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自由に生きようと転生したら、史上4人目の賢者様でした!?〜女神様、今の時代に魔法はチートだったようです〜【web版】  作者: 酒本アズサ


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第118話 公爵家の護衛(10日目)

「午後にやっとトレラーガか、やはり野営無しだと余分に日数が掛かるな」



 トレラーガまで馬車で6時間かかる村を出発して3時間後、お昼休憩で食事しつつリカルドが言った。



「でもまぁ…夜はゆっくり休めるから僕達は楽だけどね。…………ところで彼は頑なだね?」



 エリアスがチラリと見た先には、私達から少し離れた場所にある石を椅子代わりに座って携帯食を食べるカルロの姿があった。



「本当に強情ですわ、アイルの料理はこんなに美味しいというのに! そう思いません?」



 ロールキャベツをナイフとフォークで優雅に食べながらフェリスが公爵家の護衛と御者に話しかけた。



「本当に、アイルが食堂開いたら絶対常連になるくらい美味いのに、カルロはよくあんな干し肉とパンで我慢できるもんですね」



 護衛のロレンソはフェリスとは違い、フォークだけで齧り付いて食べている。

 結局カルロ以外は私の料理を食べる事になった、ずっと干し肉と出来立て状態の日替わり料理なら後者に飛びつくのは仕方無いだろう。



 ただカルロだけは私に謝るくらいなら干し肉の方がマシだと言って食べようとはしない、食事の準備をしている時に視線で殺さんばかりに睨み付けて来るが。

 ずっと干し肉なら栄養面が心配だけど、朝と夜は宿屋の食堂で食べてるから大丈夫だろう。

 たまに屋台で買った冷め切った食事をしている時もあるし。



「でも意外ね、アイルならいいから食べなさいって食べさせてあげるかと思ったけど」



「だな、オレもそれは思ったぜ。何かあったのか?」



「え~? 何かあったって言うか…ただ態度にムカついただけだよ。初対面のクロードやフェリスはただ偉そうなだけだったけど、カルロは蔑むというか…明らかに見下してきたからね。そんな奴に手料理を食べさせる気は無いだけ」



「「偉そう…」」



 ビビアナとホセの言葉に笑顔で答えると、クロードとフェリスは微妙にダメージを受けた様だ。



「ああ…、確かにカルロさんは貴族とそれ以外という見方をするところありますからね…。我々の様な平民の使用人の事は未だ名前すら覚えて貰えません」



 40代に見える御者が寂しそうに笑った、年齢的にきっと何年も公爵家で働いているよね?

 そんな人まで邪険にしているなら私に対する態度が悪いのは当然だ。



 今のところカルロは嫌味な事を言う程度で実害は無いので放置している、暴力や嫌がらせをしないところは評価できるかな。

 危ないところを助けたりしたら態度も軟化するだろうけど、今まで出てきた魔物や野盗の類いは騎乗チームが余裕で対処している。

 何気に公爵家の護衛しているだけあってロレンソ達も強いし。



 なのでカルロの態度は一向に変わらない、いや、寧ろ悪化していると言える。

 何故ならカルロが嫌味を言うとクロードとフェリスが私を庇うし、食事休憩が終わった後に2人がアレが美味しかった、コレはまた食べたい、と絶賛するせいだろう。



 もしかしたら馬車内でクロードやフェリスが眠ってしまった時にストールを掛けてあげたりしてたから従者の仕事を取ったと思われてるかもしれない。



「さぁ、そろそろ出発しよう」



 一行のリーダーとして動いているロレンソの号令で私達は馬車に乗り込み、護衛の皆は騎乗した。

 御者が車内に声を掛けて馬車を走らせる、そして話題はいつもの様に食べたばかりの食事の話に…。



「わたくしロールキャベツはトマト煮込みしか食べた事が無かったけれど、アイルのコンソメ味も凄く美味しかったわ! 帰ったら料理人に言って作ってもらわないと」



「えへへ、煮込み料理は伯爵家の料理長に色々コツを教えて貰ったし、腕が上がったと自分でも思ってるの」



「あら? アイルは伯爵家と繋がりがあるの?」



 伯爵家と言った途端、カルロがピクリと反応して私達の会話に聞き耳を立てているのがわかった。



「前に言った三賢者を直接知ってるエルフの友人が伯爵なの。これでも私達はこの国の王様から王侯貴族であろうと意に沿わぬ事は断っても良いという許可証を頂いているのよ?」



「な…っ、嘘だ…!」



「嘘ついてどうするのよ、ホラこれ」



 ショルダーバッグ経由でストレージから許可証を取り出して広げて見せた。

 カルロだけで無くクロードまで目を見開いて驚いている。



「この繊細な玉璽は本物だろう…」



「ぐ…っ」



 許可証には飾り文字で国名が彫られた玉璽が押されている、デザインが凄く繊細で複製するのは至難の技だろう。

 クロードの呟きにカルロが悔しそうに顔を歪めた。



「凄いじゃない、それじゃあ陛下に拝謁した事があるのかしら?」



「うん、王太子殿下も一緒にね。不敬かもしれないけど、本物の王子様よりクロードの方が物語に出て来くる王子様のイメージに近いとは思う」



「うふふ、アイルったら。でもお兄様は素敵ですものね、その気持ちはわかるわ」



「ははは、ありがとう2人共」



 この瞬間からカルロが嫌味を言わなくなったと私が気付くのは、もう少し後の事。

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