変な動揺と焦り
ある塾の日のこと―――。
「桐野先生ってさー」
「桐野せんせー」
ざわざわ
サカナ先生のまわりには
女子が群がっている。
「サカナ先生今日はモテるねー紗千ww」
「……」
「紗千…?」
「……」
「紗千!!」
ビクッ「ん!?何!?」
「紗千大丈夫?ボーっとしてるけど…」
「ねぇ、あの女子たち何してるのかな…」
「へ?分かんない」
「…」
紗千はさっきからサカナ先生と
そのまわりの女子たちをじっと見つめて黙り込んでいる。
「ニヤ)何?気になるの?」
「あっ!い、いやっそんなんじゃ…っ!」
何故か慌て、動揺してる自分。
(あれ…?おかしい…モヤモヤしてる…
さっきからサカナ先生のこと考えると…)
「じゃあ何で慌ててるの?」
「うっ///それが、私にも分からなくて///」
「今、どんな気持ち…?」
「何か…すっごくモヤモヤしてて…劣等感がわきあがるような…」
「ふぅん…(ニヤ」
何か美織がさっきから怪しげな笑みを浮かべている。
「美織!何か分かったの?」
「いーや。なぁーんにも♪」
「…」
また黙り込んであちらへ目を向ける。
(いや…前まで普通だったじゃん!なんでこんな空しくなるの…)
「て、ゆーかもう帰ろうよ」
「いや、私はまだ先生に用があるからまだ帰らないよ」
「誰先生?」
「桐野先生♪」
「な…っ!!いやっ!帰る!ばいばーい!!!」
ガシッ
「紗千ー?一緒に待っててくれるよね…?(ニコッ」
「…(泣)」
サカナ先生登場。
「あっサカナ先生!!」
美織が言う。
(いや、それ本人に言っていいのー?失礼だろ!!)
「サ、サカナ…?(困)」
(あ、困ってる!可愛いかも~!!…って私!何考えて…っ!)
「先生!この子、理科苦手なんですよ!!教えてやってください!」
えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!
そういう系ですか!!美織さん!!
「な、何言って!」
「何が分かんないの?」
…って先生教える気満々だしィィィ!!!
(いや、これはチャンスじゃん…サカナ先生と接近できるチャンスじゃ!
…って、何で!!てか私いつからこんなことかんがえるようになったの?)
「いや、私、超得意ですwwこの子が苦手だからって
押し付けただけですー」
慌てて美織を指差した。
「ふぇ!?ちょっと!何で…」
「あ、そうなの!山本さん教えるよ!」
何やってんだと思いながらやっぱり
悔しくなってきたので私は言った。
「あ、私お迎えきてるので帰ります。
先生さようなら」
「はぁいさよならー」
「…紗千?」