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対決

 枠沢はトラックより少し遅れて

防衛省へと向かっていた。

 高機動車には他に

護衛の隊員二名と運転手の三名。

 山道を曲がった-----先に。

 「何だ」

 「トラックが」

 止まっていた。

 「道路が溶けている」

 高機動車は停止した。

 「襲われたな。

 お前。ついて来い」

 BBガンを片手に。

 「オマエは先生とここで待て」

 様子を見に行った。

 枠沢も。

 身を乗り出した。

 誰かがトラックの中から。

 「リドニテスか」枠沢が。

 相手も枠沢たちに気づいた。

 モンローでもライグでもエリオットでもない。

 しかし妙だ。

 BBガンを持った隊員が

リドニテスへ発砲。

 しかし

皮膚の一部がはがれたのみ。

 リドニテスは重力波レーザーを。

 自衛隊員二名が一瞬に溶け消えた。

 枠沢は。

 どうしようもなかった。

 あまりの事に

高機動車から降りる。

 もう一人の隊員も。

 生物レーザーがその隊員を。

 高機動車を襲った。

 高機動車が真っ二つに。

 枠沢はあわててその場を離れた。

 枠沢はリドニテスと

目を合わせた。

 「枠沢」リドニテス。

 声からは

誰なんか全くわからない。

 変声器でも使っているのか。

 リドニテスは自らの首のあたりに手を

その皮膚をつかみ上げるように。

 そして一気に引きおろした。

 皮膚が

裂ける。

 しかしその下から。

 その裂け目からは別の

-----が顔をのぞかせたいる。

 「ボディースーツだ。

 これは」

 リドニテスはそのスーツを脱いだ。

 BBライフルを受け

すでにボロボロだったスーツを。

 素手で引き裂いたリドニテスは。

 マスクを取った。

 「モンロー。

 どういう事だ」枠沢。

 「お察しの通りだ」

 「それにそのボディースーツは何のつもりだ」

 「私の正体がバレては困るのでな。

 私のリドニテスの時の姿が知られている以上

そのままの姿ではな」

 ここにはもう生存者がいない事は

確認済み。

 「じゃあ。

 先にあの薬を。襲ったのも」枠沢。

 「そう。私だ。

 私にしろ。これ以上。

 リドニテスを増やしてもらっては困るのでな」

 「どうして」

 「もちろん。

 私の理想の国家を造るためだ。

 世界中の人間全てが

私を主人とあがめ

何でも私の思い通りになる。

 そのような世の中にな。

 その方が人々お幸せなんだ。

 私のために、尽くして死んでいく。

 その方が。

 この私の気持ちをわかるために。

 この私の気持ちさえよければ。

 それが人の気持ちだ。

 そのためなら何でもしてくれる。

 そのようなすばらしい

人の心を持った世の中に。

 そのような“良い人間”ばかりにするために」

 「まだそんな事を。

 やっぱりあきらめてなかったのか。

 やっぱり。

 じゃあ、クルール市の事も」枠沢。

 「お前も変わらんな。

 それが原因でケンカ別れしたのだったな。

 -----

 お前なら私のために協力してくれると

信じていたのに。

 つくづく人の信頼を裏切るヤツだ。

 この私が人間不信にでもなれば

どうしてくれる。

 人はそれで犯罪に走るんだろう。

 そうでもしなければ

人の気持ちなど

わかってもらえないからな。

 学校でそう教わらなかったか。

 心智学者もそう言っているだろう。

 全てお前のせいだ。

 まあいい。

 しかし、クルール市の件は。

 あれは。

 -----

 違う。

 あれはワットが勝手にやった事だ。

 枠沢。

 お前の言ったとおり

人は

強大な力を持つと

とんでもない事を考えるらしい。

 ワットもその一人だった。

 もっとも」モンロー。

 「もっとも?」

 「奴の動きは全てわかっていたがね。

 私は耳がいいんだ。

 それで泳がせておいた」

 「どうしてそんな事を」枠沢。

 「怪獣が暴れれば

お前が来ると思った。

 研究を完成させるには

どうしてもお前の協力が必要だった。

 それで放っておいた。

 それに怪獣が暴れるところも」モンロー。

 「怪獣のコントロールか」

 「そうだ。

 それさえあれば

世界中の人間どもを

この私の思いのままに。

 いくらお前でもリドニテスを見れば

協力してもらえるかと思ったが。

 無理だとわかった」

 「-----」枠沢。

 「お前は

 リドニテスの完成を隠している」モンロー。

 「やはり気づいていたか」

 「ガンマー線スペクトルを照てた時にな。

 私は他のリドニテスたちよりも

 眼の機能がな。

 格段に優れている。

 それでわかった。

 私の渡した薬を飲んだのかとも

思ったが。

 あの時の輝き方は

私のリドニテスとは全く違っていた」

 「そうか。それで私の血を」

 “その点も改良しなければ”

