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あーかい部! 6話 特別感

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立池図女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


3度の飯より官能小説!池図女学院1年、赤井ひいろ!

趣味はケータイ小説、特筆事項特になし!

同じく1年、青野あさぎ!

面白そうだからなんとなく加入!同じく1年、黄山きはだ!

独り身万歳!自由を謳歌!養護教諭2年生(?)、白久澄河(しろひさすみか)


そんなうら若き乙女の干物4人は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。

池図女学院部室棟、あーかい部部室。


あさぎ、きはだ、ひいろの3人が机を囲み顔を突き合わせる。




「部室って、あるよな?」


「ん〜?なんだい薮から棒に。」


「あるっていうか、今まさにいるんけどね。」


「いや、部室の前で考えてたんだ。学校の『部室』って、なんだか特別感があるだろう?」


「言わんとしてることはなんとなくわかるけど……。」


「ちょっとわかるかも。地外法権っていうか、大使館みたいな感じだよねぇ。」


「そうそう!他の教室とかは学校の統治下だが、この部室はワタシ達のテリトリーだろう?」


「なるほど。……で?私たちの縄張りで、ひいろ様は何をご所望で?」


「何を…………何だろう。」


「考えてないんかいっ!?」


「いや、部室って特別感あるよねって話をしたかっただけだからな。」


「みんながあさぎちゃんみたいに、最初からオチまで考えて喋ってる訳じゃないのだよ。」


「人のこと芸人みたいに……。」


「「え?」」


「……突っ込まないよ。」


「え〜、」


「なになに?また面白そうなことやってるの?」




白ちゃん入室。




「部室って特別だなって話をしていました。」


「あ〜……確かに、自分の部屋って感じで特別感あるかも♪」


「いいよなぁ、白ちゃんは自分の部屋を2つも持ってて。」


「保健室と部室の二刀流だねぇ。」


「え?ここも入ってるの?」


「先生もあーかい部のメンバーですよね?」


「……。」




白ちゃんは黙り込んでわたし達に背中を向けてしまった。




「「「白ちゃん(先生)……?」」」


「…………もう、」




白ちゃんは潤んだ声で、背中越しにぎこちなく言葉を紡いだ。




「年は……とりたくないものね。」


「まったくですね。」

「そうだな。」

「JK万歳。」


「おい。」




感動的な空気はものの一瞬で干上がった。




「保健室が白だらけなのは白ちゃん味を感じるよな。」


「カーテンもシーツも枕も、みんな白ちゃん先生一色だもんなぁ。」


「保健室はどこもあーゆーもんよ。」


「天下統一……!?」


「もうそれで良いわよ……。」


「やはり、部室も白くした方がいいのだろうか?」


「塗っちゃう?」


「やめろやめろ。」


「白ちゃん色にしないとなると……個性を出すのが難しいな。」


「ここ、机と椅子とパソコンしかないもんねぇ。」


「他の部活ならボールとか衣装とか置くんだろうけど。」


「あーかい部らしいものって……ないわねぇ。」


「パソコン増やす?」


「予算が降りないだろう。」


「本とか買う?」


「図書室で良くない……?」


「いっそのこと看板とか作っちゃう?」


「「「「……邪魔だな(ね)。」」」」




・・・・・・。




「思ったんだけどさ、私……この殺風景な部室、結構気に入ってるのかも。」


「……家具とか入れたら、4人入ってふざけられるスペースが無くなっちゃうもんねぇ。」


「殺風景な方が開放感があるもんな。」


「そうね。みんながのびのびできる場所だから、部室が特別な場所に感じられ


「じゃあホワイトボードで。」

「「意義なし。」」


「え。」


「「「え?」」」


「あ、いや……なんか、何も無くてもここは特別な場所だ〜、みたいな流れじゃ


「ネタ話し合うのにホワイトボードはあった方がいいですよね?」


「確かに会議でよく使うけど


「ホワイトボードならスペースも取らないしな!」


「いや、そうなんだけど


「何か買わないと来年の予算減っちゃうもんねぇ。」


「くそ、この子ら良い話の雰囲気出したら絶対ぶち壊してきやがる。」




協議の結果、あーかい部の部室にホワイトボードが増えることになった。






あーかい部!(4)




きはだ:投稿〜!


あさぎ:きたきた


ひいろ:ホワイトボード楽しみだな


白ちゃん:2週間くらいで届くと思うわ


あさぎ:あれ?よく考えたら『ホワイト』ボード……


きはだ:ホワイト、白……


ひいろ:はっ!?


白ちゃん:『はっ!?』じゃないのよお前らが始めた物語だろ


きはだ:ときどき口悪くなる白ちゃん好き


ひいろ:部活以外のときはまともだもんな


白ちゃん:どーせ私はまともじゃありませんよ


あさぎ:そういえば白ちゃん先生のお部屋ってどんなんですか?


きはだ:お部屋が特別って言ってたもんねぇ


白ちゃん:それより誰か突っ込んで


ひいろ:突撃!白ちゃん'sルーム?


白ちゃん:突っ込むってそうじゃない

白ちゃん:白ちゃんはまともだよって言う流れでしょ


あさぎ:常識に囚われるって、辛くないですか?


白ちゃん:あさぎちゃん、何かあったらいつでも相談してね


あさぎ:朗報:お部屋訪問、許可

きはだ:オヘヤッ!オヘヤッ!

ひいろ:おっきいしゃもじ持ってる人いるか?


白ちゃん:一瞬でも心配した私が馬鹿だったわ


ひいろ:悩みとかはないが白ちゃんの部屋には行ってみたいぞ!


白ちゃん:却下


きはだ:え〜〜なーんーでー!?


白ちゃん:お部屋は特別な場所だもの

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