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31/83

間に合せ兵器

 「薬は」

 報告を受けた陸月は思わず叫んだ。

 「それが。

 襲われたため-----首相命令で

堆星と多里の二名が薬を飲んだようですが」

 「堆星ついぼし多里たざとの二人が。

 そうか。

 それで」

 陸月は一応-----ホッと。

 「二人とも

殺られたもようです」

 「なぜ。

 二人ともリドニテスに

なったんだろう」

 「いえ。それは」

 「薬を飲んでもすぐには。

 身体を構成する分子が

金属周期のモノに変わるのに

数十分は。

 それで」枠沢が。 

 「それがあったか。

 それでか」陸月。

 「いえ。生存者の証言によりますと

二人は森の中へ。

 その後、リドニテスも二人を追って」

 「その後は」

 「それが森の中を調べましたところ。

 人が-----といいますか。

 多量の金属の溶けた跡が二つ」

 「やはり殺られたか」陸月。

 「それは。

 もしどちらかが逃げおおせたとしたら。

 金属の固まりなら

リドニテスになれたという事ですから。

 リドニテスになれたとしたら」哲斗。

 「溶けた跡は二つ。

 何も堆星と多里のものだと決めつけるのは」

 「それはあるか。

 相手を倒した可能性も。

 不慣れでも二人がかりなら。

 -----。

 しかし。それならなぜ出てこない」陸月。

 「望み薄ですか」哲斗。

 「それで-----相手は。

 誰のリドニテスかは

生存者がいるのなら」枠沢。

 「それが。

 本人にも確認したようですが。

 わからないと」

 「しかし、子供の頃から

 その手の巨大ヒーローは見慣れているはず。

 少しでも違えば

わかるのでは」枠沢。

 「その点はもちろん確認したとのことです。

それがモンローでも

エリオットでもライグでもなかったと。

 そう証言していたらしいです」

 「どういう事ですか。

 まさかあの三人の他にもまだ」

 枠沢。何か考え込む風。

 「そうなりますか」

 「ますます、大変な事になりました」陸月も。

 「それにその生存者も

重傷ですぐに息を引き取ったと。

 報告が」

 「そうですか」

 「先生。

 もうあの薬は」

 「ない。

 君たちを信用して全部」枠沢。

 「申し訳ない。 

 しかし

後は先生にモンロー教授から」陸月。

 「もらえますでしょうか。

 それにまた襲われれば」シオリ。

 「だが怪獣が」陸月。

 怪獣はテレビのニュースで見ると

東京へ。

 「-----。

 仕方ないか」枠沢。

 「ではモンロー教授に」哲斗。

 「いや。

 モンローは居場所もわからない。

 また連絡するとは

言ってはいたが

いつになるか」

 枠沢は-----。

 「仕方ないか。

 しかし、あれを自衛隊に使ってもらうのは」

 “少し都合が。

自衛隊にアレを持たせては、

 後で何を言われるか。”

 枠沢は陸月に。

 「例えば対怪獣専門部隊を造る気は-----。

 ありませんか。

 自衛隊の方で」

 「エッ」

 話をふられた陸月は何の事やら。

 「アッ、イエ。

 何でも。

 仕方ないか。

 現実にはそうなるのか。

これではその手の手厳しい方々に。

 どうにかしなければ」

しかしーーーーーそんな事。

いっていられない。

 枠沢は意を決したように。

 自分自身に言い聞かせるかのように。

 「怪獣は、もうすぐそこに。

 それより-----こっちへ」

 “この連中にその手の

対怪獣専門部隊専用。

 キワモノスーツを着せる手も。

 それなら何とか格好がつくか”

