クリスマスにはプレゼントを
賑わい始めたバーで虚しくニュースが流れているーー。
「重体で搬送された人物は犯行グループの内の一人である事が判明しました。犯行グループは2名、別の犯人により鉄パイプのようなもので頭部を打ち付けられ、他の被害者と共に緊急搬送された模様です。その後、もう一人の犯人は人混みに紛れ逃走し、現在も行方が分かっておらず、警察が引き続き捜査を行っているとの事です。なお、現場には犯人が被っていたと思われる狐のお面が残されており…」
クラスの参加者が全員揃って皆それぞれ会話に夢中になっている店の中でこのニュースに気を掛ける者は誰も居なかった。
「よし!皆集まったなー!そろそろ始めようと思うけど、良いよな!?」主催者である結城がグラスを上げてパーティーの開催を告げると、次々とクラッカーが鳴り響きうるさくも平和なひとときが幕を開けたーー。
ーー、幸せな飲み会は終わりを迎え、帰り道が同じな結城と翔は道ながらコンビニて買った缶ビールを飲みながら帰路につく。
「ったく、何が連続殺人鬼だ、バァロー。」結城は怒りを込めて呟く。
「はぁ?なに言ってんだお前、飲み過ぎだぞ!まぁ、俺もな!」翔は笑いながら結城に対応した。
千鳥足の二人は結城のアパートに着くと翔は肩を組んでいた結城をアパートの階段に座らせてスマンのポーズをした。
「悪い、明日、超重要案件あるから今日は帰るな。すまん。」
「なんだっ!親友の俺を一人にするのか?ルリちゃんと俺、どっちを選ぶんだ!?」
「あ、すまん、瑠璃ちゃんだわ。じゃーな!ちゃんとベッドで寝ろよ!」
「けっ。だろうな。うぃ、ありがとな!翔!ウェッ。」
朦朧としながらもふらふらと自分の部屋に帰巣本能のまま歩き出す。
そして、自分の部屋の鍵を回す。
ガチャ。ドンッ。
鍵を回したはずなのに扉が開かない。
ガチャ。パカッ。今度は開いた。
「あれ?鍵締め忘れてたかな?ま、いいや、うぃーー、只今かえりましたよー。」
酔っぱらいの結城は誰も居ないハズの空間に呼び掛けたが当然返ってくる言葉は無い。
「はぁ、寂し」
結城は暗い部屋の電気をつける。
パっと明るくなった部屋の片隅に大きな人形のような物が椅子に座ってうなだれている。
「ぇ、、。ん?、え?…母さん…?」
我が家の扉を開けて、全てから解放された気がして、酔心地で凍てついた空気に安心さえ覚えていたのに…。
それは、間違えだったんだと気付いても二度とは振り返りすら出来ぬ出来事であった。
「お帰り、まーなたん♥ …ごほッ。」




