クリスマスプレゼントの買い方
瑠璃ちゃんのターン
「うーん……あー……」
私は今迷っています。悩んでいます。
年末の一大イベントのクリスマス。恋人同士が仲を深めるために、決してやましい意味ではなく、お互いの愛を確認する日です。
そういう私も恋人の神田怜央君のプレゼントを今まさに選んでます。
いろんな雑貨とか日用品が売ってるお店でプレゼントになりそうなものを選んでるんだけど、これがまた決まらないのなんの。
というのも、小学生からの付き合いで……実際に付き合い始めたのは中学生の卒業式からだから、まだ一年経ってません。付き合い始めてからは初めてのクリスマスです。
でもその間に誕生日とかそれこそクリスマスパーティーとかで散々プレゼントの交換をしてきたので、もうプレゼントの、言い方は変だけど、ネタが思いつきません。
怜央くんとの付き合いは長いけど、怜央くんの趣味が『読書』だから、私が本を買ってももう持ってたら嫌だし、ブックカバーとかも最近新しいの買っちゃったって言ってたし。思い切って聞いてみたけど、私が渡すものならなんでもいいって。もう恭子ちゃんに相談しようかなぁ……。
いやいや! 今年はなるべく自分で頑張るっていう目標を立てたんだ! だから自分の力でなんとかしよう!
あ、このブタの貯金箱可愛いかも。でも貯金箱なんて渡したらがめつい女って思われるかも。貯金箱はやめよう。
ちょっと冷静になろうとおもって、周りを見回してみると、私と同じくらいの歳の人がちらほら。他は大人の女の人ばっかり。中には男の人もいるけど、あの人たちもクリスマスのプレゼントを買いに来たんだろうか? その3人いる男の人の中に制服を着た人もいて、高校生っぽかった。
あの人、さっきから食器ばっかり見てるけど、彼女に食器プレゼントするのかなぁ? でも食器なんてもらっても、家では自分用のを使うし、新しいのを貰っちゃったら今まで使ってたのはどうするんだろう。あ、もしかして自分へのクリスマスプレゼントってやつかなぁ。それなら納得かも。前まで使ってたのは割っちゃたんだろう。だからこれを機に買い替えよう、的な。
「あの、なにか?」
「へ?」
突然その人から話しかけられた私は、驚いて間の抜けた声を出してしまいました。
改めて思い返してみると、私ってばガン見しすぎてたかも!
「あ、あの、えっと」
「まさか……弟の知り合いとか?」
「お、弟さん?」
えっ!? 私の知り合いにお兄ちゃんがいる人なんていたっけ?
カレンちゃんは一人っ子だし、ヒロトくんも怜央くんも一人っ子だし……亜里沙ちゃん? いや、でも亜里沙ちゃんのお兄さんなら会ったことあるから覚えてるはず。
でももしかしてってこともあるし……
「その……亜里沙ちゃんのお兄さんですか?」
「亜里沙ちゃん? いや、うちの弟は幸人だけど……」
「…………」
「…………」
「……あれ?」
「あれ、って」
……じゃ、じゃあこの人、誰?