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ガラス職人の息子は初恋の王女様を守ります。  作者: 池中織奈
第十章 そして、その少年の名は——。

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214.VSシザス帝国について 7

12/31 五話目

「俺はナディアの所に行く。お前らは適当に暴れろ。あと……他の奴らも呼び出すか」

 帝都の宮殿へと辿り着いたヴァンは、結界を破壊すると、一緒にやってきた召喚獣達に命令する。それと同時に、他の召喚獣達を呼び出す事にしたようで、次々と自分の契約している者達を呼び出す。

『主様、小生は力の限りを尽くします』

 《サンダースネーク》のスエン。

『ご主人様、私は頑張るわ』

 《ブラックスコーピオン》のカレン。

『ヴァンと暴れられるの、楽しみー』

 《アイスバット》のスイ。

『暴れられるとか、楽しそうだ』

 《ブラックキャット》のクラ。

『かかかかかっ、俺様も頑張るぜ』

 《クレイジーカメレオン》のレイ。

『おいらもご主人様のためにやるぜ!』

 《ブルーマウス》のエレ。

『あたしも参加できるのね』

 《ホワイトドック》のワート。

『ご主人と、大暴れか。楽しそうだなー』

 《イエロードラゴン》のクスラカン。

『ナディア様を攫った報いをあげなければね!』

 《グリーンモンキー》のニアトン。

『うふふ、わたくしも全力ですわ!』

 《ファンシーモモンガ》のモモ。

『わたくしの敬愛する主様あるじさまの婚約者を攫うなど万死に値しますわ』

 《ナインテイルフォックス》のキノノ。

『我は、主人の望むままに』

 《ルーンベア》のリリー。

『ヴァン様のために、頑張る』

 《ブルーフィッシュ》のギアナ。

『ヴァンの婚約者奪還作戦に参加とか楽しみだぜ』

 《グリーンタートル》のリトアル。

『小生も楽しみである』

 《アクアスネーク》のキルン。

 この場に居なかった残りの十五匹の召喚獣もその場に呼び出された。水中でしか生息出来ない者達に関しては、わざわざ水を魔法で出現させて息が出来るようにしてからである。契約している召喚獣達を全て出現させて、ヴァンは満足げに笑った。

「じゃあ、全員で暴れろよ。ただ、ナディアに危険がないようにな」

 そして、ご丁寧にも召喚獣全員を膜で覆う。これは、召喚獣を強制的に送還される魔法具の効能が効かないようにである。巨大な召喚獣が二十匹。それらが、ヴァンの命令のもとに、それぞれが動き出す。

 敵対する者からしてみれば、悪夢としか言いようのない襲撃の命令がなされた。


 さて、ヴァンは召喚獣達に暴れるように命令を下したかと思えば単独行動を開始した。



 宮殿内の人々は巨大な召喚獣が二十匹も宮殿を襲撃している事に、混乱して叫んだり、へたり込んだり、この世の終わりだという顔をしていたりするが、そういう彼らの事をヴァンは一切気にしない。真正面から宮殿に乗り込んだ。

 敵国の宮殿に真正面から乗り込んだヴァン。

 召喚獣から飛び降りてこちらに向かってくるヴァンの姿に宮殿に居る者達は恐怖を浮かべている。

 ヴァンはそんな彼らの事を無視してすたすたと歩いて行った。

 中には、ヴァンに対して叫び声をあげながら向かってくるような者もいたが、すぐさま殺されていた。一瞬で命が奪われている様を見た周りの者達は、恐怖からか、ヴァンに向かって行こうという者は減っていった。

 そうしている間にも、宮殿は召喚獣達によって破壊されていった。

 音がなり、破壊されていく中で、ヴァンは宮殿の西にある窓のない部屋を目指す。そこにナディアが居る事が魔法で分かっているからだった。

 ヴァンは早くナディアに会いたかった。

 ナディアが攫われたと聞いてから、一刻も早くナディアの無事を確認したいと思っていた。

(ナディアがこの先に居る)

 ヴァンはその想いを胸にそこを目指していた。

 だが、目の前にそれを邪魔しようとする者が現れた。大体の者はヴァンの実力を目の当たりにして戦意を喪失していたが、その研究者風の男は違った。

「貴様、こんなことをしていいと思っているのか!! この化け物たちの餌食になるが良い!!」

 その男はそう言い放つと同時に、合成獣を解き放った。

 異形の形をした合成獣を、一人のまだ年若い少年がどうにか出来るはずがないと思い込んでいるようだった。

 幾ら、ヴァンという存在が召喚獣を従えられるだけの才能を持ち合わせていようとも、強大な力を持ち合わせていようとも———召喚獣が居なければ目の前の少年は脅威ではないと、研究者の男は思っていた。

 契約主さえ殺す事が出来れば、召喚獣達は異界に強制送還されるというのも知っていたのでヴァンを的確に殺そうと目論んだのだ。

 普通に考えれば、ヴァンほどの年齢の存在が単体で巨大な力を持っているのはありえない。しかし、ヴァンは普通ではない。本気を出したら、召喚獣達でさえも殺す事が出来るであろうと召喚獣達に思われているほどに、強い。

 ディグの弟子になってからは様々な事を学んでいったので、以前よりどんどん強くなっている。だからこそ、合成獣が目の前に数匹居たとしてもヴァンは一切動じない。

「邪魔」

 その一言と共に、放たれた魔法が合成獣の命を奪う。

「は!?」

 その規格外の魔法に、研究職の男は驚きの声をあげる以外出来なかった。

 そして、何か言葉を発する前に、その男の命は奪われた。


 ―――VSシザス帝国について 7

 (宮殿を前に全ての召喚獣を少年は召喚する)




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