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MIND  作者: Black Knight
仲間
9/11

ACT4

今、オレと綾花は暗沢からの指示で体育館裏に走って向かい、その背後を一つの影が追っている。

体育館裏に着くと目の前にはありえないようなそれ(・・)が、確かにそこに存在していた。

それは昨日オレが最後に戦ったファントムと同じ形状だが所々から噴き出す黒いオーラは前回の奴の比ではなかった。

ゆっくりとこちらを見据えてくる目はもはや狩人と言った方が相応しい。

綾花に目で『戦闘準備』と送り、ホルスターから拳銃を抜くと、怪物はこちらへと向かってくる。

頭部に向かい、数発撃ち込む。

しかし、次の瞬間。オレは目の前の光景に目を疑った。

弾丸が当たったはずなのにびくともしなかったのである。

「ウソだろ............」と口から呟きが漏れる。

「危ないッ!」綾花が叫んだところで思考が急速に回復するがもうガードには間に合わない。

その時、「だあらぁーーーーー!!!!」とオレの真上をジャンプで飛び越えて行った赤髪の男は、そのまま体をひねりつつ、キックを獣の頭にお見舞いした。

獣はバランスを崩して倒れるが赤髪の男は見事に着地を決め、

「高原優ただいま参上!!」と言った。

「なんでこんな所に...「そんなの今は関係ないだろ!ほら!行くぜ転校生!」

「分かった、行くぜ綾花。」

「O.K.!援護するよ。」

走り出すとオレはマインド発動のモーションに移り、大きくジャンプして、「マインドッ!!」と叫ぶ。

するとお馴染みの外装が現れる。そのまま、落下する際に機能はなった雷撃の力を使う。

「ライッ!!!」と言うと向けた手の前に魔法陣が浮かび、雷球が放たれ、相手を襲う。

何故オレが『ライ』と唱えたかと言うと名前をつけたほうがやり易いだろうと言う学園長の言葉からだった。

雷の力で感電している敵にデバイスを向けアナライズを行うとファントムの名前が明かされる。

ブルーウォルフと言う名前のファントムを調べ終え、デバイスをしまうと、

「成瀬、何だそのカッコ?どうすりゃなれんの?」と高原。

その問いに対し、オレはマインドについて簡単な説明をする。

前から振動を感じ取り振り向くと、ブルーウォルフの前足が光りだす。恐らく遠距離から一気に突っ込んでくるのだろうと思い、その場を離れる。

しかし、高原はいまだにマインド発動のモーションを行っている。

「綾花!マインドの準備しておいてくれ!」

と言うと綾花は頷く。

オレは高原に近付いてくるファントムに向かって行き、数メートルのところでムラマサを抜く。

そしてそのまま突っ込み、刀身をファントムの体に突き刺したあと、両の爪に力を込めて、

「切り裂けェぇーーーッ!!!」と言いながら計三回の攻撃を繰り出すとすぐさま横へ避ける。

すると背後からマインドを装備した綾花が「ヴェンティ!」と唱えると手の前にオレのとは少し違う魔法陣が出現。

そこから突風が吹きつけ、次々とファントムの体を貫き、少し怯んだ。

すると後ろから「マインド!オロスッ!」と声がする。

高原の体をゆっくりと、しかし強い風が包み込み、中から高原が出てくると、

ブロンズカラーのガントレット、チェーンメイル、そして何より驚いたのは足に巻きつく長い鎖。

「ちぃーっと重いな。」とぼやくが、「よし、やってやるぜ。」と言いファントムとの間合いを詰める。

未だ怯んでいるファントムの頭上にジャンプし、そのまま踵落とし。

見事なまでに獣の頭に当て、地面に降り立つとすかさず右のハイキック。

ファントムは悲鳴のような咆哮を上げると黒い塊になり、爆散した。

マインドも解け、やったな、と高原に近付き、ハイタッチ。

するとデバイスからコールが来た。

「皆よくやってくれたよ。とりあえず今日は皆もう疲れてるだろうから長い話は後にしよう。皆さっきまでいた所に戻ってくれ。」と言うと暗沢は電話を切った。その後、二人と別れて教室の方へ歩いていく。校庭の手前でクロスタイマーを握る。するとまた時は動き出し、オレは校庭に戻る。その後の授業もあっという間に終わり、放課後。寮に帰ろうと綾花と一緒に校門をくぐると、すれ違うように一人の男が校門に入っていった。

オレよりも少し短めの黒髪の奴だったがそこまで目立ってはいない。

少しばかりそれを見ていたが、「帰ろう。疲れちゃったよ。」と綾花に言われ、また歩き始める。



~翌日~



朝のHR(ホームルーム)の時間、担任の尾代先生が転校生が来る、とありえない言葉を放った。

「転校生、入って来い。」と言うと、クラス中が騒ぎ出す。

ガラガラと教室の戸を開けて入ってきた人物を見て目を疑う。

その人物はオレが昨日校門ですれ違ったあの黒髪の男だった。

「一ノ瀬誠。」男はそう言った。


第二章 終


~次章~ 陽炎

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