まえがき
「銀河宇宙使節船777」は、宇宙への憧れと人類の在り方をテーマに多くの作品を手掛けた松本零士先生「銀河鉄道999」のオマージュとして、創作しました。
松本零士先生は、作品中で「人は何のために生きるのか」「戦うことの意味」「永遠の命」を繰り返し問いかけていました。
今も世界各地で戦争が続いています。
「なぜ人類は同じ過ちを繰り返し続けるのだろうか?」
そんな現代の人類を、ディストピアSF文学、寓話として紐解いていきます。
人としての意識、経験、そして「今を生きる」ことの尊さ。これらを2101年という近未来に投影し、AIや機械・科学技術、人間と自然との共存という現代的テーマを織り交ぜながら、読者の皆様と共に「人間であることの意味」「生きることの本質」を探求していきます。
主人公・綾羽ミレイの旅を通じて、世界平和の鍵、私たち自身の内なる宇宙への扉が開かれることを願って…
2100年、第三次世界大戦から50年が経過した地球は、放射能汚染と環境破壊により人口が3分の1に減少。生き残った人類は、機械化による永遠の命を求める富裕層と、貧民街で生身のまま生きる貧困層に二分されていた。
2101年2月14日、宇宙人とのファーストコンタクトにより、戦争を止められない愚かな地球人は統治権を剥奪される。しかし、人類にはまだチャンスが残されていた―銀河宇宙使節船777による宇宙文明使節団計画。
主人公の綾羽ミレイは14歳の少女。国家エージェントだった父は、人間の死の尊さと有限性の美しさに目覚め、娘に古来の日本精神と瞑想を学ばせていた。しかし、反体制思想を持つ父は何者かに狙撃され、死の直前、娘に銀河宇宙使節船への乗船パスポートを託す。
そして、2102年3月21日、父の遺志を継いだミレイは、宇宙へと旅立つ!
船内では機械化を推進する富裕層、宇宙人との不平等条約撤廃を狙う過激派、そして宇宙の真理を求める者たちが、それぞれの思惑を抱えていた。
瞑想と気功の意識の力を持つミレイは、旅で様々な宇宙人とコンタクトし、様々な思惑を持つ地球人から何度も襲われながらも、逞しく成長していく。
そして…人類の未来を左右する選択が!