幕魔2 前宰相の謀殺日和~それはある日突然に~
ああ、今日も麗しかった
月ですら陛下の前では姿を隠し、どんな美辞麗句でさえ飾るに足りない
見ているだけで心が洗われる様だ
陛下の為なら何でも出来る
陛下の心優しさを思えば食事も喉を通らなくなり仕事も捗ってしかたない
「休みをくれじゃと? 陛下の下で働けることが褒美なのに何寝言を言っておるのだ?」
陛下は心清らかである
人間界や魔界の些事荒事は出来るだけ排除してやりたい
ああ、民草を思って涙する心痛はいかばかりか
人間界の殲滅と魔界統一を早くなしてさしあげねば!
ああでもそうしたら陛下と話す内容が減ってしまうのでは
仕事一辺倒で大した面白い出来事も話もない自分が恨めしい
ああ、陛下の笑顔をみて癒されたい
「ああ、それは食べてよい」
まったく、近頃は暗殺者のレベルも下げて手抜きしおってからに
餌にしか使い道がないなどけしからん
洗脳するのも手間なんじゃからもう少し質を上げるよう策を練るかの
近場は磐石にしたから手駒を探すとしたら辺境か
うーむ、あまり陛下と離れたくないしな
手頃な敵対組織があれば潰すんじゃが
「陛下がお呼びです! 二人きりで話したいことがあるらしく」
「なんと!」
なんとなんとなんと!!!
陛下が二人きりで会いたいとな!!
なんであろうか
筆が震える。
もしや策が何か失敗していたのであろうか
不安もあるが、もしかしたらという期待もある
ああ急いで行きますぞ陛下!!
「人間界での策は如何致しましょう」
「忙しい! 人間界の敵国同士の王子だけ全員殺っとけ」
そんなことより陛下愛しております!!
その後、愛する陛下から「この人と結婚しようと思うの」と言われ宰相はその場で発狂した
ちなみに宰相は前魔王の狂信者なので、本物とのズレも一部?大分?見られる
人間界では現地民にとっては核戦争級の戦争(ノット核戦争。何処も戦争しまくって荒廃したり遺恨が残ったイメージ)が起き、それから二百年戦後処理などが続いた(滅んだ国多数なので今も続いてるとも言える)が、そんなことより宰相は結婚相手を謀殺するのに忙しかった
みんなふぁいとー
いずれ書きたいサブタイに「発情期」があるのですが、ワニとトカゲどっちを書こうかな…、いやもう二人とも…←
まだ先ですが、昔読み手だった時にそれに関したお話が楽しかったので、面白くなれるよう頑張ります(笑)今回は600字縛りだったけど加筆してズレたうおおw




