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シボレテ  作者: ジャンガリアンハムスターは世界最強種
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パンドラの箱

しかし、人生は甘くなかった。

私はセンター試験でボコボコにされた。

滑り止めの大学(東京)には受かっていたが、結局、私は父に頭を下げ、1年だけ浪人させてもらうことになった。

次、駄目なら諦めよう。


私の母と永井さんは再婚した。

あの初対面の日からわずか2週間後のことだった。式は挙げずに、記念にスタジオで写真を撮った。

私は、永井聡さんと正式に養子縁組をして、親子となった。

二人で、永井さんの官舎に引っ越し、4人での生活が始まった。

前述したとおり、志望大学には落ちてしまい私は現在浪人生である。


しかし、桜散る私とは打って変って、弟のシンタローはチート様でした。

某進学校に合格。

入学式では総代をつとめたらしい。(って事は、主席合格かよ)

高校では、アイスホッケー倶楽部に所属し、活躍中。

成績も馬鹿みたいに良いし。

何でも、数学は得意で先生から「永井君は出なくて良いよ」とまで言われたと母から聞いた。

そして初めて会った時は私と同じ位の身長がドンドン伸びて、今や私は見上げなければならない程だった。

14歳の時はまだまだ、少年っぽさが残っていたが、最近は青年へと羽化していく様な所があった。

当然、女の子からはとてもモテるらしく、2月のバレンタインや誕生日にはお菓子を山ほど持ち帰って来てくれた。


そんなシンタローは、若干シスコン気味のところがあった。

「雪ちゃん。雪ちゃん。」と懐いてくれる。

スーパーへの買い物には「デートだ。デート」といって荷物持ちまでしてくれるし。

何といっても、頭が良いので私の家庭教師になってくれて、勉強を教えてくれる。

とても可愛い私の弟である。


そんなある日。シンタローが練習中に怪我をして2日入院となった。

私もお見舞いに行きたかったが、大したことは無いから大丈夫と言われ、結局は行かなかった。

シンタローの退院の日、母が車でむかえに行き、私はシンタローの大好きな唐揚げを作っていた。

ガチャ、と音がする。

玄関に行くと、久しぶりのシンタローの姿。


「おかえりなさい」

「ただいま」


後ろから、お母さんが家に上がる。お父さんも一緒だったみたいで、家族全員が久しぶりに顔を揃えた。

お父さんがシンタローをいじりはじめた。


「シンちゃ~ん。怪我なんてカッコワル~イ☆ここかあ!」

「うゎあ!やめろよ!」

「ここかあ!!」


といってシンタローのギブスを引っ張ったり、グリグリしたりする。

最初は呆れていたシンタローも、ニヤリと笑う。


「この野郎。よくもやってくれたな」


その時、


私は何が起きたのか


自分でもよく分からない。


絶叫する。


「イヤアアアアァァアアアアァアアアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!」


怖い!

怖いィイィイイイィィィィィィィ!!!!!

コワイイイイイイイイイイイイイイイイィィイィィィィィィィ!!!!!!!!!


痛い!

お父さんもう止めてぇぇえ!

痛いよおぉぉぉおおお!!!





シンタローの数学のエピソードは下記からパクリました。



高橋洋一『さらば財務省―――官僚すべてを敵にした男の告白』講談社.2008



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