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17 ここ掘れワン


夜になり体調の方は大分良くなった。 だがダウンしている間にいろいろ考えると……



「直也…… 心配」


「ああ…… 心配事は沢山ある。 なんせ先立つもんがねぇ!」


「?」


「お金だ」



エレナに言ってもわからないだろうなと思ったが。 そう、いくら親を誤魔化して仕送り多目に貰ったとしても足りなそうだ…… てかあまり多くねだったりしてバレる。



これはあれか。 バイトすっかな……



「お金……」


「そう、こんな紙切れなんだけどな。 何をするにもこいつが必要なんだこの世の中」


「あ…… !」



エレナが俺の持ってるお札を見てハッとした顔をする。



「ある」


「え?」


「あるよ、それ」


「嘘だろ? そんなもんどこに……」


「公園……」





そして深夜…………



俺とエレナはスコップを買って公園の端っこを掘っていた。 なんかヤバいものを掘り出している気分だ。 心許ないがエレナには見張り役を頼んでる。



「直也!」


「誰か来たか!?」


「猫さん」


「………… 良かったな」



本当にあるのか? 掘れども手応えがなくエレナの記憶違いじゃないかと思った頃スコップがガキンと何かに当たる。



大きめの袋? いや、この中に何か入っているのか。 



袋を開けるとジェラルミンケースだった。 



ま、マジかよ!? これ本当にヤバい代物なんじゃないか…… ヤクザかなんかの裏金? てことはエレナもそっち関係の人か?



エレナをパッと見ると猫を抱いてケースを見ていた。



「開けるぞ……」



なんとそこには信じられない程の札束とエレナの服らしき物が…… って服は全部同じ服かよ……



そんな事より現金だ、一体いくらあるんだ? あり得ないほどの札束に緊張度がMAXに跳ね上がる。



急いで掘った穴を元に戻し掘った形跡を残さないようにしてその場を足早に去る。



ヤバいなこれ…… 公園に出入りしていたのはもし誰かに見られていたら俺とエレナってすぐわかられそうだ。



周囲に注意を配りながら急いで帰宅する。 そして鍵を掛けてテーブルにケースを置きお金を数える。 その額7000万円……



「エレナ、これどうしたんだ?」


「困ったら使いなさい。 先生」


「先生? エレナの保護者か?」


「保護者?」



エレナはキョトンとする。 違うのか? だったらこれはなんだ? エレナの裏には誰かバックアップしてくれる人物が居たのか? ならなんで放っておいた? 



エレナは何もわかってない、この金額の意味のヤバさを。 物を買うのに金を使うってのもわかってなさそうなのに一体何を教えてんたんだ?



「先生の名前は?」


「ファウスト先生」


「外国人? それって本名か?」


「ファウ・スターゼンゲペル○◇*×□…………」


「え? は!?」



途中から何言ってるのかわからなくなった。 どこの国の言葉だよ?



「略してファウストって事か?」



エレナはコクンと頷いた。 



マジか…… でもこれ本当にエレナの為のお金なのか? エレナは変わってるけどその先生も大分変わった人らしい。



「使っていいのかな? これ」



エレナに一応確認してみる。 背に腹は変えられない、エレナの言ってる先生がエレナを支える1人ならこのお金はエレナの為に使える。 あるのとないのでは大違いだ。 親にも迷惑は掛けないで済む…… 多分。



「うん」


「わかった…… じゃあこのお金はエレナの物だ、先生とやらに取り敢えず感謝だな」


「? 直也あげる」


「いやいや、俺は使えねぇよ。 俺が使ったらその先生がエレナにこんな大金残した意味がないからな。 まぁエレナがいろいろ覚えるまでは俺が管理してエレナの物を買うけどそれでいいか?」


「わかった」



本当にわかってるかなぁ? このぶっ飛んだ額のお陰で俺の方もおかしくなりそうだった。






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