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2 合コンに誘うとか勘弁


「あ、直也先輩!…… と加藤先輩」


「なんか俺の時だけテンション低くね?」


「あはは、そんな事ないですよ。 それより2人してこれからお出掛けですか?」


「ああ、ちょっと羅衣の用事でな」


「加藤先輩の? ムムッ、何か良くない事がありそう……」



そう言って羅衣の顔を睨むこいつは大咲おおさき はな、少し前に隣のクラスの男子にナンパされていた所にたまたま通り掛かりそしてたまたま虫の居所が悪かった俺がそいつらを見て睨んでると勘違いして逃げていった。 



それを大咲の奴も勘違いして俺に助けられたと思ってしまってそれ以降、俺を見掛ける度にこうして話し掛けられるようになってしまった。



「いやいや、誤解だって花ちゃん。 睨んでる顔も可愛いけどそういう目線は直也に向けてくれよ」



なんで俺が睨まれなきゃいけないんだよ? 



羅衣にそう言われた大咲は睨んでる顔から一変、パッと笑顔になり俺に向き直り頭をすりすりしてきた。



や、やめてくれ! …… 落ち着け俺の心臓。



「うわぁ、一瞬で笑顔になりやがった」


「へへーん! 直也先輩を睨み付けるわけないじゃないですかぁ! 加藤先輩の用事ってなんですか?」


「それがさ、合…… むぐッ」



合コンと言おうとしたら羅衣に無理矢理口を押さえられる。



「合…… ? なんですか?」


「ご、合同演習会! な!? 直也!」


「はぁ?」


「合同演習会? なんのですか?」



こいつ口から出まかせを…… 俺もなんの合同演習会か聞きたいぞ。



「こいつさ、最近筋トレに嵌ってるらしくて通ってるジムでさ、今日の用事も俺もジム行って見学しようかなって事でさ」


「筋トレ? そんな事しなくても直也先輩と加藤先輩お強いような気が……」


「直也ストイックだからさ! そんな直也の姿を見ているうちに俺も影響されて今日こいつに頼んで一緒に行くって事になったんだ」


「へぇ、お前俺に影響されてたのか、へぇ〜」


「ふぅん……」



苦し紛れの言い訳に俺と大咲に疑いの目を向けられる。 俺が筋トレだって? ああ、まぁ夜に走ってはいるけど。



「そ、そういう事でほら、行こうぜ?」


「あ、なら私もそれに参加してもいいですか?」


「はぁ!? ダメダメ! 花ちゃんじゃ付いていけないからさ。 なぁ直也?」


「そうか?」



頼むから言う通りにしてくれと言わんばかりの羅衣の顔も見れた事だしこいつをおちょくるのもここまでにしておくか。



「直也先輩〜!」


「まぁそういう事だから俺達はもう行くわ。 大咲気を付けて帰れよ?」


「むぅ…… はぁ〜い」




大咲が帰って行くのを見て盛大に羅衣は溜め息を吐いた。



「ようやく帰って行ったか」


「合コンって普通に言えばいいじゃん?」


「お前バカか? そんな事言ったら俺花ちゃんに恨まれるだろ?」


「そうか? 大丈夫じゃね?」


「いやぁ、お前花ちゃんに物凄く好かれてるからそうなるだろ! ていうか花ちゃんと付き合えば?」


「はぁ? なんで俺が大咲と」


「花ちゃん超可愛いじゃねぇか? あどけない感じがいいよなぁ」


「なんだお前? お前が大咲の事好きなんじゃねぇの?」


「バカだなぁ、女気あるくせに奥手のお前に良さを説いたんだろが」



まぁ確かに大咲可愛いんだけどくっつかれたりしたらとんでもない事になるわ、俺の方がな。



さっきみたいに心の中でカクカクロボット状態になってるはずだ。 つーかこんなんで合コン行かなきゃなんねぇの? ハードル高過ぎだわ。 むっつりスケベと思われて終わりだなこりゃ。



「で? どこでやんだよ?」


「ああ、駅の近くのカラオケだ。 もう準備バッチリだぜ」


「男って俺達2人?」


「そうだけど?」


「まさかサシで?」


「あははは、んなわけねぇだろ? ほら、 この前喧嘩売ってきてのした奴ら2人用意したんだ。 あいつらめちゃくちゃ喜んでたぜ? 一生付いて行きますみたいな感じで」


「マジかよ…… 」




そしてあんまり記憶にない2名を待たせていた場所に行くとそこにはボコボコになっている男2人…… え? 何があった? それより恥ずかしいこの2人と一緒になるのは。



「おい羅衣、 どういう事だよ? 俺あの2人に近付きたくないんだけど」


「いや、俺に言われても…… でも確かにそうだな。 話だけ聞いてみようぜ?」



そして2人を路地裏に連れて行き話を聞いてみるとどうやらこの2人は俺らが来る前に可愛い女の子居たからナンパしたそうだ、そしてナンパしたら彼氏らしき人物にボコボコにされたと……



自業自得じゃねーか! それに合コン行くくせにナンパとは。



「つーかこれじゃあお前ら合コン無理じゃん…… 仕方ない、俺と直也だけで行こうぜ?」


「は!? キャンセルしろよ! 最初から出鼻挫かれてるじゃねぇか、悪い予感しかしないって!」


「それもこれもあいつらに聞いた所、「真央ちゃん」(まお)って奴がこいつらここまでボコボコにしたせいだわ。 手加減しろよ、ったく…… でも合コンはキャンセルなしな?」



ふざけんな! と言おうとした瞬間2人の後方にあの公園の女の子の姿が…… 公園以外で初めて見た。



「おい直也!」


「え? なんだ?」



羅衣に顔を向けた後また女の子の方を見ると居なくなっていた。 嘘だろ? 消えた?






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