第四十話 魔具庫
第四部隊の夏祭りの内容は至ってシンプルだった、筋トレにランニングのような部活みたいなことだった。
それが終わると各自華廉さんから指定された個人メニューをやることになっていて大愛はバサラの調整だった。
大愛は華廉との剣術勝負に敗れたて少し休んでからこのメニューをこなすために現在進行形で筋トレに励んでいた
「きゅうじゅうっろっく、きゅうじゅうなっな、きゅうじゅうはっちぃ、きゅうじゅうきゅぅう、ひゃっっっくっ!」
「次、ランニングだぞ、すぐに行け」
華廉のメニューは外身だけ見れば簡単だが中身を開けばスパルタの文字が合うようなメニューであった。
筋トレは腕立て、腹筋、スクワット各100回、ランニング5キロ全力ダッシュ、中身を開けば誰だってやりたくないと思うようなメニューだがやらない訳には行かない、なぜなら一人一人に専用の腕時計が支給され、それで今なにをしているかが分かるようになっているからだ。
サボっているところが見つかれば即魔力を込められた華廉さん直々の魔具による殴打が待っている、中にはそれを求めてわざとやらないことを選択するやつもいるらしいが…
そういった例外を除いて誰も逃げられないし止まれない、それから第四部隊の夏祭りの参加者に付けられた華廉のあだ名はスパルタ、女性には全く似合わない称号だ。
ランニングが終われば気の向くままの休憩時間が貰えるが意味もなく腕時計からチッチッチッチと音が鳴るためどれだけ遅くても15分程で個人メニューに移る。
大愛もランニングが終わり休憩をした後バサラの調整に入ろうとすると、華廉から手招きをしながら「ちょっと」と呼び出しをされたので向かうと、大愛のやる詳しい作業の説明だった。
「さっきも言ったけど、あなたには自分自身の魔力庫をしっかり使えるようになってもらうわ」
「まず初めに魔具の簡単な説明から行くわ、魔具には色んな種類があってその中でもあなたが使っているのは刀タイプね、どんな物にも魔力が少しは入っているんだけどその魔力を自分に取り込ませるようにすると、自分だけの魔具庫に保存できるようになるわ、逆に取り出したい時はその魔力を外側に放出するように力を入れると力を入れたところにそれが現れるわ」
淡々と説明されて分かりずらいな〜と思いつつも大愛は実際にやってみることにした。
バサラの魔力を感じとり自分に取り込む、簡単だと思っていたが結構難しい、全然中に入っていく気配はないし、なんか変な風にカタカタ動くしで悩んでいると、華廉が練習を見てくれた。
すると華廉は真剣な形相で「この魔具、どこで手に入れた!?」と聞いてきた。
研究所での貰い物と応えると息を飲んだ後に少しずつ話し出した。
「私も実物を見るのはなかなかないけど、これはどこかにあると言われる10本の神聖魔具の1つよ」
大愛は聞いてすぐには俺そんなの持ってたんだくらいにしか思っていないが、華廉はおもわず手先が震えるほどの衝撃を受けていた。
「これは確かバサラよね、正式名称は破天・バサラ、やっぱりどこかで聞いたことがあると思ったのよ」
「破天が認めればどんな魔術だろうと強く扱えるようになる、と言われていたが認められなかった場合最悪の場合死ぬと言われていたはずよ」
それを聞いて思わず背筋が凍るような感覚を感じた、今までそんな危険物を当たり前のように扱っていた自分をぶん殴ってやりたくなるほどに。
改めてバサラを見ていると、なんだかいつも使っていたはずなのに全く別の物を他人に見せられているように感じた。
「とにかく!どんな物でも魔具庫に入れられないはずがないわ、今日含めて4日!4日で私はあなたが魔具庫を完璧に使えるようにしてみせる」
そういった華廉からは全く嘘を言っているようにも、無理難題をこなさせようとしてるようにも聞こえなかった。
必ずやり遂げる。
いちばん真面目に覚えようとしなくてはならないのは自分のはずなのに、いくら自分よりも立場が上の人間でも自分のことを一番に考えていないと思ってしまう自分がすごく嫌だった。
華廉さんは他の参加者の練習を見に行ったため既に魔具庫の使い方をマスターしていると言っていた凜奈に手伝ってもらいながら、練習を始めた。
「うーん、できないな〜」
1時間が経過したが状況は変わらず凜奈もおもわず考え込んでしまうほどだった。
大愛は剣術を覚えた時はすぐに覚えられたのになぜ普通に考えてそれよりも簡単そうなことが出来ないのか頭を抱えてしまう。
そして凜奈がなにか閃いたように言った
「別のものでやってみちゃダメかな?少しでも状況が変わってコツが掴めればと思ったんだけど」
確かにバサラ以外を魔具庫に入れようとは全く試していなかった、試しに何故か制服のポケットに入っていた飴玉を同じように魔具庫に入れてみようとすると、やはりカサカサ動くだけで何も起こらない。
華廉も様子を見に来てその状況を見て凜奈と同時に言った
「これは…全くセンスがない」
大愛自信そうなんじゃないかと理解はしていたつもりだったが、人にそれを言われるのはさすがに来るものがある。
「安心しろ、どれだけセンスがなくても残りの3日で私がどうにかしてみせる、確実に」
華廉がそう励ましの言葉をくれたので大愛はその言葉を信じて残りの練習時間真剣に取り組んだ。
そして残念ながらそのままその日の活動時間は終了し、2日目に持ち越しとなった。
今回もお読みいただきありがとうございました!
大愛にはほとんど魔具庫のセンスがありませんでした、普通だったら早くて1時間くらいで覚えられるくらいのものですが大愛は1日が経過してもできませんでした、さてこれにはなにか原因があるのか、多分ありませんほんとにセンス無いだけです、多分…
だけど他のところで大愛はしっかりセンスを発揮しているのでこれくらいのハンデ?はあってもいいでしょう。
次回もぜひお読みください!




