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3 どうせなら公園の女の子と交換したい


「でさぁ〜ッ!」


「ふーん……」



結局2人で合コンする事となった。 俺は公園の女の子の事が気になりそれどころではなくなったがもうここまで来たらと羅衣に強引に連れて来られた。



まぁ今回だけだ、今回だけ付き合ってやるから羅衣の意中の女の子ととっととくっついてしまえ。



「直也君って無愛想。 いつもそうなの?」


「まぁな。 羅衣に頼まれたから来ただけだし」


「へぇ? じゃあこういうの興味なし? かっこいいのに勿体ないなぁ」



女どもも羅衣の事が好きな子の付き添いで来たのか他の3人に俺は地獄の質問責めに遭う、早く終わってくれ。



「直也君、連絡先教えて?」


「はぁ? うッ……」



1人の女の子が俺の制服のポケットに手を入れてきた。 そして弄る様にポケット越しに俺の体を触る。



やべぇ、こいつは本当に痴女かもしれねぇ。 背中に変な汗をかいてきた。



「あ、あったぁ」


「へ?」



そいつは俺ほポケットから携帯を引き抜き自分の携帯を弄って連絡先を入れていた。



「あ、私も私も! 直也君かっこいいから入れときたい。 ねぇ、いいでしょ?」


「勝手にしろよ。 俺返事とか返さないからそれでもいいなら」


「やったぁ」



何がやったぁなんだよ? そうしてしばらく経つと……



「今日はこれでお開きにしようぜ?」



羅衣は御目当ての女の子とすっかり打ち解けたようだ。 お互い満足そうな顔をしていた。 ようやく解放される、こっちは今か今かと待ってたんだ。



「直也、今日はありがとな」


「まぁこれで収穫なしだったらお前をぶっ飛ばしたかったけど良かったな」


「ああ、後でお礼するな」


「良かったじゃん、お互い結ばれて。 じゃあ直也君は私達と今から遊ぼうか? って帰っちゃうの?」


「ああ、これから俺用事あるから(お前らと居ると心臓に悪そうだし)」




そうして1人で歩いて居ると背中に少し強めの衝撃が走る。



振り返るとムスッとした顔の大咲が立っていた。 どうやら鞄で背中を叩かれたらしい。



「なんでお前こんな所に?」


「加藤先輩が怪しい態度取るからこっそり後をつけてきました! それと直也先輩見損ないました、そういうの興味なさそうにしてたくせに合コンしてるなんて。 合同演習会とか嘘ついちゃって」


「それ言ってたのは羅衣だし俺は仕方なくついて行ったんだよ」


「そうかなぁ? 先輩ってむっつりさんなんですか?」



ギクリ…… 逆に教えてくれ、俺ってむっつりなのか? 



心の中で大咲にそう質問した。 心の中なので聞こえるはずないけど。



「てかお前暇なんだな? こっそり俺達追跡してるなんて」


「ああー! 誤魔化しましたね? 嘘ついてたくせに」


「嘘ついてたのは羅衣だって。 つかどうして欲しいんだよ?」


「よくぞ聞いてくれました!」



大咲はえへんと笑い手を差し出した。 それでどうしろと?



「ん?」


「直也先輩、連絡先交換しましょ?」


「え?」


「いいじゃないですか? 私結構直也先輩と仲良くなったなぁと思うし。 ダメですか?」



途端に不安げな顔になり俺に近付き俺の顔を見上げる。



くそ…… こんな後輩までにオロオロしてられるか。 少しは慣れろ俺! こいつは見慣れてる、見慣れてる! 



そう強く思い平静を保ち咳払いをして携帯を渡す。



「やった! あー、先輩の連絡先交換するまでに結構掛かったなぁ。 でも満足です」


「よく言うわ」


「はい、済みました」



ニコッと微笑み俺の手を取り携帯を乗せる。 その仕草に少しビクリとしたが落ち着け俺……



「じゃあ今日はこれで失礼します」


「はいはい、 行った行った」



帰れとしっしと手を振ると少しムスッとした顔になったが夜にメッセージ送るから返して下さいねと言って帰って行った。



夜か…… 今日も行ってみるか、さっき見掛けたあの子は間違いなく居た女の子だった。



早く会いたかったのか俺の足取りは速くなっていた。 






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