 枠沢は玄関から外へ。

 哲斗たちも

はなれにある物置へ。

 カギを開ける。

 「この中に-----何か」陸月。

 「どこに入れたかな。

 君たち手伝って

中の物を出してくれないか」

 枠沢が隊員たちへ。

 ナベからかまから、ツボから。

 古い壊れたテレビまである。

 “何を考えているんだ。

 この先生。

 まさか動揺して”。

 陸月が物置を探る枠沢を

穴が開くほど

ジッと見つめた。

 家財道具が目一杯詰まっていた。

 その物置の奥から。

 「これだ。

 これだ」枠沢。

 大きなアルミ製のケースが数箱。

 ホコリがつんでいる。

 「コレを出して」

 隊員たちが。

 「ここに置いて」

 ホコリを払いながら

カギを開ける。

 「見つかっては都合が悪いと思って

物置の奥に隠しておいたんだが。

 これは銃刀法に触れるのかねえ。

 何かあったらたのむよ。

 逮捕なんていうのは

ごめんだからねえ。

 警察には内緒に。

 アッ。イヤ」

 枠沢はのぞき込む警官たちに気づき

マズイという表情。

 ”まあ仕方ないか。

 怪獣が。

 しかしだいじょうぶかな”

 フタを開けた。

 中からは。

 「何ですか。

 これ」陸月。

 「拳銃ですか」哲斗。

 「子供の-----オモチャ-----みたい。

 いえ」

 色が派手な○○色に。

 まるでその手のキワモノ映画に出て来る

光線銃そのもののような塗装を。

 形はモチロン。

 その手のモノのマニアが見れば

泣いて喜びそうなシロモノだった。

 陸月がその内の一つを。

 重い。

 「重力波を利用したレーザー銃だ。

 バッテリーはこれだ」

 バッテリーといっても

通常のものではなさそうだ。

 「殺傷能力がなければ

この手のオモチャはだいじょうぶ-----

かな。

 レーザーの場合は-----。

 アッ。イエ。

 それで威力はどのくらい」警官。

 「イエ。

 都庁を一発で消し飛ばすくらい-----ですか。

 実験した事はないですが」

 「ハッ?まさか。

 冗談を」

 刑事も警官も笑った。

 「それでは。

 その手の○○モノと同じじゃないですか」自衛官も。

 カートリッジ状のバッテリーを銃にセットする。

 枠沢は少し離れた木を狙って。

 「あのあたりに人はいないね」

 「はい。

 そのはずです」陸月。

 部下に確認をさせる。

 枠沢自身でも確認する。

 “いない”

 「出力最低でいきます」

 撃った。

 木が。

 数十本まとめて

白熱化し-----溶け出した。

 「先生。これは」陸月。

 「殺傷能力は

充分すぎますか。

 -----。

 どうしよう」刑事たちが。

 「先生。

 後日、出頭。

 アッ、イエ」

 “やっぱり。

 しかし今は”

 「バースト・ビーム・ガン。

 モンローの命名だ。

 私は反対したんだが。

 メルトダウン・ビーム・ガンの方がいいと言ったんだが。

 奴もガンコでね。

 ジャンケンで負けたからな」

 「エッ?」陸月。

 「イヤ。

 バーストビームなどという名前にすると

モンローの奴。

 本当にボカンと爆発させかねんしね。

 爆発させると危ないだろうし-----ね。

 都市の一つや二つ

吹き飛びかねんしね。

 その手のキワモノ映画でもテレビでも。

 ヒーローの出す光線兵器や

対怪獣専門部隊の持つ

通常兵器に毛のはえた程度の

SF兵器で、

都市がなくなってしまうなどという事、

あり得ないしね。

 テレビの中の対怪獣専門部隊の持つSF兵器は

設定されている世界が未来だと

見ている者にわからせるためのもの

じゃあないかと私自身は思っているんだが。

 まあいいか。

 その点はモンローにも

良く言っておいたんだが。

 やはりそこまで実現しなければ。

 そのあたりも含めてね。

 どうか-----とね。

 だからただ単に

メルトダウンという名にした方がと思って。

 名は体をあらわすというしね。

 アッ、イヤ。

 何でも。

 とにかく、日本語で言うと、

反物質反応励起れいき重力波レーザー銃”

