六、赤ずきん少女と桃太郎2 ― 鬼ヶ島への逆襲 ―
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案山子を背負ったセレアと、そのお供のサラは森の中をずっと歩いていました。
しばらく歩いていると……。
森の中を雄大に流れるアマゾン川が見えてきました。
「――って、ちょっとストップ」
セレアは空を見上げて誰かと話を始めました。
「童話にアマゾン川はあり得ないんだけど」
どうやら昨夜の大雨とは何の関係もないようです。
「だったら消しなさいよ! 読んでる人に何をインプットさせたいわけ!?」
サラが何かに気付いたらしく、川上に向けて指を差しました。
「セレア、見て。何かが流れてくる」
すると川上から、どんぶらこーどんぶらこーと鵜飼の舟に乗った桃太郎が流れてきました。
「――って、もう桃太郎である意義すらなくなってきてるし!」
桃太郎はセレアを見つけるなり尋ねてきました。
「鬼ヶ島を目指して鵜飼の舟に飛び乗ったんだが、途中で仲間を鵜に変えてしまった。これでいいと思うか?」
「――って、なんでいちいち私に意見求めてきてんのよ! それで鬼とどう戦うかツッコミ入れてほしいわけ!?」
桃太郎は真剣な顔で言いました。
「……きび団子やるから仲間にならないか?」
「って、子供か私は!! どんな勧誘の仕方してんのよ!」
桃太郎は「やれやれ」と、残念そうにため息を吐きました。
そして川の流れに乗ったまま、川下へと流されていくのでした。
――次話へ続く。
「本気で何しに現れたのよ、あんたはッ!」