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自由に生きようと転生したら、史上4人目の賢者様でした!?〜女神様、今の時代に魔法はチートだったようです〜【web版】  作者: 酒本アズサ


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第107話 Aランク昇格

「こちらが今回の依頼料となります、そして『希望(エスペランサ)』の皆さんはAランクに昇格しますのでギルド証をお預かりします」



 ギルド長室のテーブルの上にバネッサが金貨を10枚並べたトレーを置いて、全員のギルド証を受け取ると部屋から出て行った。

 ワリの良い仕事だと聞いてたけど、3ヶ月で約1000万円はかなりの好条件だ。



「で、こっちがAランクパーティ昇格の書類だ、おめでとう」



 ギルド長のディエゴが差し出した書類を受け取り、リカルドが破顔する。



「ははっ、これで目標に届いた…」



「良かったね、出会った時から目標だったもんね、Aランク」



 リカルドと1番付き合いの長いエリアスが軽く肘で突いた、何でSランクじゃなくAランクなんだろう?



「そういやパーティ組んだ時に言ってたな、とりあえず目標達成おめでとさん」



「これで他の国にも行きやすくなったわね」



 何やら私の知らない情報が出てきた、登録時高ランクについては追々説明してくれるという話だったけど、結局聞いて無かったし。



「えーと、リカルドは何でAランクが目標だったの? あと他の国に行きやすくなるのはどうして?」



 私の質問に皆「知らないの?」と言わんばかりに瞬きをした。



「Aランク以上になるとな、どこの国に行っても王侯貴族ですら勝手に冒険者を辞めさせたり出来なくなるんだよ。凄腕の冒険者を勝手に辞めさせられるとギルドとしても困るから、そういう協定を結んでいるんだ。指名依頼も基本的に断れねぇが、Aランク以上は緊急依頼以外は自由に選べるしな、じゃなきゃ勢力に取り込みたいっていうお貴族様からのくだらねぇ依頼がわんさか来ちまうからよ」



 ギルド長なだけあってディエゴがわかりやすく説明してくれた、自由が保障されるっていうのは嬉しいかも、だからリカルドも目標にしてたのかな。



「俺は冒険者を続ける為に横槍が入らない様にしたかったんだ。これで誰にも邪魔される事なくどこでも冒険者を続けられるからな」



 リカルドは書類を宝物を手に入れた子供の様にニコニコしながら眺めている、いつもどっしり構えているイメージの強いリカルドの新鮮な姿を周りは目を細めて見守った。



 しかし、誰にも邪魔される事なく、という事は家族にでも反対されてたんだろうか。

 そういえばホセとビビアナはマザーの居る孤児院出身なのは知ってるけど、リカルドとエリアスについては何も知らないという事に今更ながら気付いた。



「あ、そうそう、お前らが王都に行ってる間にも新人が増えてるから気を付けろよ…アイル。新人にしちゃあ腕が立つ奴に限って性格が碌でもねぇってのが多いからな。ま、冒険者同時のいざこざにゃギルドは不介入だ、お前さんに躾られたら大人しくなるかもしれねぇな」



 明らかに面白がってニヤニヤしている。



「それは…私みたいに弱そうに見える人に絡む様なクズの新人が居るからガツンとやって大人しくさせて欲しい、という事?」



「いやいや、さっきも言ったがギルドは不介入だ。ただ…アイルが1人で居たら間違い無く絡んで来そうではあるな」



 ディエゴはニヤリと人の悪い笑みを見せた、それって結局肯定してるよね?

 そんなに期待されてるなら暫くはギルドに出入りする時には身体強化かけておきましょう、ふふふふ。



「さて、これで話は終わりだ。長旅ご苦労さん! 暫くは休養するんだろ?」



「そうだな、3日くらいはゆっくりするか…」



「とりあえずアイル、お前先に下のフロアに行っとけよ。そろそろ報告に新人達も戻って来る時間だろうし」



 一緒に行けばいいのにホセが尻尾を振りながら言ってきた、つまり新人の躾をしろと。



「帰る前にギルド証を忘れずに受け取って帰れよ。ちゃんと《《順番待ちして》》、な?」



「……じゃあ先に行ってカウンターに並んでおくよ。皆はゆ~っくり来ても良いからね」



 ホセとディエゴの同じ様なニヤニヤした笑みを見ながら私は先にギルド長室を出て下のフロアへと向かった、身体強化を掛けるのを忘れずに。



 カウンターの前は夕方の為、依頼報告の列が出来ていた。

 久しぶりに見るホセより大きな身体をした厳つい男の後ろに並ぶと気配に気付いて振り返ったが、キョロキョロを辺りを見回した後()を見てニカッと笑った。



「おぅ、嬢ちゃん久しぶりだな。元気だったか?」



「ええ、馬の移動のお陰で素敵なくびれも出来て満足してるわ」



「わははは! そりゃあ良かったな!」



「でしょ? ところで元気な新人が増えたって聞いたけど…まだ居ないみたいね」



「ん? そうだな、そろそろ来るんじゃねぇか? ……ん? ハッハ~ン、そういう事か。お、来たぜ、クククッ」



 私の言葉の意図がわかったのだろう、新人とやらが来たのに気付いて大男は忍び笑いを漏らしつつ前を向いた。

 敢えて振り向かずに列に並んでいたら、予想通り数人の足音がこちらに向かって来た。



「おいおい、何でここにこんなガキがいるんだぁ?」



「本当だ、ちっせぇな、迷子じゃねぇのか?」



「お嬢ちゃーん、依頼出すならアッチのカウンターだぜぇ?」



 イキった若者、そんな言葉がぴったりのテンプレな絡みに思わず吹き出しそうになり、グッと笑いを堪える為に俯く。

 そして酒場フロアではこれから起こるであろう騒ぎを見物すべくエールを注文する声が飛び交っていた。

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