といったところか」

 “まあ、モンローの力では。

 もっとも今のままでも

爆発する事はあるが。

 「リドニテスの時は勝ったんだが。

 まあいい。

 モンローの言うように

クローンマンや

遺伝子マン

というのは。

 勝ててよかった。

 本当に」

 枠沢はブツブツと。

 「とにかく

リドニテスや怪獣に遺伝子として組み込むには。

 まあ、リドニテスの場合は

遺伝子と身体の器官としてと両方だが。

 やはり実物を造っておかんとね。

 一応

モンローと私の二人で造った事になっている。

 モンローと私の間の話ではね。

 それにやはり怪獣を造るからにはね。

 どうやって怪獣を攻撃するかが

問題になってくる。

 その手のキワモノ映画の場合ね。

 そうなると

やはり-----光線兵器かね。

 それで攻撃せんとね。

 格好がつかないだろうし。

 まあ、シャレだよ。

 シャレ。

 実際には怪獣などは造る気は

二人ともなかったんだが。

 怪獣など造って

もし暴れられでもしたら

人生終わりだしね。

 そのくらいの分別はあるつもりだし。

 アッ、イヤ。

 モンローは。

 とにかく冗談でそう思ってね。

 これを造ったんだ」 

 「なるほど」

 ため息が。

 「確かに」

 「怪獣を造らないという

分別はあったが。

 こういうモノを造らないという分別は」

 「なかったわけか」

 「しかし-----この先生。

 本当にそんな分別。

 怪獣を造らないという分別。

 あるのかな」

 「あるようには-----」

 「見えないか」

 「だったらどうして造らなかったんだ。

 怪獣を」

 「それは-----」

 「できなかったという事か」

 全員納得。

 「それに爆発とメルトダウン。

 どう違うのだろう」

 「全くこの先生方は」

 誰かが。

 小声で。

 「光線兵器か」

 「やはり出て来たか。

 という感じですね」

 「やはり○○の考える事は。

 怪獣にリドニテスの次は

光線兵器か。

 まあ当然か」自衛官。

 「もしかしたら出てくるかもと。

 私も」

 「やはり怪獣モノはこうでなくては」

 そこかしこで小さな固まりができ、

ヒソヒソと。

 「それでどちらがこれを。

 もちろんモンロー先生が。

 実際は。

 アッ、イエ。

 失礼しました」

 枠沢はニヤリとしただけ。

 実際は枠沢一人で。

 「しかし重いですねえ」

 陸月が手に持った銃を感心したように。

 「他のケースも。

 全てそうですか」シオリ。

 「いや。

 こっちは」

 枠沢はケースを開いた。

 バズーカ砲のようなものが。

 しかし色も、形も

その手の○○ファンが見れば。

 「何ですか。

 これ」陸月。

 「モンロー教授の無人島にあった」哲斗。

 「ああ。あの。

 怪獣用の。

 肩にかついで撃つという」陸月。

 「陸幕長が。

 ぜひ、欲しいと言っていた」シオリ。

 「まあ威力しだいか」

 「携帯用ハイパワー・バースト・ビーム砲。

 “個人用肩撃ち式携帯BB砲”

の方がいいかな。

 出力を調整する事によって

爆発させる事も

溶かす事もできる。

 相手の細胞の分子構造にもよるがね。

 少し重いが

あれよりも強力なはずだ。

 持つ時は気をつけてくれ。

 重いから」枠沢。

 陸月が。

 持ち上げようと。

 「御心配なく。

 我々は重い無反動砲を

いつもかついでいますから。

 あれは十五キロは。

 ウッ!

 重い。

 いったい。何キロ」

 無反動砲の-----倍?

