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自由に生きようと転生したら、史上4人目の賢者様でした!?〜女神様、今の時代に魔法はチートだったようです〜【web版】  作者: 酒本アズサ


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第169話 セゴニアへ

「じゃあ土産はこっちに売ってねぇ調味料を頼むな!」



「わかってるよ、バレリオはスープの研究よろしくね!」



「任せとけ!」



 バレリオに賢者という事がバレてから1週間後、大氾濫(スタンピード)の応援依頼の為、門前広場でバレリオが見送りに来てくれていた。

 ちなみにスープの研究というのはラーメン用の豚骨スープである、鶏出汁塩ラーメンを食べさせてから豚骨スープの話をしたら物凄く喰い付いたので戻る頃には完成しているかもしれない。



「さぁ、早く行かないと大氾濫の始まりに間に合わないかもしれないよ!?」



 そう言って急かしているのは、私とバレリオが仲良く話すのを嫉妬混じりの目で睨んでいたガブリエルである。

 本人は私達と一緒にセゴニアに乗り込む気満々だったのだが、王宮から却下されてしまった。

 その代わり戦況が窮地に追い込まれたら国として恩を売るために行っても良いとの事で、いざという時の為にセゴニアと隣接している要塞都市エスポナで待機する事になったらしい。



「はいはい、それじゃあ行ってきます」



「土産の為にも無事に帰って来いよ~!」



 そんな言葉を掛けられながら私達の乗った馬車は出発した。

 今回はギルドが準備した防水幌馬車3台での移動だ、途中で離脱するガブリエルは本来自前の馬に乗って移動するのだが、仲良く馬車に乗り込む私達をあまりにも羨ましそうに見るので『希望(エスペランサ)』の皆で順番に交代してあげる事にした。

 その代わり道中私が使った魔法はガブリエルがやった事にするという約束をさせたけど。



 万が一馬車が襲われたりして逸れた場合の為に馬車毎に食料や資材を乗せてあるのでちょっと狭い。

 でもそのお陰でパーティ別に分かれてるから気を遣わなくて良いんだけど。



「それにしても荷物が邪魔だな、アイルと違って脚がなげぇから当たっちまうんだよ。コレお前が収納しとけば良くねぇ?」



 向かい合わせの座席の足元にある御者用テントの資材をコツコツと爪先で蹴りながらホセが言った、今何の為に私と比べた訳!?

 キッとホセを睨んだが、平然とニヤついている。



「私は脚が短いから資材があっても問題無いもんね」



 ツーンとそっぽ向くとエリアスが宥めてきた。



「まぁまぁ、広い方がアイルも居心地良いでしょ? 一応御者が責任者だから収納して良いか聞かないとね。ねぇ! 馬車の中の物をマジックバッグに収納しておいて良いかい? ちょっと狭いからさ!」



「ああ! 特に食料をそうしてもらえると傷まないから有難いな!」



 車輪や蹄の音に負けない様に声を張って御者に聞くと、御者も同じ様に大きな声で返事した。



「だってさ、収納した方が嬉しいみたいだよ。僕達も傷んだ食料使わなくて済むし、アイルが収納してくれたら良い事づくめだね」



 ニッコリと確信犯の微笑みを向けるエリアス、結局ホセの言う通りなのが少し気に入らないけど最後尾な上、御者が前を向いているのを良い事にそのままストレージに収納した。



「ふふっ、ありがとうアイル、とっても広くなったわ」



 隣に座るビビアナが頭を撫でてくれた、しょうがない、ビビアナに免じて大人な私がホセを赦してあげよう。



「それにしてもこのスライムシートは優秀だな。鞍だけじゃなくこうやって馬車にも使えるから今後普通の馬車や馬に乗るのが苦痛になりそうだ」



 確かにこのスライムシートがあると無いとじゃ雲泥の差だ、私が単独で馬に乗れる様になったので先日ガブリエルと一緒に追加で幾つか作ってきた。

 長旅だし御者のおじさんにも1つあげようかな、1人だけにあげたら揉めちゃうかも、透明だから気付かれないだろうか。



 予備は5つあるけど、御者が使ってたら他の冒険者も欲しいって言いそうだし…。

 とりあえず次の休憩の時に渡して、他の御者に見つかったらその時また考えよう。



 2度目の休憩でお昼になった、一応ギルドで食料は準備してくれてるが、大抵はお腹いっぱいにならないので冒険者は携帯食を持って来ているそうだ。

 馬車3台分の食料を休憩地に設置されている竈で御者達が手際良く調理していく。



 受け取ったシチューとパンを思い思いの場所で寛いで食べる、ちょっと薄味かな。

 手持ちの塩をちょっと足してクルクル混ぜてひと口、うん、丁度良くなった。

 納得の味になってコクコクと頷いていたらパーティメンバーとガブリエルが笑顔で器を差し出して来たので全員のシチューに塩をプラス。

 皆も味見してコクコク頷いていた、納得するとつい頷いちゃうよね。

 


「ところで、午後は誰が馬に乗るのかな?」



 食事しながらガブリエルがニコニコと聞いて来た、ここまでは1人寂しく馬に乗っていたので午後は馬車に乗りたいというアピールだろう。

 幌馬車なので会話に加われ無くても近くに居たら会話が聞こえるせいで余計に馬車に乗りたくなったらしい。



「午後からは俺が野営地まで馬に乗る予定だ」



「わかった、じゃあ私は馬車に乗るね」



 馬車の移動中にジャンケンで順番は決めていたのですんなりと話は決まり、機嫌の良くなったガブリエルが御者達が洗おうとしていた食器を洗浄魔法で綺麗にしてあげたので凄く感謝されていた。



「おじさん、コレ良かったら使って。ガブリエルが作ってくれたスライムシートなの、お尻が楽になるよ」



「こ、これは…! 親父が若い頃は普通にあったと言ってたやつか!? 話には聞いていたが実際に自分が使えるなんて思わなかったよ、ありがとうな!」



 食事休憩後、御者のおじさんにスライムシートを差し出したら凄く喜んでくれた。

 どうやら昔は御者の必需品だった様だ、デスヨネー。

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