たぶん間違っているだろうくだらない答え
俺は、何のために戦っているのだろうか?
心の中に問いかける。どうせ答えはないのはわかりきっているのに、何度も問いかける。
親友を助けるために?それとも、彼女を悲しませたくないから?
答えらしきものはとりとめもなく出てくるのに、ひどく現実味のない答えに吐き気がする。
そんなことではないのだ。そんな殊勝な気持ちで戦ったことなどないのだ。
ただ、怖いだけなのだ。
親友がいなくなったあと、自分は何ができる?何を決めてどう動く?臆病な自分に部下が従うか?敵を前にして、自分の意志で立っていることができるのだろうか?
―自分には、すべきことがわからないから親友の示す先を目指していただけなのだ―
ただ、反吐が出るだけなのだ。
親友を捨ててなお、平然としている自分が、それができてしまうだろうことがわかっている自分が、彼女の前で悲しみの表情を作りながら彼女を自分のものにしようと考えるであろうその思考が、考えなくても見えてしまうのだ。
―自分がどうしようもない男で、親友が手にしたものを羨み、奪いたい気持ちを捨てられないのだから―
優しいと、親友はそう言って俺を止めた。
それは違う。そんな奴でないことを自分自身が最も理解しているのだ。
それでも来るな。と、そういってあいつは俺を止めた。
捨てたとは思わない。そもそも俺は自分の意志でここにきているのだ。捨てるも何もあいつに拾われた覚えなんぞない。
拒絶されたとも思わない。そもそも、自分なんぞ受け入れられると思っていないのだ。
じゃあ何なのか?それはわからない。だけど、親友が自分とたもとを分けるつもりだということ。それぐらいしかわからない。
―ただ、光に向かって歩けばよかった―
道のない道を、指針の光を失い呆然としている自分。
何をすればいいのか?これからどうするべきなのか?
何も決める光のない自分にはどうしようもない。
―ならば、せめて残光を追おう―
幸いだか、不幸なのかは知らないが、自分の歩みはそれほど残っていないのだから、迷うことはないのだ。
どうせ、北利から本土に帰ったらどうしようもない現実が待っているのだ。
勝手な弾薬の運搬、偽装、民間人の武器供与、それ以外にも、ばれていないだろう物資の横流し、売買、数えきれないほど、自分が背負うべきだと思ったことがあるのだから。
どうせ、本土に帰る限り何があっても、自分はあいつの横に立つことはない。なら、光が見えなくても、その寸前まであった光を追えばいいのだ。どうせ一歩か二歩で終わる歩みなのだから。
その先が崖であっても、その先にさらなる暗黒があったとしても。それがどうしようもなく怖い現実でも、足を踏み出してしまえば勝手に終わるのだ。勇気を出して一歩歩いて、あとで死ぬほど後悔すれば、それで終わることなのだから。
自分の横を歩く親友を横目で見る。
たぶん、こいつが自分にしてほしいことは違うのだろうけど。
俺にはそういう風にしかいきられないのだから、しょうがないのだ。