 「そうだ。しかし」モンロー。

 「何かわかったか」枠沢。

 「-----。

 残念ながら-----だ」

 本当にくやしそうに。

 “モンローでは無理だろうな。 

 モンローの造ったリドニテスを

調べた結果から考えれば”

 枠沢も。

 ひょっとして慎重になりすぎたか。

 しかし

もっと良く調べてみないと。

 枠沢は慎重だった。

 「それで強行手段にうったえる事にした。

 そして-----手に入れた」

 研究資料の入ったDVDの束を。

 「この中に入っているようだ」

 モンローは枠沢に確認するように

 表情をジッと。

 「それであの怪獣は」

 「バルーグか。

 あれは私ではない。

 エリオットの奴だ。

 バルーグを使って  

何かたくらんでいるんだろう。

 しかしバルーグとは。

 奴はカテゴリー“3”だ。

 勝てるか。

 枠沢」

 「-----」枠沢。

 「それで-----ここでやるか」モンロー。

 「私も他のリドニテス同様」

 「仕方ない。

 私の計画にとって

貴様は邪魔者でしかない。

 それに

どちらのリドニテスが強いか。

 試してみたい」

 「どうしてもか。

 考え直すわけには」枠沢。

 「無理だ。

 早く変身しろ。

 リドニテス同士。

 どちらが優れているか。

 手かげん抜きだ」

 取り付く島もない。

 「私はお前に追いつこうと

今まで必死にやってきた。

 しかしお前は。

 いつも私の前を。

 それもはるかに前を。

 いつか追い越せると。

 目障りなんだよ。

 人に負けたことのない私が

お前にだけは」モンロー。

 枠沢はリドニテスへと。

 その時。

 後ろから

重力波レーザーが。

 枠沢を襲った。

 変身途中の枠沢は

肩から背中へかけ

高熱に溶かされる。

 「すごいもんだ。

 変身中に重力波レーザーを受けても

この程度とは」

 ライグが現れた。

 「ライグ。

 貴様」モンロー。

 「いえ、先生。

 もし枠沢の方が」ライグが。

 「何を言う。

 私は正々堂々と」

 しかし、枠沢は。

 リドニテスへと変身した。

 背中の傷が痛々しい。

 「戦えるのか」モンロー。

 「ああ」

 「その傷で」

 ライグ。鼻で笑った。

 「やればわかる」枠沢はライグへ。

 「そうか。

 では。死ね」

 ライグが重力波レーザーを。

 枠沢も放った。

 枠沢の身体へ。

 しかし

何も起こらない。

 一方。ライグは。

 「そんな」

 胸から腰にかけて白く発熱し

溶け出した。

 「ライグ。

 お前では無理だ」モンローも。

 「どうして」

 ライグは溶けながら

 「最初から

私以外のリドニテスは

弱く造っておいた。

 裏切られては困るのでな」モンロー。

 「コノヤロウー」

 ライグはモンローへ。

 重力波レーザーを。

 渾身こんしんの力を込めて。

 しかし-----全くこたえない。

 モンローはそれを確めるように

満足そうに。

 ライグはそのまま消滅した。

 モンローは枠沢へ。

 「その傷でだいじょうぶか」モンロー。

 「それならやめたらどうだ」枠沢。

 「やめると思うか」

 「いや。

 どうしても-----やるのか。

 仕方ないか」

 枠沢は立っているのがやっとだった。

 しかし、そのそぶりは全く見せない。

 モンローが重力波レーザーを。

 枠沢も。

 二人の間で

光が交差した。

 枠沢の胸に

ビームが直撃した。

 枠沢の胸が。

 手で覆う。

 モンローは

やはり胸で受けた。

 モンローの胸が。

 白く

発熱しだした。

 「どういう事だ。

 そんなバカな。

 この私が

敗れるとは」モンロー。

 「-----」枠沢は声もない。

 「どうしても-----貴様に。

 勝てなかった」

 モンローはすでに全身が白熱し

 溶けて行く。

 そして-----消滅した。

 「どうして

 こんな事に」

 枠沢は。

 「怪獣が」

 しかしこの身体では

今にも倒れかねない。

 このあたりも改良しなければ。

 しかし

そうかといって

生身の時にあまり強くしすぎては

正体が。

 その結果がこれだ。

 「行かなければ」

 枠沢の周囲の空間が

ゆらめき出した。

 “亜空間移動”

重力波を極端に強くすると。

 枠沢は消えた。

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