はありそうだ。

 哲斗も別のケースの砲を持った。

 肩にかつぐ。

 「三十キロはありますか」

 「重いでしょう。

 無人島にあったヤツは

これを軽量化したものでしょう。

 威力は

外から見ただけですが。

 こちらの方が」枠沢。

 「なるほど」陸月。

 ライフルもある。

 宇宙服のようなバトルスーツまで。

 その色、デザインたるや

その手のマニアが見れば。

 「これは」陸月。

 「もちろん。

 対怪獣専門部隊用のスーツだよ。

 直撃は無理だが、

輻射熱なら何とかね。

 銃を持つからにはコレを着ないとね」

 枠沢は-----見回した。

 全員。

 どうしたものか。

 「アレ着るの」

 「どうしよう」小声で。口々に。

 眼を輝かせる者も。

 しかし-----。

 「試射をしたいのですが。

 どうやれば」哲斗。

 「ここではできないよ。

 危なくてね。

 私の家がなくなっては」枠沢。

 “はぐらかされたかな。

 仕方ないか。

 やはり現実とその手の○○モノとは。

 何とかしなければ”

 「それはありますか」シオリ。

 「上へ向けて撃つ分には」哲斗。

 「なるほど。

 どうぞ。

 使い方は-----そこに説明書が。

 私自身忘れないようにね。

 書いておいた」枠沢。

 哲斗が砲を肩に

撃った。

 月へ向け。

 結果は、ここからではわからない。

 「やはり演習場へでも行って

試射しなければ」

 銃とライフルを隊員に。

 十数丁づつあった。

 携帯BBバースト・ビーム砲は五門。

 使い方を枠沢が教える。

 上へ向けて各自数発。

 試射を。

 「これで怪獣を倒せるんですね」陸月。

 「いや。わからない。

 モンローが

怪獣をどの程度の強さに

造っているかしだいだろう」

 枠沢。

 歯切れが悪い。  

 何か言いたそう。

 迷っている。

 「モンローは怪獣の強度によって

カテゴリー1《ワン》から3《スリー》までに

分けているらしいし」枠沢。

 「そういえば資料にそんな事も」陸月。

 こんな短時間に

そこまでいちいちくわしく読んでいられない。

 「細胞を構成するタンパク質の構造の違いで

結合力に差ができているんだ。

 他にも超重核子や。

 まあいいか」

 「それでこの砲では」

 「カテゴリー“1”ならなんとか。

 しかしそれ以上なら」

 「ではリドニテスへは」

 「残念ながら」

 「どういうことですか」

 「奴らはカテゴリー“3”だ。

 たとえ等身大であろうが

 ガンはおろか

 BB砲でも傷一つつかないだろう」

 陸月たちは。

 「個人用の携帯BB砲ではやはり

その程度の威力にしかできないわけですか。

 技術的に」シオリ。

 「もちろんそれもある-----。

 小型化するとなるとね」

 他の研究が忙しくて

BB砲関係には。

 「やはり」

 「しかしどうして“カテゴリー”などというものを。

 そのような怪獣を造ったのですか」シオリ。

 「どうしてかって。

 それは

タンパク構造。原子構造等を

変えることによって

様々な強度の怪獣を造れるようになったわけだ。

 造れるのに造らないというのはね。

 何も悪い事じゃないしね。

 研究だけならと

その時はそう考えていたんだが。

 やはり“怪獣”を造るというのは

悪い事-----だろうしね。

 それを本当にモンローが怪獣を造るなどとは」

 「そういう事ですか」

 「最初にね。

 細胞というか

アミノ酸や原子の構造ありきなんだよ。

 細胞を構成するタンパク質の構造によって

怪獣の強さが決まるわけだ。

 これはさっき言ったかな。

 その構造だが

アミノ酸にしろタンパク質にしろ

すこし変えるだけで

その強度を大きく変えられるわけだ。

 反物質反応をさせるための困難さも

同様だがね。

 となると

その細胞の強さによって

怪獣自体も分類していかなければならなくなるだろう。

 当然」

 「どうして-----ですか」陸月。

 「当然だろう。

 怪獣映画でも何でも

あの怪獣の方が強い。

 いや、こっちの怪獣の方がと

なってくるだろう。

 見ている方は。

 君たちは気にならないかね。

 その点について」

 「まあ-----そうなりますか」ため息が。

 “よくわからんが。

 取りあえず相手に合わせておくに限る。

 こういう場合。

 しかし-----そういうものなのかなあ”

