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1.プロローグ 前編

「えっ? ここどこ?」

 寝ぼけた声で俺はそう呟いた。


 それは突然のことだった。


 いつものように、重いまぶたを無理矢理開けようとしたとき、異変に気づいた。

 それは周囲が恐ろしく眩しいということ。そして、そこが自分の部屋ではないということだ。

 まだ脳が活性化してない中、冒頭の台詞を吐いた訳だが、そこから段々冷静になってきて、なんとなく今の状況が整理できるようになってきた。


 うーん。どう見ても俺の部屋ではないよな……。第一、俺はこんな神々しい感じの場所には住んでないし……。

 家具も全くないし、いつもなら起きてスマホをいじるところだが、スマホを含め本当に何もないな……。


 周囲は、いわゆるファンタジー世界の天界のような神々しい場所だ。けれど、物と呼べるものは何もなく一面まっさらだ。

 そして、あれだけ眩しいと思っていた光も、目が慣れてくると目が眩むようなそんな鋭いものではなくて、何か…。こう…。あたたかく、とても心地いい感じ。

 なんて、ちょっと気持ちがほんわかしていたら、突然誰かの声が聞こえてきた。


「目が覚めたようですね。ここは神と天使が住まう聖なる園、パライソです。あっ……。後ろですよ。後ろ。」


 声に驚き、後ろを見ると、そこには一人の女性が立っていた。

 金色の長い髪に、青く澄んでいる目。すらっとした外見で、スタイルも抜群。まさに美女という言葉を体現しており、つい見とれてしまった。

 よく2次元の女神が着ている……。キトンだっけ? 古代ギリシャっぽい白い服を身に纏っているから、この人が、ここの女神なのかなあ。

 そんなことを考えていたら、女神らしき美女が少し呆れた様子で、また口を開いた。


「私に見とれるのも仕方のないことかもしれませんが、色々と話したいことがあるので、とりあえず自己紹介をさせてもらいますね。私は、このパライソ及びこの世界を統括している女神、デューケです。」


 デューケと名乗る女神の声で、勝手にかかった魅了状態が解けた俺は、女神デューケにこの状況の説明を求めた。


「デューケ…さん?…様? ここは一体どういう場所なんです?これってもしかして異世界転生ってやつですか?もしかして俺って死んだんですか?」

「出来ればデューケ様と呼んでほしいですね。そして質問の前に、まずは自分の名前を名乗るのが礼儀ではないのですか?」


 女神デューケに指摘されて、自分の無礼に気づいた。確かに自己紹介もせず質問ばっかりするのも失礼だよな。異常なことばかりで冷静さを欠いていたわ。ちょっと一旦落ち着かないと。

 俺は、軽く深呼吸をして少し落ち着いてから、自分の名前を言おうとした。言おうとしたのだが、名前が出てこない。ぼんやりとしており、思い出すことが出来ないのだ。


「ええと………。すいません。名乗りたいのは山々なんですけど、自分の名前を忘れてるみたいなんです...。」

「……そうですか。まあ仕方ないですね。それでも名前がないと不便ですから、名前を思い出すまでは…。そうですね……。アークとでも名乗っておきなさい。」


 アークか。そこまで悪くない名前じゃないか。女神様の言うとおり、とりあえず思い出すまではこれでいいだろう。


「それでは、アーク。あなたの質問に答えましょう。ここは、あなたの住んでいる世界とは異なる世界。なので、異世界といって問題ありません。そして、あなたは死んでここにいるわけではありません。しかし、あなたは今、元の世界で昏睡状態で生死をさ迷っている状態です。このまま何もしなければ、あなたは死んでしまうでしょうね。」


 淡々と言われる衝撃的な事実に呆然としてしまう。


 えっ!? 俺死ぬの!? あっ。でも別に元の世界の俺が死んでも、今ここにいる俺には影響ないだろうし、何よりせっかく異世界に来たんだからチートとか使って無双とかできるんじゃね!?

 

 そんな呑気なことを考えていたら、それを一蹴するように、またまた女神様の口から衝撃的な言葉が出てきた。


「どうやら浮かれているようですけど、今のあなたは、いわば魂だけがこの世界にきている状態です。元の世界の身体が無くなれば、今ここにいるあなたも存在自体が消滅してしまうんですよ。今は、私があなたの世界の時間の進行を遅らせているのでどうにかなっていますが、このまま元の世界の身体に戻れなければ、御愁傷様でした、なんてことになりますよ。」


 マジかよ!? それはちょっと洒落にならないな。でも、この感じだと助かるためには、私の願いを聞いてもらえますか、ていうテンプレ的な状況だよな。とりあえず、悲観する前にもっと色々聞いてみるか。


「それで、助かるためにはどうすればいいのでしょうか?」

「物分かりが良いようで助かります。これが本題なのですが、率直に言うと、あなたには、この世界で天使となって働いてもらいます。その間は、私はあなたが死なないようあなたの世界の進行を遅らせます。そして、十分に働いてもらった暁には、あなたを元の世界に戻し、生き返らせてあげますよ。」


 やっぱり要求を提示してきたか。今の何も分からない状況では断ることは出来ないし、もし断れば、遅かれ早かれ、今ここにいる俺も元の世界の俺も死んでしまう。これは、優しい言い方の脅迫のようなものだ。

 しかし、まだ天使として働けとしか言われていないし、もしかしたら楽勝な内容かもしれない。


 俺は恐る恐る女神様に尋ねてみる。     

「それで、具体的には天使になって何をすればいいんですか?」


 女神デューケは、その質問を待っていたと言わんばかりに、即座に回答した。

「あなたには、天使となって、この世界の勇者の冒険をサポートをしてもらいます。」






 

 

 こんな新参者の作品を読んでもらい、ありがとうございます!

 小説家になろうの小説は、とても大好きなのですが、最近のチートラッシュとは違う小説を作ってみたくなったので、自分のなんとなくの妄想を文字にしてみました。

 今回が私の初投稿作品かつ、完全なド素人なので、文章や展開などに、おざなりな点が多いと思いますが、そこは温かい目で見てください。

 出来れば感想などで、良かった点や、ここをこうした方が良いなどの点があれば、豆腐メンタルなので優しい言葉で言ってもらえると嬉しいです。

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