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48 直也とエレナ


「直也、なんか来たよ?」


「んー? 悪い、受け取っててもらえるか?」


「いーよ」



なんか荷物が届いたようなのだが歯を磨いてたのでエレナに受け取ってもらう。

そしてなんとなくその様子を見ていた。



「あ、こちらにハンコかサインを頂けるでしょうか?」


「はい」



配達員がエレナをほけーッとして見ている。 外人っぽいしエレナが相当美人だからかな? エレナがその視線に気付く。



「何か?」


「あ、いえ……」



なんか凄く冷たい声色だった。 普段のエレナからすると少しビックリだ。



「はい直也、仕送りみたいだよ?」


「ああ、そっか、ありがとな。 てかエレナ、さっきの配達の人にしたように俺にもしてみてくれないか?」


「え? なんで?」


「なんとなくだよ、いいか?」



「えー、直也にやるのは嫌だなぁ」と言いつつエレナは表情を変える、まるでゴミでも見るような目になり気が強そうな顔のせいかかなり威圧感がある…… ゴゴゴゴゴという音がエレナの後ろから聞こえてくるようだ。 



「エレナ、なんなんだそれ?」


「あ、えっとこれは…… 近付くなって威嚇だよ」


「威嚇? え? なんで?」


「んとね、沖縄に居た時面倒な男子とかに声掛けられたり本物の外国人にナンパ? みたいなのされてウンザリだったから」


「それであんな塩対応か。 なんかこの前会った花蓮達を彷彿とさせてたぞ」


「ええ!? あ、あんなに怖くないよ! 私実力行使とかしないし!」



でもまぁ迫力はあるよな、女子の中じゃエレナって背も高いしあんな感じで高校行ったらいろんな意味で一目置かれそうだ。 あ、でも花蓮達の前では逆にエレナがビビッてたしそんな事もないか……



「でもこうしとけば変な男子寄り付かないし直也にだけ集中出来るし!」


「集中って…… あはは」


「逆に直也が心配だよねぇ、大咲さんとか居るし。 あ、前店で大咲さんと一緒だったよね? あれは何?」



一緒だった? あー、DVD借りに行った時か……



「あれは偶然会ったんだよ」


「ふぅん、そうなんだ? 私からしてみれば偶然を装って会いましたってのがしっくり来るような気がするけど」



こいつは偶然装ったから尚更そう思うんだろうなぁ。 まぁ心配しなくても良いのにさ。



「それにしてもエレナって前もこんな感じで俺と同居してたのか? よく俺耐えれたな……」


「え? ああ、耐えるどころか直也何もしてくれないんだもん!」


「え? 俺ってやっぱ何もしなかった? だよなぁ、エレナの事いくら好きだからってエレナは中学生だったんだよな」


「それって何か関係ある? でも直也から来ないなら私から行けばいいやって事にしたからいいけどね、じゃないと誰かにとられちゃいそうだし…… うん、やっぱそうだね」


「え? 何話1人で進めてんの? 俺さ……」


「知ってるよ、直也って女の子に触れられたりするの苦手なタイプだったってのは」



エレナはそう言いながら座っていた俺の膝の上に跨って来た。 多少慣れたけど密着されるのはやっぱ恥ずかしいんだ。



「逃げないで」



俺が上半身を後ろにズラそうとするとエレナに肩を掴まれ止められた。



「直也は私が落ち込んでたりした時は撫でてくれたり抱きしめてくれた。 でも普段もこんな風に触って欲しい、直也に触れてもらえると私嬉しいんだよ?」



「ほら」とエレナは俺の手を取って自分の胸に当てさせた……



こ、これはッ…… 旨を揉んだるみたいじゃねぇか! とゾッとしてエレナを見ればエレナは恥ずかしそうにこちらを見ていた。



俺を握る手にはじんわりと湿っている、そして胸からエレナの体温が上がっている事が手から伝わる。



暖房効きすぎかな? 俺も暑くなってきた…… それにこんな恥ずかしい状態でいつまで膠着してればいいんだ?



「私直也の事考えてるとドキドキするよ? こんな風にしたいなっていつも想像してる。 ううん、もっともっといろんな事……」


「い、いろんな事?」


「ねぇ、直也は覚えてないけど私と直也は短い間だったけど凄く濃い時間を過ごしてきたの。 私直也の事思い出したのは小4の頃…… って言うとおかしいよね? 同じ時間の中に居るのに私だけこんなんだし。 でもその時思い出してそれから5年間ずっと直也の事を考えてたの、長かった。 もしかしたらあれは全部夢で直也は居なかったりして? なんて凄く不安に思う事もあったんだよ」


「エレナ……」


「だから…… 直也…… んッ!?」



俺は何を思ったのかいきなりエレナにキスをしてしまっていた、 なんでだろう? そうしたくなったとしか……



ゆっくりと顔を離すとエレナは人差し指と中指で唇を押さえていた。 



「約束……」


「え?」


「直也ちゃんと約束守ってくれた」



約束? そんなのエレナと最近した覚えがないけど……



「前にね、今度は直也からキスして欲しいって言ったの。 でも直也は昔の事覚えてないし仕方ないかって思ってたけどちゃんとしてくれた…… 」


「そんな約束してたのか」


「うん…… 直也大好きだよ! これからはずっと一緒に居てね?」


「ああ、言われなくても離さないよ」


「うん! 私も」








fin



ここまで読んで頂きありがとうございました(^^)


また次回作を投稿しましたら見てやって下さいᕦ(ò_óˇ)ᕤ

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