*第4話*
「ん……。」
自分の部屋じゃない…
「そうだ…。ここアルトの部屋だった。」
まだ視界がハッキリしてこない…。
ガチャ。
誰か来た。
「アルト兄?」
視界がハッキリした時アルトが見えた。
いや。よく似てるけど、アルトじゃない。女の子だ。
「テノールちゃん?」
「んっ?あ、ルチア。またアルト兄のベッドで寝てたの?」
「んー。眠くて(笑)」
「そう。もうほぼ毎日だからびっくりしなくなるわね。」
「ははは~。」
「まっアルト兄いないならいいや。どこに行ったのかしらねー。」
「プチ行方不明?」
「そんなとこ。じゃまたね。」
「ぅーん~_~」
「あっ。そうそう。あんまり寝てるとそのうちアルト兄に襲われるわょ(笑)」
バタンッ
「へっ?」
よくわかんないけど、注意されたのかな?
「ていうか、会うたびに似てきてるよなぁ…」
テノールちゃんは、アルトと双子の妹。そっくりすぎて、たまに入れ代わっててもわかんない。
アルトの影武者的存在といった所だろうか。
声もほぼ一緒だし。
それってアルトが女声なのかなぁ…(笑)
でも、テノールちゃんは最近女の子らしくないことを気にしてるらしい…
だからこんな事言えないなぁ…。
ガチャッ。
「ぁあ~…つかれた。」
と執事服のアルトが帰ってきた。
「おかえり。」
「おう。ただいま…。ってルチア、まだ居たのか;」
「うん。ダメだった?」
「いや、別に。」
そう言ってネクタイを緩め、吸い込まれるようにベッドに倒れこんだ。
そうとう疲れてるみたい……。
ここは帰った方が良さそう…
「じゃっ。帰るゎ。またね。」
「おぅ……。ってもう夜だし、今日は満月だろ?危険。泊まってけ。」
「えっ…。いいの?!」
「いいよ。てかそれ期待してたんだろ。」
「あ、バレた?(笑)」
「バレバレ。」
[今日は友達の家に泊まってくね~ε=(ノ゜ー゜)ノ]
お母さんにメールをしておいた。
最近はほぼアルトん家に泊まってるようなものだから、お母さんもきっとわかるだろう…。
ピロリロリン~♪
[了解(o^-')b]
お母さんからOKメールが来た。
お泊りだけど、よくある少女マンガみたいに
「ドキドキする~///」
というものは一切ない。
これも、ただの幼なじみとくらいしか思っていないからだろう…。
きっとアルトも。