 「カードゲームをやった事が-----。

 いや-----

 まあいいか。

 そこで考えたのが

このカテゴリーだ。

 わかりやすいように

最初からそのように分類してあるわけだ。

 ところで君たち

怪獣の強さとは何だと思うね」

 全員。

 答えられないでいる。

 枠沢はニヤリと。

 「第一に腕力だろう。

 他のモノも甲乙つけがたいが

まあいいか。

 他には相手の攻撃にどれだけ耐えられるか。

 相手をどう倒せるか。

 例えば

怪獣というからには

当・然・。

 口から火くらいは吐かないとね。

 その火は

どのくらい相手の怪獣に対し

効果があるのか。

 それのつきるのじゃあないかね。

 まあ他にもあるがね。

 どのくらい早く飛べるかとか。

 もちろんこれは空飛ぶ怪獣の場合だがね」

 「なるほど」

 良くわからない。

 「その一つの尺度として

このカテゴリーがあるわけだよ。

 反物質反応に対する耐性のようなものかな。

 他にも大砲の弾丸のような

運動エネルギー弾に対する強度。

 圧力、熱、低温、放射線等に対する強度もあるがね。

 大砲の弾丸タマでいくら撃たれても平気だが、

熱に弱いなどという

いわゆる弱点を持った怪獣を造っても面白いのだが。

 まあいいか。

 あれは自衛隊ででも-----。

 君たち本物の自衛隊じゃあないよ。

 あくまで映画の中の自衛隊だよ-----。

 倒せるように

ワザと映画会社が。

 いや。何でも。

 これは造る本人の考え方によるものだしね。

 完璧な怪獣を造ろうとすれば

弱点などとんでもないとなるだろうし。

 弱点がなければ。

という考えの人もいるだろうし。

 アニメの影響かな。

 これは。

 とにかく怪獣を強度的に分類するためにね。

 まあ細胞強度とBB砲の攻撃力。

 どちらが先かはわからないが。

 BB砲の威力を基準とした方がいいかと考えてね。

 運動エネルギー弾にも熱にも低温にも

信じられないくらいの強度を持っているしね。

 攻撃力はいくら防御力はいくらという

分け方もあったんだが。

 そういう事だ。

 とにかく奴らを倒すには

今のところBB砲と

後は分子-----。

 いや、まあいいか。

 それしかないわけだし。

 君たちにしろ

例えば大砲の威力を考える場合

厚さ何メートルの鉄板を撃ち抜けるか

となるのだろうが。

 BB砲では少し違うわけだ。

 大砲の弾丸のような

運動エネルギー弾によって

原子の結合を破壊するのではなく、

重力波のスペクトルによって

原子を反物質反応させるわけだしね。

 それによって得られたエネルギーによって

となってくる。

 例えば原子によって

核融合にしろ核分裂にしろ

それに要するエネルギーは変わってくるわけだしね。

 反物質反応も同じだよ。

 それに見合うエネルギーを与えなければ

反応も何も起こらないわけだし。

 怪獣の細胞も

アミノ酸によるタンパク構造も同じだよ。

 しかもこの怪獣。

 普通の原子は使っていない。

 超重核子を使っている。

 つまりそれに必要なエネルギーが

通常よりも非常に大きいわけだ。

 反物質反応にしろ

核融合、核分裂にしろね。

 それによって分類してあるわけだ。

 ただ反物質反応に要するエネルギーが

いかに大きくても、

運動エネルギー弾に対する強度が

それに比例するとは限らない。

 核分裂、核融合反応はしやすいが

反物質反応はしにくいという場合もあるし。

 いかに運動エネルギー弾に対しては

だいじょうぶだとはいっても

それなりにカテゴリーにあわせて

それぞれに対する強度をうまく-----ね。

 そうだろう。

 そうしないと困るしね。

 苦労したよ。

 それを合わせるのにね。

 まあ-----差をつけるのも面白いのだが

そういう怪獣も。

 まあいいか。

 とにかくそれに合わせてある。

 指数関数的にね。

 反物質反応、原子や分子の結合力に合わせてね。

 腕力というか。

 筋肉の力もコントロールできるしね。

 単位面積当たりの筋力も。

 タンパク構造、超重核子によってね。

 それもね。

 だからこのBB砲も

あの怪獣には通用するが

この怪獣には通用しないとなってくる。

 カテゴリーの違いによってね。

 分子構造が全く違っているしね。

 それに合わせていろいろとね。

 他に威力も上げなくてはならないしね。

 まあそういう理由で

カテゴリー“1《ワン》”以下の怪獣ならばだいじょうぶだが

それ以上のモノにはという事なんだよ。

 そういう風にしたんだよ。

 何晩も徹夜してね。

 モンローと二人で

ああでもない、こうでもないとね。

 問題は

このカテゴリーの“1”から“3”までの

怪獣の頭数の比率をどうするかだよ。

 カテゴリー“1”を何頭。

 “2”を何頭。

 “3”を何頭とするかのね。

 私はピラミッド型にして

カテゴリーの低い怪獣ほど

多くしてはどうかと言ったんだが。

 モンローは一対一対一でいいと言って

聞かないんだよ」

 「どうしてですか。

 ではエサはどうなるのですか」シオリ。

 「エサ。-----。

 何?

