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自宅

 枠沢は真っ直ぐに自宅へと戻った。

 荷物を解くのもそこそこに

モンローから渡された錠剤を。

 枠沢は自宅の地下室へ。

 ここはむこうの研究所ほどではないが

簡易型の電子顕微鏡もある。

 錠剤をホンの少し砕き

ヒトの血清の中へ。

 普通のヒトの遺伝子も入れてある。

 それに薬が反応し

ヒトの遺伝子がリドニテスの遺伝子へと。

 それをもとにサンプルを造り

顕微鏡へとセットした。

 残りの錠剤をケースへと。

 ポケットへ。

 薬を直接分析するには

ここの設備では。

 それで人の遺伝子に反応させた上で

分析をする事にしたのだ。

 データーがコンピューターの端末のモニターに表れる。

 今はまだ第二周期のままだ。

 「モンローの奴。

 どこをどういじっているんだ」

 もちろん原子の配列をいくらながめていても

何もわからない。

 原子が不規則に並んでいるとしか見えない。

 こういう原子の配列なら

こういう機能を持つ。

 こういう並びならこういう機能を。

 遺伝子や酵素に関する基礎データーがないと

全くわからない。

 そういう基礎データー集めが大変なのだが。

 枠沢の場合は

彼独特のガンマー線スペクトル理論により、

さらにそれをヒトの遺伝子と比較して

変わっている部分を。

 「ヒトの遺伝子をリドニテスの遺伝子に変える部分は

痕跡も見つからん。

 他も-----全く。

 ヒトの遺伝子と変わらんか。

 たいしたものだ。

 これではいくら科学者が遺伝子検査をしようが

普通の人と区別がつかんな」

 枠沢は

ガンマー線スペクトルを照てた。

 変化は劇的だった。

 第二周期生物をつくるための

遺伝子配列の原子が

全て金属生物用のものに。

 「これをヒトの遺伝子と比較して-----と」

 人の遺伝子を

そのまま金属周期のものに置き換えただけでは

能力は人と同じ。

 空も飛べない。

 レーザーも出せない。

巨大化も出来ない。

 ただの

等身大の金属生物の人になってしまう。

 アミノ酸にしても

人と同じモノを使っていたのでは。

 人のタンパク質はモロすぎるのだ。

 攻撃を受けた時に

それに耐えられない。

 その上、地球上には

そのような金属周期のアミノ酸や炭水化物、ビタミン等を

合成してくれる植物等も存在しない。

 人や動物は

他の植物や動物、微生物の合成してくれた

それらの物を身体に取り込んで成長し

生命を維持しているのだ。

 しかし第五周期、金属周期の怪獣やリドニテスは

それらの機能を

全て自らでこなさなければならない。

 それに巨大化にしてもそうだ。

 様々な機能を持てるように

遺伝子に付け加えなければならない。

 その分、遺伝子は当然違ってくる。

 しかも人の形をしている時は

そういう様々な機能を持たせた形の

遺伝子では困る。

 もし遺伝子が普通の人と違えば

正体が。

 それに元の人のときの姿、形にも

影響が現れるかも知れない。

 もっともそれについては、

防ぐ方法もあるが。

 だから、人の形でいる間は

遺伝子も普通の人と同じでなければならない。

 これが枠沢の考えだった。

 しかしこの遺伝子(デオキシリボ核酸)という表現。

 ATGCか。

 正しいのかな。

 ATGC。

 こんなものでは

遺伝子は-----。

 まあいい。

 それをモンローが忠実に守ったらしい。

 もっとも-----そのような事

実際に実現可能かどうかは別問題。

 ものすごく-----。

 しかし人の遺伝子が

リドニテスの遺伝子に移行する時には

同じ形では都合が悪い。

 だから、枠沢の原子の超縮小理論を使い

適当な箇所、箇所で。

 リドニテスの時は

数百個の原子の並びであったものを、

人の遺伝子になった時には

一個の原子内に収まるようにしてある。

 つまり

数百個の原子が

見た目、一個の原子となるのだ。

 しかも一個から数百に分かれた時には

元の原子配列通りになるように。

 同種の原子でも

たたみ込まれている数が 

遺伝子の場所によって違うのはもちろんだ。

 つまり

人は持たずに、

リドニテスの持つべき機能をつかさどる 

遺伝子の断片を、

人の遺伝子の原子一つの中へ閉じ込めておくという

離れわざをやってのけているのだ。

 ガンマー線スペクトルが人の遺伝子に照てられると

遺伝子内の原子は、

通常、一対一で

金属人間の原子量の違う遺伝子原子へと変化するが。

 つまり第二周期の原子が

金属周期の相応の原子に置き換わるわけだが。

 例えば

第二周期を第五周期に置き換える場合

炭素をスズに

窒素をアンチモンに

酸素をテルルに

と単純に置き換えるだけだが。

 まあそううまくは-----。

 しかしリドニテスでは部分的に

人の一個の遺伝子原子が

数百のリドニテスの遺伝子原子へと変わるのだ。

 もちろんリドニテスの場合

遺伝子のみではなく

細胞自体も瞬時に同時に変わる必要もある。

 怪獣のように遺伝子を造っただけで

後は細胞分裂させて

成長させていけばいい、というものでもない。

 それを

ただ単に人の遺伝子を

金属生物の遺伝子へと置き換えたものと

比較すれば、

どこを、どういじったのか。

 どういう能力を付け加えたのか。

 わかるわけだ。

 「出たか。

 これで見ると」

 不一致部分を

コンピューターの基礎データーを下に

機能を調べる。

 「重力推進。

 生物レーザー。

 重力波レーザー。

 重力波レーザーは使い道によって-----

二種類か。

 他には。

 感覚器官は。

 視力は、聴力は。

 -----。

 おかしい。

 モンローの奴。

 視力は-----人よりも数倍程度か。

 可視領域は

赤外領域、紫外領域もこの程度か。

 しかし聴力が。

 これじゃあ

普通の人よりは-----よく聞こえそうだが。

 おかしいな。

 他のも

もっと良くできるはずなんだが。

 だいぶ手を抜いてるなあ。

 変身時間は-----やはりこの程度か」

 “これでは

 変身するたびに変身時間にバラつきがあるか”

