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46 仲良くしろよ……


最悪だ、避けていたのにまたこいつに会ってしまった、花蓮である。 高校の時羅衣がついに真央ちゃんに絡み喧嘩になった時、真央ちゃんが不利だと思うと喧嘩に乱入してきたのだ。



しかもメリケンや凶器なんでも使ってこられそれに加えて花蓮は素で強かった。



真央ちゃんが花蓮を止めてその場は済んだが容赦を知らない花蓮に羅衣はあんまり関わらない方がいいと判断して近寄らないようにしていた。



まぁそれでもその後何度か会ったんだけどな。 今になってだけど初めて会った時から花蓮は俺の事を知っているかのような素振りだった。 しかもエレナの事まで。



「あの可愛いハーフの子どうしたの?」とか「あんなに仲良かったのに覚えてもないの? 意外と遊び人なんだねぇ」とか言われて何言ってんだ? と思ったけどエレナの事だったか。



てかなんでこいつわかってるんだ? エレナの話じゃエレナ以外の奴らはまとめて忘れたんじゃ?



「ほらほら、えりなちゃん並みでしょ?」


「なんで私で測るのよ? まぁ可愛いんじゃない? 沙耶さやよりは」


「酷いえりな……」


「えりなちゃんと名前が似てるからエレナちゃん見るといじめたくなっちゃうなぁ」


「あんたほんとにクソ女だわ。 まぁ花蓮ちゃんに関わるとろくな事ないからえーと…… エレナちゃんだっけ? 気を付けるのね」


「はぁ? 健ちゃんに迷惑掛けてる張本人がそんな事言う? またボコボコにしてあげようか?」


「だから私をいちいち引き合いにださないでくれる? それにやれるものならやってみなさいよ!」


「えりなちゃん口だけはいつも威勢がいいもんね? 流石他の人の前では良い子ちゃん気取ってるだけあるね」


「それ自分に言ってるわけ? ブーメランになってるのわからないのかしら」



今日は真央ちゃんとは一緒ではなく女友達? らしき2人と居るのだが勝手に険悪な雰囲気になりだした。



「新月さんもえりなもやめてよ、こんな所で恥ずかしいよ。 どっちもろくでなしなのに」


「はあ!? ちょっと前まで地味子だったくせに何? あんたも喧嘩売る気?」


「日々野さん、調子に乗ってるとえりなちゃんみたいにコテンパンにしちゃうよ?」


「いちいち私を引き合いに出さないでって言ってるでしょ? 何? コンプレックスなの? それともまだ健斗けんとの事根に持ってるわけ? いいわよ、どっちがいいか健斗にはっきりさせてもらうから!」


「健斗君可哀想、キチガイばかりに好かれて」


「へぇ? ウサギを八つ裂きにして友達の印としてそれを渡す女がまともなのかしら?」


「そんなのしてないもん、捏造やめて」


「日々野さん、えりなちゃんはともかく私をキチガイって言うのは許せないなぁ。 健ちゃんが可哀想、こんな汚物相手してるなんて」


「あんたが一番の汚物よ、クソ女」


「見た目だけでどっちも汚物」


「「あ?」」




こいつら商店街のど真ん中でマジで恥ずかしい…… 花蓮も花蓮ならその友達も友達だ、確かに3人とも目を引く外見だけどそれ以上醜悪な罵詈雑言の嵐に俺とエレナはそっと立ち去ろうとするが……



エレナが花蓮にガシッと肩を掴まれた。



「怖い方のカレン……」


「なぁに? エレナちゃんも喧嘩にハマりたかった?」


「おい、こんな所でやめろよ? エレナが怯えてるだろ」


「あー、見せ付けちゃって! なんで私この2人とお出掛けしてるんだろ?」


「誘ったのは花蓮ちゃんじゃないの。 ほんとなんでこの2人と一緒に買い物なんかに来たのかしら」


「右に同じく……」


「あ?」


「は?」


「え?」



またもピリッとした空気になる。 ダメだこいつら…… さっさと退散しよう。



「え、エレナ! 予約の時間あるから行くぞ!」


「え? 予約?」



適当な事を言ってエレナを連れてその場から足早に立ち去る。



「はぁー、面倒な奴らだったなぁ」


「怖かった」


「だな、それにしても花蓮の奴はエレナの事忘れてなかったみたいだな?」


「…… 多分先生と関わりあったから? なのかなぁ?」


「え? そうなの? 変な奴だとは思ってたけど」


「それだけじゃないよ? 花蓮さんと隣に居たえりなさんもだよ?」


「その先生と関わりある奴がそんなに居たのか」


「一緒に見てたんだ…… えりなさんと花蓮さん、それから取って私がエレナって名前に」


「ははは、とんでもない奴らの名前取って付けたんだな」


「でもあの2人思い返せば凄く大変な目に遭ってたんだよ。 今は仲良いみたいだけどえりなさんと花蓮さんお互いいがみ合ってたから」


「あれで仲良いのか……」


「ところで直也、予約って何?」


「あー、あれはあいつらから逃げ出す為の嘘だ」



そう言うとエレナはなぁんだと少しがっかりしていた。 んー、どうしようか。



「じゃあなんか映画でも観に行くか?」


「! 行く行く! だったらあれ観たい、チャイルド・プレイ! あとお腹空いた!」


「ホラーかよ…… じゃあ観る前にどっかで食べて行くか」



エレナは前の事を話してから幾分砕けた態度で俺に接するようになった。 前もこうだったのかな?




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