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作戦当日 暗躍

さて、第一の山場始まり始まり。

作戦当日


目の前を通り過ぎる多脚騎士の大軍を見て、小さくうなる。


基地の鋼鉄の扉から出撃してくる数多い部隊。種類も様々な統一された感じを全く感じない集団ではあるが、それでもあっという間に各部隊は集合し決められた編成に向かって動き出している。


「総勢364機・・・・か・・・・わかってるのかねぇ」


20の部隊としては定数を見たしていない。わかってはいたことだが、思いの外少ない数に眉を顰める。おおよそ一割弱の戦力が足りていない。原因の一つは


『そういうな相棒。定数満たしてる部隊の方が少ないんだ。援軍ももうしばらく来ていない。いろいろと限界なんだろう』


通信機からの親友の言葉に溜息を一つつく。


「確かにそれもあるだろう。だけどよ、これはひどいぞ」


それでも本来なら欠員をのぞいて380機の大部隊が編成されるはずだった。たかだか16機程度というかもしれないが、部隊の一つ分の戦力がすでに失っているとすれば損失は5パーを超えている。


「だが・・・・明らかに出撃不可の連中の半分は実質拒否だろう」


機体整備不良。プログラムの不具合。燃料の異物混入とかいつの時代の話だと問いたいほどだ。


『ふむ・・・戦力が落ちている今、先行部隊が少ないというのは不安ではあるな』


そう言って難しい声で黙り込む、最初の攻撃を行う先行部隊の欠員が集中し、欠員16機中、だいたい三分の二の10機が先行部隊に組み込まれていた連中だ。


「俺が行くか?」


その言葉に、親友は少し思案し、


『・・・・頼めるか?』


「了解」


そもそも自分の戦い方は単独行動が主なのだ。31部隊の中でもとりわけ重要な役目があるわけでもない。まあ撹乱と偵察だって重要な役目といえばそうだが、今回の戦いでは敵を突破した時点で敵は撹乱されているし。偵察などは先行部隊が行うだろうからそれも必要ではない。


『だが、今回ばかりは部下を付けてもらうぞ。一機程度の援軍では逆に先行部隊の士気が下がる・・・助攻四機率いていけ』



「・・・・・まあ、それもそうだな了解」


口論する時間も無駄なのでそう答える。


『・・・・死ぬなよ相棒』


その言葉に、軽く答える。


「お前もな、親友」



機体を前に進める。同時に四機の隊員たちが両脇を守るように展開。

なんというか・・・・・めんどくさい。が、こればっかりはしょうがないだろうと納得する。


『よろしくお願いします。大尉殿』


「・・・はぁ・・・」


正直言ってかなり納得はしていないのだが、仕方あるまい。


先行部隊に追いつくと。そのままレーダーに映った隊長機の方に向かう。

先行部隊の指揮を取る36部隊はどちらかといえば先行部隊の後方に展開していた。

そのまま隊長機に接近、周囲の四機に待機を命じる。


36部隊の隊長機から聞こえてくるのはひどく冷たい声だった。


『どうした?なにかあったか?』


「増援だ。これより貴官の指揮下に入ることになる。よろしく頼む。36の旦那」


『!・・・・っ了解した』


やっぱり警戒されているのだろう。息をのむ気配混じりに何とか立て直している隊長に苦笑いを浮かべる。


「んで?状況は?」


特に問題は起こってないだろうが一応の確認。


『ほぼ予定通りだ。すでに三つの部隊に分かれ、行動を開始している。あと一時間程度で準備は整うだろう』


先行部隊は敵の前線を突破する必要がある。


当初の作戦は先行部隊を全軍で正面に展開する敵の狼たちを蹴散らし突破するという作戦ともいえない作戦であったが、目の前の先行部隊の指揮官は真っ向から異を唱え作戦を変更した。


敵の前衛の狼の機動力ならば突破する前に左右に展開している狼たちが救援に駆け付け、前衛に集まり、総力戦になる。それを避けるために敵の両翼の相手を作るべきだと。


その結果五つの部隊のうち二つを両翼に展開し、敵の両翼を引き付ける。これによって中央への援護を防ぎ。三部隊によって正面を突破する。


「・・・本隊にいてほしくはねぇよな?」


『・・・・・正直言えばな』


俺の問いに、指揮官の答えは単純な拒絶。


「・・・どうしてもか?」


『命令なら従うが、指揮官は私だと確約してもらう。それから行動するときは私の許可を得ろ、それならいてもいい』


つまり、本隊にいるなら指揮下に入れと、変な動きはするなと、そんなに怖いかねぇ?


「確かに、総司令の副官と、現場指揮官の意見が割れたら大変だわな」


『・・・正直言えば、それで混乱なんぞ起こったら作戦自体危うい。きさ・・・・・大尉もそれを望まないだろう?』


ちょっと本音が出たのを誤魔化して指揮官が断言する。しぶしぶといった演技で俺は溜息を吐き、妥協案を出す。


「・・・俺の部下たちならそんなに警戒しないだろう?そいつらを本隊に入れてくれ、俺はそうだな・・・・左翼の手伝いしよう。あそこは士気も低いし、隊長も不在だ」


作戦参加が決定後、隊長がまさかの逃亡を図って拘束され、部隊全体の罪に問わない代わりに隊長不在にもかかわらず。作戦参加を強制された部隊である。だからこそ、敵を引き付ける程度にしか使えないと判断して牽制部隊にした連中だ。罪を問わないとなれば真面目に戦うだろうか、それを統率する頭もいない。


『大尉殿!?』


部下の声に俺はきつい口調で。


「作戦の成功が第一のはずだ。作戦成功は本隊にかかってるのはわかるだろう?そして、不安材料な部隊を総司令の副官である俺が動かす。牽制にお前らは不要。なら、少しでも援軍として本隊に残るが定石、違うか?」


『・・・わかった。それでいこう』


『な・・・・いえ・・・了解しました』


指揮官の言葉に部下たちも発言を抑える。


「じゃあ、お前らの指揮権は36の旦那に預けるが、あまり無茶しないでくれよ」


『はっ・・・・了解』


『・・・・・・・・』


指揮官はよく聞き取れない小さな声で悪態をついて


『わかった話は通信でつけておこう。大尉は臨時的に22部隊を率いて左翼に展開、敵を引き付けてくれ、作戦開始時刻は命令通り。確認しといてくれ』


「了解」


機体を北西に向ける。そのまま指揮官と部下を残して機体を動かしながら。


「・・・気づいていて、自分の部隊ではないから見逃したな?それが有利になるだろうと判断したから・・・・か」


相変わらず。自分や他人をだますのがうまい旦那だ。そして作戦終了後に俺を憎んで済ますのだろう。


自分が具体的には知らなくても何か起こると気づいていながら見逃したことを気づかないふりをして。


さて、親友の大事な預かり物は自分の隊の損失を嫌う信用できる旦那に預けた。


そして、自分の手にはどうでもいい手ごまが十数人。


「本隊なんかに最初からいる気なんかないっての」


全く、度し難いほど腐ってる野郎だよ、俺は


注意。以降主人公の性格若干変わります。胸ぐそ悪いかもしれませんので、無理だと感じたら読むのやめて、別の方の作品で口直しをお願いします。以降注意はありません。


できれば見てほしいですけどねぇ

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