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人生リセット?

作者: しづ
掲載日:2013/09/10

若返ったら、人生にリセットできたら。

人間だれしも、一度は考えてしまうかもしれない。

でも、実際にそんなことはありえないと、誰でもありえないとわかっている。

わかっているんだけどね・・・。


「なんじゃこれー!」

俺は鏡の前で雄叫びをあげる。

「遼!朝からうるさい!吠えてないで朝食食べて学校に行け!ついでに、それ拾って持って来いよ。」

バコーンっと頭にカバンが当たる。

廊下を通りかかった兄貴のカバンが、俺の頭にヒット。

しかもカバンを拾って持ってこさせようだなんて・・・ひどいぜ兄貴。

洗面所で顔を洗おうとした俺が見たのは、ふと見た鏡に映る中学生ぐらいの男の子だ。

叫んだ声が声変わり途中で、変な声だった。

声変わりの途中ってことは、記憶が確かなら中学二年頃。

え!?俺って今現在、社会人よ。

働き盛り40代。結婚もしてるぜ。子供も2人いる。

さっきまで寝ぼけてて気づかなかったが、俺は実家にいるんだ?帰ってきた記憶がない。

しかも、なんだこの若さは!

実家に俺がいるってことは、兄貴は?親は?俺は急いで居間に向かう。

「兄貴!大変だ!俺が若いぜ!」

今度はスリッパが飛んでくる。

ひどいよ。弟は大切にしろよな。

「遼、朝からバカか?カバンとスリッパを持って来いよ。」

ため息つきながら『バカは一生治らないのか』と、首を振るな。

俺はバカじゃねぇ!・・・たぶん。

「兄貴の制服姿・・・あれ?高校生か?」

俺を振り返って、可哀想なものを見る眼をヤメロ。


なぜこうなった。

訳の分からぬ間に何が起こった。

とりあえず、俺の通っていた中学に学ラン着て登校した。

だって、兄貴が早くいけと追い出すんだ・・・朝ごはん食べ損ねた。

空腹のお腹をさすりながら考える。

兄貴がいた。親はいなかった。

そうだ、中学生時代から親はアメリカに行ってたっけ。

仕事で海外赴任するってことで、兄貴と俺に一緒に行くかと聞いてきたんだよな。

俺と兄貴はめんどくさいと断ったんだっけなぁ。

俺は言葉の壁で、兄貴は付き合っている彼女と離れたくなくて。

その彼女と兄貴は結婚している。

親には留学はカッコいいぞ。モテルぞと熱心に誘われたが、断ったんだっけ。

母親は父親と一緒に行く気満々だったけどね。

あの夫婦は万年新婚さんで、ラブラブだった。

いい年した夫婦が恥ずかしいと思ったが、結婚した今、その気持ちが痛いほどよくわかる。

だって俺、嫁さんにラブだもん。

ハッ!俺の嫁と言えば、中学生のころはお互いに相手の存在もしらないや。

社会人になって知り合ったからなぁ。

お互いに県が離れているし、嫁の実家に行っても不審者を見る眼で追い出されるかもしれない。

俺たちの愛の巣だった家も・・・行ってもないな。


何日か学校に通ったが、懐かしかった。

剥げ親父の横に貫録がつきはじめた同級生のアイツが、あんなにかわいかったのかと、時間は罪なことをすると笑えたり、音楽なんぞ覚えちゃいないと嘆いたり。

笛でピーだよ。

おたまじゃくしの音符を一生懸命追いかけたともさ。

逆に英語はバッチリだね。

昔は英語なんぞできなくて嘆いていたのにさ、社会人になると英語は必須で覚えたよ。

英語、中国語、ドイツ語を一生懸命に覚えたさ。

覚えなければ仕事にならないからね。

お金を稼ぐには大変なんだと、社会に出て思い知ったさ。

2回目の中学生活だ、勉強も一度しているもんな。思い出しながらの勉強はずいぶんとはかどる。

世の中学生よ、一から勉強するよりも楽だわ。俺、今回の中学生活は成績優秀者になれるぜ!

人間関係も社会人スキルで大丈夫だし、受験はどうしようか?

有名高や大学、はたまた違う職に就くのも有だ。

違う人生やり直して、人生の勝ち組目指すのも有だね。

でも嫁とは出会えなくなる。

そんな人生はまっぴらごめんだ。

嫁と一緒にいられるなら、人生の勝ち組に乗らなくてもよい。

同じ人生を歩んでも後悔はしない。

そういえば、嫁って頭良かったなぁー。

嫁と同じ高校受験する?

で、高校で付き合ってラブラブ生活。

嫁の制服姿・・・萌える。

若くて、かわいいんだぞ!俺はもしかして、嫁の若かりし頃を見るために中学生に戻ったのかもしれない!

嫁の色々が見れる!この人生も悪くない。

早く高校生になりたいぜ。

どうせなら幼稚園から見たかった。そして唾つけておきたかった。

ヨシ!なんとしてでも嫁と結婚するぞ!

待ってろよ嫁!俺が今いくぜ!





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