最終試験
次の日森の入り口で爺さんいた。どうやら俺のことを待っててくれたらしい。
「それで具体的にどの様なことを教えていただけるんですか?」
「ほっほっほ、まぁそうあせるでないぞ、時間はあるんじゃからな」
俺は人族だから寿命が短いと思うがね……。
爺さんの家に着き、庭先で授業が始まった。
「まずこの【力】のは誰もが持っていて、どこにでも存在するんじゃ。動物にも草木にも空気中にもな、それらの【力】を取り込んでわしらは【力】を使う事ができるんじゃ」
ほぉ~なんか小説にでてくる魔素?的な感じなのかな?
「無論、お主には潜在的な【力】が膨大にあるのを感じる。師匠やお主の様な転生者特有のものかもしれんぞい」
あれ?俺転生者って言ったっけ?
「俺が転生者って言いましたっけ?」
「直接は聞いておらんが、師匠が死ぬ間際に予言しとったのでな。それで知っておったんじゃ」
ん~なんともご都合主義な感じがするが、深く考えないでおこう。
その日から爺さんと俺の修行が始まった。
【力】を感じるところから始まり、物を浮かせたり、高くジャンプしたり、
早く走ったりなどなど……。
一通り学ぶと今度は戦いからの修行が始まった。やはり、どこぞの
銀河系の騎士の如く、相手の動きを読んで回避したりする修行だった。
俺が武器として渡されたのは銀色の15センチ程の筒だった。
「これどうやって使うんですか?」
「お主ならわかると思ったが知らなんんだか……それを上から下に振ってみなされ」
俺は言われた通りに筒を振ると、警棒のように筒から棒が延びてきた。
「おぉ~!これはすごいですね!」
「それ自体にはたいした強度はないのじゃ、それに【力】を纏わせるイメージするとミスリル武器に匹敵する程の武器になりえるじゃろうて」
たしかに目の前の木を叩いてみたら粉々に砕け散ってしまった。
俺は思わず腰を抜かしてしまう。
「お主もわかったであろう?この【力】は魔法に匹敵する――いや、それ以上かもしれん。決して悪用するでないぞ?」
「それはもちろんですよ、前世でもそんな事した経験ないですし」
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爺さんの所で修行を始めて大分時が経った、俺はすでに16歳になっていた。
「お主はすでにわしのを越えておる、じゃから今日は最終試験を行うぞい」
なんどろう?試験とか久しぶりだな。
「この森いる上位の魔物と戦い、その“魔石”を持ち帰るのじゃ」
上位の魔物か……結構色々なやつを倒してきたが最奥まで行った事も無かった
しちょっと不安だ。
「わかりました、それでは行ってまいります!」