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後悔
思わず飛び出してしまった。
敵の真ん中で思わず天を仰ぐ。
正直言っていまだに迷っていたのだ。
―あいつを・・・・たのんだ―
本気でそう思ってつぶやいた馬鹿をぶん殴ってやらないと気が済まないからとびだした。
俺はそんなことができる器じゃないのに
俺はそこまで信頼されるような性根なんかないのに
それどころか悪意に満ちてお前すら見捨てようとするような屑で
そんな俺を信じるような馬鹿が、自分の大事な恋人を、屑に護ってもらおうと託すという。
気に食わなかった。
無性に腹がたった。
心が叫んでいた。
どろどろしていたものがはじけるように霧散して、残った心の思うがままに、機体が前に出た。
それはただの気の迷いだ。
だって今現在ものすごく後悔している。
敵に囲まれて、逃げ場は敵の領地にしかなく、味方もいない。
逃げ切れるとは思えない。
それでも、俺は生き残るのだ。
死ぬなよといった親友を、敵地で孤立させて死なせるようなことはできない。
俺が生きなきゃ親友も倒れ、その結果あの子が二つも失ってしまう。
せめて一つだけは残さないといけない。
その為にもまず自分が生き残るのだ。




