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CROW  作者: 鷹見干支
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序章 genocide memories

神秘の大陸フライハイト。

美しい自然と四つの大国から成る、女神に愛されしこの地でかつて、大きな、そして愚かな争いがありました。



それは今から約600年前…大いなる魔力を持って生まれた一人の邪悪な男によって、永きにわたって保たれていた平和が崩されてしまったことが始まりでした。


闇をまつる人々と、闇に暮らす魔物たちは彼のことを皇帝と崇め、彼はその圧倒的なカリスマでたちまち帝国を築き上げ、四大国を次々と侵略していったのです。


美しい自然は失われ、多くの血が流れました。人々は苦しい生活をせざるをえない暗黒の時代が訪れたのです。虐殺を続ける帝国を人はこう呼ぶことにしました。“ジェノサイド”と…。


絶望がこの地を包み込んだその時、人々は祈りを捧げました。


「どうか女神よ、私たちをお救い下さい…」


すると、天から光が現れていました。


「人の子よ、今こそ心を一つに、思いを一つ

にして皇帝を倒すのです。さあ、これを」


そして光は悪しき魔を退ける聖なる手甲ガントレットを人間に授けました。


こうして四大国の領主たちは初めて同盟を組み、皇帝と戦いました。それから激しい攻防戦の末、帝国軍に辛くも勝利を収めた四大国は、邪悪なる皇帝を追いつめ、倒すことに成功したのです。こうして、この地に平和をもたらした四大国の領主たちは英雄と讃えられ、いつまでも語り継がれる伝説となったのです。


…これがこの地に伝わる伝承だった。

そして600年後の現在…

人々は戦いの痛手を乗り越え、完全な復興を遂げた。

いまやフライハイトの国々は五大国と呼ばれていた。東の砂漠に位置し、聖なる手甲ガントレットを授かった勇者アオスブルフの子孫である、


大賢者シリュウを首長とする民族国家マギアバラドを筆頭に、


西の山岳地帯に要塞を構える勇猛な赤髪の女大公、ユニヴェール率いるクレアシオン公国や、


南の外海に囲まれ海上都市を有する、厳格な国王ギースバッハが治める王国マナンティアル、


古代文明の遺した世界最大の超巨大飛空挺の上に存在し、君主ヴィントホーゼの統治の元、皇国として成り立つ皇国挺ヴェンタニア、


そして皇帝亡き今、大陸の北方で商業国家として栄え、宰相が行政権を司る共和国となって久しいジェノサイドなどが、


それぞれ多種多様な個性を持つ国家として

世界の均衡を保っていた。しかし、

平和な世の中とは裏腹にかつての帝国、

ジェノサイドは不穏な動きを見せ始めていた。


…これは、そんな時代に生まれた者たちの生きた証である。




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