ACT4
遅れました!申し訳ありません!
急いで書き上げたものなので誤字脱字などがある可能性があります。
その際は感想と一緒に書いてくれれば幸いです。
一つの悲鳴が上がった。
しかしそれはオレの物ではなく、目の前のキュービーライトと呼ばれていた四角い物体の物だった。
「これでどうだっ!」
右手の黒と銀色の銃が破裂音を上げて閃く。キュービーライトの中心部。コアらしき場所に命中し、空中に飛散する。
しかし、休む暇を与えずに最後の討伐にかかる。
するとキュービーライトが光球を作り出してこちらに飛ばしてきた。早くも遅くも無い速度だ。
ムラマサをしっかりと握り、上へと跳躍、刀身を光球に叩きつけて切り裂く。
その勢いのまま、敵の懐へと突っ込みつつ、PC356を撃つ。
命中精度が良いだけあって中心へ当たり、飛散させる。
「終わった.......か............」
ホルスターに拳銃を収めると、その瞬間体からマインドが解け、光に戻る。
疲れが溜まり、一息つくと後ろに気配を感じて振り向くと、さっきの少女がいた。
「終わったみたいね。」と小さいが、ハッキリ聞こえる声で少女は言う。
そこでオレは早速気になっていたことを聞く。
「君は何者なんだい?」
すると俯きながら少女は、「分からないの。でも名前だけなら憶えているの。私の名前はテト。あなたは?」
いきなり聞かれたが惑う事無く答える。
「統軌、成瀬統軌だ。」
「よろしくね、トウキ君。」
暗いが、心にシッカリと響くその声。自分もそれに対して言葉を返す。
だが、オレは疑問に思う。何故名前だけなのだろう。目の前の少女は小さいとは言っても高校一年生くらいの大きさだ。そして銀の長髪の美少女だ。
そんな事を考えている内に空が裂ける。暗く、そして深い闇が広がり始める。
テトは「気をつけて」と言い残して、またどこかへ行ってしまった。
「待てよ!一人じゃ危険だぞ!」
その言葉にも振り返りもせず、テトは目の前から消えていった。
すると闇から何かが出てくる。それは先程のキュービーライトの大きさを遥かに上回る大きさの黒い虎みたいな化け物だった。
その化け物が完全に出ると闇は急速に縮んでいった。
「グルル...........」
まるで獣の呻き声の様だ。
二本の前足を一気に振り下ろしてくるのをすんでの所で回避する。
「危ないな、このままじゃ殺られちまう。」
一気に相手との距離を空けるために走り出す。
走りながら心を解き放つイメージをし始める。
滑りながら相手の正面を見据える。淡い光が目の前に集まり、向こうから敵が走って来る。
全長2mを超える巨体が自分目掛けて走って来るのは迫力があった。
自分との距離が10mを切った瞬間、目の前に結晶体が浮かぶ。
それを一気に砕くと、ついさっきまであった感覚が戻って来る。
そして一気に相手に向かって行き、右の爪で敵を切り裂く。
悲鳴を上げる目の前化け物。すかさず腰の長刀を抜きつつ袈裟切りを決める。
しかし相手には怯む様子は見られない。すかさず後ろに跳ぶが闇の塊がオレを押し潰そうと迫ってくる。
右側の闇を刀で切り裂くが、左は防げずに食らい、吹き飛ぶ。
「グハッ!」
かなりの痛みが体を駆け巡る。
すかさず闇の獣が突撃してきた。しかし体勢を崩していて動けない。何とか片手を動かす事はできたが、何もできない自分にイラッときた。
だが、何とか相手の攻撃を少しでも防ごうと片手を上げると目の前にゲームやアニメで定番の魔法陣が現れて驚いたが、目の前の魔法陣が光りだす。
次の瞬間、小さな雷球が敵を襲う。
相手は雷に撃たれ、体を痙攣させる。
「よし、動ける。」
体を一気に起こし、拳銃で化け物の中心を撃ち抜く。
闇の獣は悲鳴を上げて跡形も無く体を四散させる。
「終わった......のか.........?」
本日二度目の溜息をつく。
するとポケットのデバイスが小刻みに震える。
開いてみると知らない電話番号からだった。
出てみると、「成瀬、今すぐ教室に戻れ、後で説明はする。」
と言って切れた。オレはそれを聞いて急いで教室へ急いで戻った。
しかし時間は依然として止まっていた。オレはこのままでもいけないと思い、自分の黒ブレザーの砂埃を払った後、席に付くと、周りの空間が再び動き出す。
宙を舞っていた紙は投げられた人の手に渡り、先生の授業の声が聞こえ、外の桜も舞い散っていく。
そしてオレは今まであったことは何だったのだろう、と考えながら授業を聞いていた。
教室の窓からは春のそよ風が優しく流れ込んでいた。
第一章 終
~次章~ 仲間