獣百科でも出身地は

重-----要-----で-----す-----し-----。

 イエなんでも」自衛官。

「学校の名札か何かと。

アッ。イエ」

自衛官は己が胸に眼を。

 「そうすれば

いちいち怪獣が出てくるたびに

資料をくって

名前やカテゴリーを調べる必要も

なくなりますしね。

 数も多いですし。

 妙な名前を勝手につけられる

心配もなくなりますし」枠沢。

 「なるほど。

 しかし-----失礼ですが。

 あのミドグにしろ

日本に現れたバルーグにしろ、

どこにもそのようなモノは

ついてはいませんでしたが」

 「そのようにはされなかったのですか」

 「それとも我々が見落としたとか」

 「イエ-----見落としはないでしょう。

 見落とされるような名前の付け方をしては

意味がないですし」枠沢。

 「なるほど」

 「ではどうして」

 「技術的に問題でも」

 「いえ-----そうでは

 技術的には何も問題は-----ないでしょう。

 モンローならば」

 “危ない-----。

 あくまでモンローが-----。

 私が造った事がバレれば

大変な事に”

 「それで実際につけようとしたのですが-----。

 やはり-----

怪獣の身体に

名前や身分証明書ですか。

 そのようなものをつけるというのは

首にIDをぶら下げるのも同じです。

 物笑いの種になるのではと-----。

 そう考え直して

二人で相談してやめたわけです」

 「-----」

 「まあ。

 身体に名前を書いた怪獣などは

いませんか」

 「我々としては

その方が好都合なのですが」アメリカのレーナン。

 「どうしてつけられなかったのですか」

 「モンロー先生にそうしていただける様に

先生から」

 「そうしていただいていれば

名前に関しては-----マスコミにも」

 “やはりそう来たか。

マスコミ対策か。

 どうゴマ化すか”

 「現実に怪獣を造る場合

名前をどこかにつけておいて

当・然・

-----なのでしょうが。

 イヤその方が自然なのかも。

 しかし-----

映画やテレビドラマの場合

そうは出来ないでしょうし-----。

 やはり映画やドラマでは

その手のモノの常識というモノも

ありますので。

 現実とはまた違った常識内で

処理する必要が。

 現実には

 人が遺伝子工学で造ったものならば

身体のどこかに

名前くらい付けておいても

いいのでしょうが。

 オカシクはないのでしょうが。

 その手の怪獣モノの模型にも

ついているものもありますし。

 有名な画家や彫刻家が作った作品には

製作者名もついていますし。

 しかし-----。

 映画やテレビドラマに出て来る

怪獣となりますと

そのようにするわけには

いかないのでしょう。

 実際の話。

 怪獣の身体に

名前などつけた日には-----。

 その手の○○モノのファンの中には

手きびしい方々もたくさんいますし

何を言われるか。

 “非常識だ。

 何を考えているんだ。

 そんなモノをつけた怪獣など

いるものか”

 “この映画の、ドラマの製作者は

何を考えているんだ”

 等々。

 やはり現実とその手のモノとは

違いますし。

 その点を良くわきまえておかないと

大変な事に。

 それでどうするか迷ったのですが。

 モンローも私も」枠沢。

 「確かに。

 我々でもそのように言いますか」

 納得したように。

 「それで-----結局。

 映画やドラマの方の常識を

優先させる事にしたわけです。

 皆さんにしろ

身体のどこかに-----。

 目立つところに

これ見よがしに

名前をつけた怪獣など

見たいですか」

 枠沢自身。

 見たくはなかった。

 マア-----。 

 ここまでイロイロ言って来たが

それが

つけなかった一・番・の・要因だった。

 慣れればそれでも良かったかな。

 と思う時もある。

 まあいいか。

 手厳しい方々の声もある。

 「それは-----そうですか」

 その答えに枠沢も満足げに。

 “やはりそれが正解だったか”

 ホッとしたような表情で。

 心のどこかに引っかかっていたのだろう。

 「ですがモンロー先生が

つける気になれば」

 「それはそうですか」

 モンローの技術では

名前などつけることは出来ない。

 だから身体に名前をつけた

怪獣の出現はないわけだ。

 しかし出来るとなれば

モンローならば

どうするか。

 まあいいか。

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