 「次は巨大化した時だ」

 コンピューターが。

 「武器は変わらんか。

 感覚器官も

変身時間もか。

 他の機能は」

 何かまだ隠されているかも。

 モンローの事だ。

 ガンマー線を遺伝子の原子一つ一つに照て

何か隠されていないか捜す。

 二次X線の微妙なズレで、

超縮小理論で原子内にまだ何か閉じ込められていれば

それでわかるはず。

 隠蔽いんぺいの強度はたいした事はない。

 枠沢が当時考えていた程度。

 二次X線を補正し切れていない。

 照てるガンマー線スペクトルの出力も、

人体には全く影響のない程度でも

充分にわかるほどだ。

 ちょうどモンローが

無人島で人をリドニテスに変身させるために使った

ガンマー線スペクトル発生装置程度の出力でも

充分という感じだ。

 「ここか」

 遺伝子全てを調べたが  

一ヵ所。

 「どういう機能だ。

 -----

 モンローの奴。よくやる。

 -----

 これじゃあリドニテスになっても

すぐにもとの。

 ただの人間へ逆戻りだ。

 せっかくリドニテス化した遺伝子が

時限スイッチにより、

元のただの人の遺伝子になり

変身も何もできなくなる。

 -----

 期間は。

 二三年というところか。

 これも実現していたのか。

 本当にたいしたものだ」

 つまりリドニテスの薬の効果は

数年という事。

 その期間が過ぎると

せっかくリドニテスになれるように変化した遺伝子が。

 もちろん細胞自体も

元のヒトの遺伝子、細胞へと

強制的に変化し、

リドニテスの遺伝子,細胞は消滅してしまうのだ、

 後は

“た・だ・の・人・・”

となる。

 二度と変身できなくなるのだ。

 しかし考えてみると

人も生物も同じようになっている。

 歳をとると老化して死んでしまう。

 どうしてだろう。

 老化して死んでしまうような機能。

 ない方が構造も簡単ですむだろうに。

 細胞が本体から切り離されれば

遺伝子がすぐに分解してしまう事もそうだ。

 バクテリアなどではそうなっても分裂していけるのに

不思議だ。

 人でも生物でも

老化も死にもせず、

そのまま永久に生きつづけるようにした方が

遺伝子の構造にしても簡単だろうに。

 まあいいか。

 今はそれより

 「これを知っていれば。

 彼らも叛乱など起こさなかっただろうに。

 モンローもなぜ

教えておかなかったのか。

 -----。

 いや。

 教えても-----無駄か。

 教えれば

逆に何をするか。

 それこそ-----強制的に。

 いや、データーを盗めば済む事か。

 何も知らないフリをして

ダマってこちらも様子を見ていた方が。

 モンローもそう考えたのだろう。

 そういえば隠蔽の強度からいって

変身時間の方は

素人にもすぐにわかる程度にしてあったし。

 二段構えという事か。

 片方はわかるように。

 もう一つはわからないように。

 身体の強度は

この程度か。

 だいぶ手を抜いているな」

 もう一つの方の薬も解析にかかる。

 ホンのわずかくらい取っても

変身には全く影響はない。

 半分ほどの量があれば充分かとも思える。

 内容はほぼ同じ。

 姿形が少し違うだけだ。

 姿、形といっても

リドニテスは特殊な外皮で覆われている。

 人が

たとえ巨大化しても

裸では困る。

 これが枠沢と-----モンロー?の

共通の意見だった。

 それは頭部を含め

全身を覆っている。

 もっとも外皮で覆われているといっても

それは皮膚と一体化し

外皮自身が皮膚と言ってもいいが。

 その形やデザインが違うのだ。

 「モンローのよこした資料の通りか。

 イラストのデザイン通りに

リドニテスを造るとはたいしたものだ。

 着ている服はどうなるのかな」

 “やはり、巨大化すれば破れて飛んでしまうらしい。

 等身大の時は衣服をガンマー線を使って

そのまま縮小して体内のポケットに

格納したりする機能はないようだ。

 一度身体を縮小しリドニテスに

そして服から抜け出し

等身大に戻り

今度は衣服を縮小

体内のポケットへ。

 それは瞬間的になされるため

人の目には。

 それが変身における

枠沢とモンローの結論だった。

 「モンローもそこまでは。

 いや、奴の事だ。

 待てよ。

 そう言えば-----ジャックたちも。

 モンローもあの時

変身前に服を着ていたが

変身直後はなくなっていたか。

 どういう事だ。

 あいつ。

 この薬

手の抜いたヤツを送ってよこしたのか」

 枠沢はニガ笑い。

 「これじゃあ。

 変身するたびに

よっこらしょと服を脱ぎ

巨大化して元に戻れば裸か。

 モンローの奴。

 イタズラ好きが」

 “悪い奴だ”

 得られたデーターを

DVDに。

 さらに用紙に概略をプリントアウトする。




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