 ああ。カテゴリーの高い怪獣が

カテゴリーの低いヤツをかね。

 エサとして。

 一対一対一にした場合。

 そのあたりのかね合いは

という事かね。

 いや、それは

怪獣にエサは必要ないんだよ。

 そうなっている。

 宇宙線で成長する。

 まあ肉食怪獣とは別に

そのエサとして草食怪獣かね。

 それも造ってはどうかとも思ったんだがね。

 そうするとその草食怪獣のエサとなる

植物が必要となるしね。

 第五周期の植物がね。

 まあそれはだ。

 草食怪獣。

 これも怪獣というのかね。

 その草食怪獣は宇宙線を吸収して

成長、生命維持をする能力を持たせておく。

 そして肉食怪獣はその機能を持たないとしておく。

 そうすればいい事だがね。

 そうすると草食怪獣は

宇宙線を吸収して勝手に成長する。

 中には無機物というモノもヒョッとして。

 まあいいか。

 しかし肉食怪獣は

草食怪獣を捕食しなければ生きていけない。

 いわゆる大自然のおきてという奴になるのかね。

 しかしそれをやると

肉食怪獣の場合

子供はどうやって成長するんだね。

 親が子供を養わなくてはならなくなるしね。

 エサをとってやってね。

 そんなモノ、怪獣じゃないだろう。

 そういう怪獣もいるにはいるが。

 まあいいか。

 怪獣は

映画でも突然出てきて-----大人の怪獣がだよ-----

首都や大都市で暴れまくるものだしね。

 善玉怪獣以外はね。

 まあ-----やり方はいろいろあるがね。

 例えば

肉食怪獣でも

子供の時は草食怪獣同様

宇宙線を吸収して成長し。

 大人になれば

その機能が失われるようにすればいいのだが。

 まあいいか」 

 「そういう事ですか。

 それで一対一でも」シオリ。

 「しかしまあ。

 宇宙線で成長するといっても

もともと、恐竜の遺伝子をもとにしているから

食べれないわけはないしね。

 もし味を覚えれば、

食べる必要がなくても

捕食行動を。

 相手を見つけて食べるかも知れないね。

 しかしとにかくモンローは一対一対一を主張してね。

 だからそうしたんじゃないのかな。

 ただそうすると

あいつら、怪獣同士

顔を合わせるとケンカばかりしているはずだから。

 いや。

 怪獣たるもの

怪獣同士仲良くするなんて事

考えられないしね。

 そんな事すればモノ笑いの種だしね。

 そんな映画。

 君たちがもし映画を造るとしても

決して造らないだろう。 

 だからそうなっているはずだ。

 遺伝子レベルでね。

 そう組み込んで。

 それでそうなると

相手を食べるという事もあるかもね。

 君の言うように。

 弱い怪獣は強いヤツにやられて

当然、数が激減しているはずだ。

 それを言ったんだが。

 一対十対百くらいがいいと。

 しかしモンローの奴。

 どうしたか。

 それを考えるとわからんね」

 「-----」全員、無言。

 「怪獣映画を見て育った世代が

こういうものを造ると。

 そうなるのか」

 陸月がポツリと感想を漏らした。

 「しかし-----考えてみると。

 我々が造るとしても」

 「そうするか-----な。

 それが正解か。

 アッ、イヤ」

 「それなら。

 あのリドニテスも怪獣同様」

 「そのカテゴリーをそのまま適用しているわけですか」

 「よくわかっているね。

 君たち」

 枠沢もうれしそうに。

 全員タメ息。

 「そう来るか」小声で。

 「そうだよ。

 その通りだよ。

