張り込み
その夜。
哲斗と陸月たちは乗用車の中
枠沢の自宅近くで張り番をしていた。
「どうしてあの時、
薬を強引に取り上げなかったのですか」堆星が。
「我々はテレビ局員だぞ。
何の権利があって」陸月。
「それは。そうですが」
「そんな事は警察の仕事だ。
それにあの先生。
まだ何か知っているかも知れんし。
上の方でも処置に困っている。
命令も来ん」陸月。
「ですが。あの先生。
自分で
飲んでしまうという事は。
二つしかないんでしょう」堆星。
「貴様。
欲しいのか」
「それは。
わかりません」
「我々は上の命令に従えばいいんだ。
それに御刀によると
あの先生。
リドニテスにはなりたくないらしいし」
「そんな人間。
いるとは」堆星。
「それに気が変わる事も-----か」陸月。
「枠沢先生に限って」哲斗。
「わからんぞ。
それにあの先生。
モンローとグルという事も」
「ですが枠沢先生とモンローは、ここ数年」シオリ。
「電話もインターネットも全く。
関わりない-----か」
「ですがリドニテスは空を飛べますし」堆星。
「バーザスからの情報によると
そのリドニテス。
完成したのはここ一ヶ月以内らしい」陸月。
「では。枠沢は」
「シロという事になる」
「なるほど。
しかし、やはり-----薬は」堆星。
「我々にはどうしようもないさ。
あの資料を上層部がどう考えるかさ」陸月。
「あれを」
暗闇にまぎれて人が一人。
暗視カメラに映るその姿は。
「モンローか」
「わかりません」
顔を隠すように-----枠沢邸へ。
玄関のチャイムを。
堆星が集音マイクをそちらへ向ける。
「枠沢。ワシだ」
バーザス語で。
ちなみにバーザスは英語圏だ。
ドアが開いた。
男は中へ。
「モンローか」陸月が。
「そうです」哲斗。
「踏み込みますか」堆星。
「いや、様子を見よう。
本部へ連絡を」




