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ゴスロリお姉さん(ロリ声)

 気分転換で書くつもりがガッツリ設定まで作ってしまいました。せっかくなので投稿してみます。もちろん過度な期待はしないでね!そもそもしてないか!←

「おーい。いい加減起きてはくれぬかー?おーい」


 誰かの声が遠くから聞こえてくる。まさにロリ声!な声が聞こえてくるのだが如何せん、口調と妙に・・・というか全然マッチしていないだけに、なぜか目を開けるのを拒否してしまう。

 というか本能的に開けてはいけない気がする・・・。

 でもまあ、状況確認するには音だけでは心許ない。

 恐らくこの体勢的に仰向けに寝転んでいるのが分かるがそれ以上のことは分からない。

 ここは多少の犠牲を覚悟してでも目を開けておかないと。・・・薄目でもいいよね?

 

「余は待ちくたびれておるのじゃぞー。さっさと起きておくれー」


 なんか段々ロリ声の主がイラついているような気がしているのでさっさと目を開けてみるか。

 ゆっくりゆっくりと重い瞼を上げ、なるべく薄目になるように細心の注意を払って開けてみる。

 薄目なので若干視界がぼやけてはいるが、ちょうど顔の真正面に誰かが立っているようだ。というか俺の顔の両側に肌色の細い棒のような何かあるのが今感じ取れた。

 つまりここから導き出される答えは・・・。

 だがせっかくなので見ておくことにしよう。うん、据え膳食わぬはなんたらだって言うしな!

 しかし誤解しないで欲しい。決してロリコンではない・・・!


「履いてない・・・!だと・・・!」


「起きた瞬間の第一声がそれか!もういっぺん死にたいのか!あとちゃんと肌色のパンツを履いとるわい!」


 思いっきり目を開けた瞬間に飛び込んできた光景に驚愕の顔を浮かべると、その上から靴底のようなものが見え視界を遮った。

 その衝撃に耐えれず、またしても意識は遠ざかっていく。

 薄れていく意識の中で、肌色のパンツ何てものが存在したという発見だけが頭の中でリピートされていった・・・・・・。






「いやいやいや!!おまえさっきとんでもないこと言ったろ!!!」


 このまま意識を無くしても良かったのだがさきほどなにやら不吉なワードが聞こえた気がしたため無理やり上半身を起こして覚醒する。


「まさか起きてくるとは・・・なかなかお主やりおるのー」


「いいから人の話を聞け!おまえさっき何て言った!」


「肌色のパンツ履いとると言ったのじゃが」


「違う!俺の好みのパンツが黒のレースだろうがTバックだろうがどうでもいいんだよ!」


「さらりとお主の方がとんでもないことを言った気がするのじゃが・・・」


 おっと、気が動転して俺の趣味が明らかになってしまったか・・・


「って違う!ごまかすなよ!おまえさっきもう一回死ぬとかなんとか言ってただろ!」


「なんじゃ自分で覚えておるではないか。確かに余はさっきそんなことを言ったが・・・それがどうしたのじゃ?」


「なっ・・・!どうしたって・・・」


 今こいつは確かにさっきの発言を認めた。けれどそんな軽く言っていいものなのか・・・!?

 まるで・・・『きゃっ!あなた今痴漢しましたね!』『確かに痴漢しましたが、何か問題でも?』・・・みたいなやりとりじゃないか!・・・ちょっと違うか。

 そして今気づいたのだが、今目の前で仁王立ちしている人が例のロリ声主だと思われる幼女・・・じゃない!?


「今度はなんじゃ?そんな何回も目をこすったりして」


 なんか呆れたような声が聞こえるが今はそんな事はどうでもいい。

 ロリ声だったため、てっきり幼女かと思ったがこいつは・・・


「お姉さんタイプ!?けれどもなんかゴスロリ系着てるんですけどー!!」


「さっきから何回も叫んでお主疲れんのか?意外と元気なようじゃの」


 なんか色々と属性が入り混じったカオスな美人なお姉さんがそこにいた。

 

「もう・・・なんかどうでもいいや・・・とりあえず一つでも疑問が解決できて今はそれだけで俺は十分ですよ・・・ぶっちゃけまたいろいろと疑問が沸いてくるけども・・・」


「なんじゃ、今度は落ち込みよって。お主、情緒不安定なのか?」


「誰のせいだよ・・・」


 がっくりと肩を下しうなだれる俺に声をかけてくるゴスロリ姉さん。

 これだけでも十分シュールな絵にはなるが、今は落ち込んでいる暇はない。

 