 怪獣の次はリドニテスが出て来る。

 そうなると

怪獣とリドニテス。

 どちらがどの程度強いんだとなってくる。

 まあ、巨大変身ヒーローの方が強いのは

当然だがね。

 それでも見ているほうは

どのくらいリドニテスの方が

強いのかとなってくるだろう。

 となると同じ基準を適用した方が

いいに決まっている。

 それでリドニテスにも

同じカテゴリーを適用しているわけだよ。

 当然だろう。

 しかしリドニテスは金属周期。

 それに合わせるのにも

苦労させられたがね」

 「怪獣の次にはリドニテスが当然

出て来るわけですか」

 「なるほど」全員、ア然。

 「子供の頃から。

 その手のモノで育った世代というのは」

 「そのように考えるわけか」

 「マサカ。

 みんながそのようにはならないだろうが。

 そういう話を聞いて。

 なるほどな-----と思う程度だ」

 「なるほど」納得。

 「なるほどと思う方も-----。

 少し-----」

 誰かが小声で。

 全員黙った。

 「それでモンロー先生は。

 そのカテゴリーを怪獣に」

 「そういう事だろう」

 「しかし本当に

そのような事を実現できるのですか」

 「イヤそれは。

 モンローならば」

 枠沢。実際は。

 「なるほど」

 「モンローは天才だしね。

 その発想にしろ何にしろ。

 他の人とは比べものにならないよ」

 「とても常人では不可能か」

 「○○サイエンティスト-----か」誰かが小声で。

 「パターンだからな」

 「こういうモノを造るのは」

 「こういうモノを造れるのは-----。

 だろう」

 誰かが訂正した。

 「積み込みが完了いたしました」隊員が。

 「これも積み込め。

 砲は各自携帯」

 スーツも積み込むようだ。

 カートリッジも各々に配る。

 充電もすぐに終わった。

 充電用の装置も積み込んだ。

 宇宙線を取り込んで蓄積しておく装置だ。

 それをカートリッジに充填していくだけだから早い。

 砲や銃自体に

宇宙線を取り込める装置をつけてもいいのだが。

 それではエネルギーが切れた場合

どうしようもない。

 カートリッジ式にしておけば

その心配もない。

 どちらがいいかは-----今後の課題だ。

 カートリッジ自体に

宇宙線を取り込む機能をもたせておく手もあるが

重くなるし-----。

 軽量化できれば-----だ。

 トラックが次々に発車していく。

 数人のバースト・ビーム・ライフルを持った隊員が

護衛に当たる。

 「では、行きましょうか」陸月。

 「エッ」枠沢。

 「先生も-----ぜひ」

 「それは-----話が」枠沢。

 「そうおっしゃらずに。

 ぜひ、お話をお聞きしたいと

皆さん、お待ちしていますので」

 「それと先生。

 本署の方へも」刑事が。

 「やっぱり。 

 その手のモノでは

ウヤムヤになって-----逮捕などという事には」

 ブツブツと。

 「そうおっしゃらずに」

 “これはリドニテスを造った事がバレれば

エライ事になるな。

 モンローの怪獣もリドニテスも-----もとは。

 あくまでシラをきり通すしか。

 マンガのようには

現実には行くはずもないか”

 しぶしぶ、枠沢は高機動車へ。

 先に出たトラックを追うように

防衛省へ。

 哲斗や陸月たちは砲を手にヘリへ。

 怪獣へ。

 東京へと向かった。


 



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