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5 思ったより変わった子


夜の公園にてエレナという不思議な公園の女の子とようやく話せた俺は彼女は一体何者なんだろうとエレナにそれとなく質問したが要領を得ない。



まぁ今日は帰ろう、明日も学校があるし。



「俺はもう帰るけどエレナもそろそろ帰った方がよくないか?」


「帰る?」


「そう、家に帰るんだよ、ゴーホーム!」



適当に簡単な英語を織り混ぜて話してみたがよくわかってない。 学校行ってるよな? あれ、でもこの言語力で? 



というよりこのまま対応してたら朝になってしまいそうなのでやはり今日はもう帰った方がいいわ。 せっかく話せたから少し名残惜しいような気もするけど。



「ゴーホーム?」



エレナはキョロキョロし始める。 あ、俺がそう言って適当に指差した方見てんのか。



「もしかして家ないのか?」


「いえ…… ない? いえないいえない」


「家がないのか?」


「いえがない?」


「…………」



質問に質問? 疑問形? うーん、これだ…… でも毎日ここに来てるけど身なりからしてホームレスじゃないよな? さっき近付かれた時いい匂いもしたし。 ってそんなのはどうでもいいか。



「いーえがなーいのかぁー」



考えていたらエレナは少し大きい声で変なリズムで俺の言った事をリピートしている…… なんだそりゃ?



そんな時急に俺の携帯が鳴った。 



誰だよと思い画面を見ると大咲からだった。 どうする? 出るか? エレナも気になるし…… と少し画面に目を落としてエレナの方を見る。



は? あれ? 居ない…… いつの間に消えた? 俺が画面に目をやっている間に?



いろいろおかしい事ばかりだけど俺も上手く対応出来なかったしイラつかせちまったか? だとしたらなんかへこむ……



エレナが居なくなって俺が呆然としている所で尚も鳴る電話を仕方なく出た。



「はい……」


「やっと出てくれたぁ。 もう先輩寝ちゃったかと思いましたよ」


「ん、ああ悪い」


「先輩落ち込んでます?」


「あ、いや別に」



テンションがだだ下がりしているのが大咲に伝わってしまった。 



大咲と話している最中も、もしやエレナはまだこの公園内にいるのでは? と淡い期待を込めて探す。



「せんぱーい! 聞いてます?」


「悪い、ちょっと探し物してた」


「探し物? フフッ」


「おかしいか?」


「いえ、すいません。 先輩のそんな姿想像したら可愛いなって」


「はぁ〜、からかうなら切るぞ? また後で掛け直すから」


「掛け直してくれるんですか? わかりました! 探し物見つかるといいですね? じゃあ待ってます」



ようやく電話が終わる。



よく考えたら俺何してんだ? もしエレナが俺から逃げたとしよう。 そしてこの公園内のどこかで俺から逃げながら隠れて見てる。 もしそうだったらとても嫌がってるって事になるわけで……



まぁただ単に家に帰ったのかもしれないし。 もし見てるんだったらこれ以上エレナに嫌われないように帰った方がいいや、ここら辺走ってるってのはエレナもわかってるし明日またここで会えばいい。 



それ以前にもう来なかったりして? なんて事も考えたがアパートに帰る。




エレナ…… エレナか。 いろいろおかしかったけどやっぱりエレナの事気になる。 



風呂に入り今日あった出来事を振り返る。 エレナに掴まれた時手を乱暴に振り払ったから俺の事警戒したのか? だから逃げた? うわぁ、だとしたらどうすりゃいい?



近付くなって素直に言ってもダメだしあまり触るなもおかしいし…… かといって普段女子に接してるような素っ気ない態度を取ったりしたらますます……



なんて考えても仕方ないか、明日になればエレナも気にしなくなってるかもしれないし気持ちを入れ替えて今日はとっとと寝よう。



風呂から上がりその日はすぐに寝てしまった。 



そして大咲に掛け直すという事もすっかり忘れていた事に朝目が覚めてようやく気付く。




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