プロローグ1
文字数が少ないのは仕様です
困った。非常に困った。どうしようか。
.........。
どうやら俺はゲームの世界にいるらしい。
◇◇◇◇◇◇
デュフフ。これが夢にまで見た「第二の人生オンライン」たん!
ハァハァ。
ハァハァ。
こひゅーこひゅー。
ハァハァ。
おっといかん。興奮するとつい話し方が「キモヲタ語」になってしまうのは悪い癖でござる。いつの日か自宅警備員を退職した時のためにこの癖は直しておかないと。
俺は逸る気持ちとキモヲタ語を必死で抑えながら「第二の人生オンライン」を丁寧の開封する。
「第二の人生オンライン」とは世界初のVRMMOだ。VRMMOというのは頭に特殊な機械を装着することで、ゲームの世界に実際に入れるオンラインゲームと言ったところだろうか。
実際プレーしたことがないので何とも説明し難い。まぁ要するに世界のゲーマーにとっては夢のような技術というわけだ。
勿論俺も例外ではない。3年間も励んだ自宅警備員の職を一旦辞してまで貯めた虎の子の10万円。
年輩のBBAや婚期適齢期を逃したおばさ...お姉さんに叱られながら必死で貯めた10万円。
客には対応がなってないと言われ、店長には君を雇ったのは間違いだったと言われた。
全く人がいない俺のレジと行列が出来ている隣のイケメンのレジ。
豆腐メンタルの俺には本来耐えようがないはずのそれらの屈辱にも必死で耐えた。
まさに初志貫徹。
獅子奮迅。
疾風迅雷。
ん?少し違うか?
......まぁ良い。学のない俺には分からない。取り敢えず重要なことは俺の前に「第二の人生オンライン」があるということだ。
そのお値段ヘッドギア含め9万5000円。虎の子の10万円が一瞬にして蒸発したが後悔はない。
我が人生に一片の悔いなし。
可能な限り最速の早さでゲームを起動する。まさに電光石火の早業だ。16Gのスーパーコンピュータが唸りを上げる。
ゲームの起動が完了したようだ。コンピュータの画面にヘッドギアをセットして下さいという文字が浮かんでいる。
俺は迷わずヘッドギアを被る。新品独特の匂いが妙に心地よい。ぷっという音と共に急に視界が暗転した。ゲームの中にトリップして行く感覚。
あぁ...俺の「第二の人生」が始まる。