「それで、さっきの質問には答えてくれるんですかね?」


「パンツか?」


「そっちじゃねぇよ!!天丼はやめてくれ!!」


「なんじゃ、せっかく盛り上げようと思ったのじゃがお気に召さんかったか」


 若干不満そうな顔をしながら、仕方ないといった顔で話し始める。

 ・・・ってか確信はあったが、いざ本人からさっきのやり取りがわざとだと聞くとそれはそれでむかつくな・・・。

 

「ではまず自己紹介といこうではないか。人間同士のやり取りはでは、まず最初にするものが自己紹介だと聞いておるぞ」


「うん、もう黙って聞いておくからさっさと続けてくれ」


「本当に情緒不安定じゃのー。まぁよかろう!よく聞いておくのじゃぞ!余の名は大天使セレナ!四つの世界を統治する大天使の一角であり、世界の覇者の一人でもある!」


 ・・・一つ付け加えよう・・・。ゴスロリ姉さん改めセレナは、厨二病というかわいそうな要素もお持ちらしい・・・。


「さて、自己紹介とはお互いするものだとも聞いておるぞ。次はお主の番じゃ!」


 えー・・・めんどくさいんですけど・・・。ってか勝手に自己紹介始めたのあんたじゃん・・・。まぁそれを促した俺も俺なんだけどさ。

 まだかまだかと期待している顔でこっちを見てくる彼女の視線に耐えられず、溜息一つついてから重い口を開く。


「俺の名前は赤木哲也。中卒、年齢は17。趣味は特になし。こんなもんでいいか?」


 自己紹介なんてろくにしたことないから分からないがこんなものでいいだろう。

 実際相手側は満足したような顔をしているし大丈夫そうだな。


「よかろう!余は満足じゃ!さて、哲也が疑問に思っていることを話してやるとするかの。さすがに何の知識も持たせずに放り出すわけにもいかんからのー」


 なにやらまた『放り出す』とか不吉ワードが飛び出してきたのだが・・・。

 あとさりげなく呼び捨てされてるなー・・・。

 しかし時間が多少掛かったとはいえ、話してくれるというのであれば今はおとなしくしていた方が良さげだな。


「では話すとするかのー。さっそくで悪いが哲也、ここで目覚める前の記憶はあるか?」


「目覚める前の記憶だと・・・?」


 そういえばここで目覚める前に朝飯の納豆ご飯を食ってたような・・・?

 そして・・・


「そうだ、確か急に胸が苦しくなって・・・。そしてここで目覚めた・・・。そういえばここはどこなんだ?あたり一面真っ白じゃないか・・・」


 いざ冷静になると自分の今置かれている状況が異質すぎる。

 そう考えると一体ここは・・・?そして今の俺は何なんだ?

 血の気がない顔を向けながら彼女に話の続きを促す。


「うむ。一応覚えているようじゃの。簡単に言えば哲也はすでにあの世界では死んでいる。そして余と哲也がいる場所は余の部屋じゃ。厳密には部屋というより世界の裏側といったところか。大した場所ではないがな」


「俺が死んでいるだと・・・。しかもここではない世界で・・・。そしてここは天国でも地獄でもないってことか・・・?」


「そもそも哲也よ、天国や地獄というものはそもそも存在せん。お主ら人間が勝手に自己満足で作った妄想じゃ。そもそも人間が死んだらもう一度その世界で生まれ変わるだけじゃよ。まあその話はいつか機会があればしてやっても構わんぞ。して、一応お主は死んでおる。ただしあの世界で死んだという話じゃ。このくらいの情報があれば理解できるのではないか?」


 彼女は・・・いや、セレナはそう言い終わると話は終わったとばかりに口を閉ざした。

 今は死んだ死んでないで事を進めるのは得策ではない。今目の前にいるセレナの情報と自分の今の状況を元に判断しなければ。


「ふぅー・・・」


 一息つくと俺はセレナに向かって自分の考えを伝え、それが正しいか確認する。


「とりあえずこの場所はお前の部屋ってことでいいんだな。そして俺はあの世界では死んだ。けれど今ここでは意識がある。さっきお前は死んだら生まれ変わると言ったな。少なくとも俺は生きていたままの姿だ。つまり俺は生まれ変わっていないからまだ正式には死んではないということだ。そして、お前は世界が四つあると言い、俺がその内の一つの世界で死んでいるという風に話していた。つまりここは俺が元々いた世界ではないということだな」


「ふむふむ。なかなか理解が速くて助かるぞ!」


 またしても満足そうな顔を浮かべながら彼女は頷く。

 とりあえず今理解していることが正しかったことに安堵の溜息をついた。

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