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プロローグ

はじまりはじまり~


どうしてこうなったのかと問われれば、俺はこう答えるだろう。


人間だからだろうと。


どうしてお前はそうなのかと問われれば、俺はこう答えるだろう。


俺が人間だからだと。


どうしてお前は戦うのかと問われれば、俺はこう答えるだろう。


親友が人間だからだと。



その空間に開いた穴が全ての始まりだった。

宙に浮いた円形の黒い巨大な一枚のガラス。そしてそのガラスの向こうから現れた巨大な怪物たち。


戦車をかみ砕く顎を持つ巨大な狼。


戦闘機すら命中させる精度をもつ巨大な砲を背中に乗せた巨大な猪


どんな荒地も湖も走破し、口からレーザーを吐き出して周辺を焼き払う巨大な蛇


石が集まったかのようなごつごつとした。巨大な人


そして、人にしかみえないのに、たった一人で師団を壊滅させるような化け物。


世界各地に現れたガラスは現れる度に深刻な被害を与え。いくつかの国が亡び、その他の国も疲弊し、人類同士の戦いは無くなり、だが、確実に人類は減っていった。


そしてこの国、真那国と呼ばれたこの国も、類に違わず、疲弊し、確実に国力は落ちて行った。


真那国の北の領土。北利大島という、広大な山々や湖、盆地などを持つ巨大な島に現れたガラスによって、真那国はいやおうなく化物との戦いに身を投じる事となった。


多くの戦車や砲が化物を打ち倒し、多くの戦闘機や爆撃機が化物を焼き払い。


多くの戦車が砕け爆発し、多くの戦闘機と爆撃機が燃えながら土にぶつかって砕け散った。


北利大島の多くの町が焼かれ砕かれ、地図にバツの印をつけてその名が消えて。



大島の半分がバツで埋まったころには、国は北利を捨てることを決定した。


多くの都市を見捨てても、多くの残された軍隊を時間稼ぎの駒としても、大島から本島である本土への侵攻を抑える為に、本土に要塞が築かれるまで、足止めを行う。


本土の人の為と、彼らは言った。

朽ちて果てろと、彼らは言った。

人間として死ねと、人間は言った。


そんな世界で、俺は生きていた。

戦車はあれど、それは戦場の主力とならず。


航空機はあれど、それは戦場の主力とならず。


化物を退治するために独特の進化を遂げた兵器に乗って。


西洋でいうアラクネ―のような多脚の鋼鉄の騎士。


戦車よりも大きな二十メートル近い巨大な怪物。


蜘蛛のような鋼鉄の下半身に、騎士のような鋼鉄の人間の上半身。


それは、多脚人型戦闘騎士とよばれ配備されている鋼鉄の軍馬。


これは、それに乗って戦った俺の物語。


汚泥で汚れきった戦場で心まで腐り果てた俺の物語。


人間として死んだ俺の物語


おわりおわり~

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