ウェンズデー
続きます。
次の日、朝のホームルームで委員会に所属している生徒は放課後、指定された教室へ向かうようにと高倉先生から、連絡があった。正直だるい、帰りたいと思う。
だが、そうすると、もう1人の図書委員である池野が困るのは目に見えている。したがって、帰れない。まぁ、いいか。ポジティブ思考に切り替える。
帰りのホームルームが終わり、俺は1人で指定された教室へと向かおうとすると、池野が追いかけてくる。
「おーい、待ってよー。」
手を振りながら、走ってくる。センセー、廊下を走っている人がいまーす。やがて、追いついた池野は口を尖らせながら不満を言ってくる。
「こういうのは、普通一緒にいくものなのに。
有栖川君ひどいよー」
「一つ、友達の話をしよう。決して、俺の話ではないからな」
「有栖川君、中学の頃は友達いないって..」
出かけた言葉を俺は遮る。
「細かいことは気にすんなって。」
「まあ、いいや。それで話って?」
「あれは、たしか、中2の時だった。生美委員会に入ってたんだが、その日は放課後に活動があって、ソイツは活動場所にもう1人の委員の女子といくために女子の周りでうろうろして、声をかけられるのを待ってたんだ。そしたら、その女子なんて言ったと思う?『付きまとわらないで』って言ったんだぜ」
「それはご愁傷様だねー。まぁ、今は今、過去は過去だよ」
何か、悲しいものを見るような目で見られる。
「だから、俺のことじゃなくてですね、、」
「わかってるよー」
俺たちはそんな会話をしながら、目的地に向かう。
目的地はもちろん、図書室である。図書室は、2階の校舎の奥のほうにあり、ホームルーム教室は1階にあるため、少々移動がめんどくさい。
やがて、俺たちは図書室につき、指定された席に座ることに。どうやら、手元に置かれていたプリントから、今日はどういう順番で仕事のローテーションを回すかを決めるようだ。
余談だが、この高校の図書委員の仕事は固定ではない。
まぁ、社会人になったとき、やることは一つではないからな。多様な物事に柔軟に対応できるようにという高校の考えが伝わってくる気がする。って、考え過ぎか。
そうしている間に、全員が揃ったので、話し合いが始まる。
「それでは、はじめさせていただきます。」
キリッとした教師の声が室内に響く。
「まず、プリントに記載されてある仕事内容を見て、希望曜日を各クラス話し合ってください。それを元にローテを組みます。」
そして、話し合いの時間が設けられる。
「有栖川君、どの曜日がいい?」
「俺はどこでもいい。特に部活とかも入る予定ないし。お前の都合に合わせてくれて構わない」
「わかった。じゃあ、水曜日かなー」
う、水曜日か。
そう、通称『魔の水曜日』何やら、この日になると、学生の多くはやる気が損なわれてしまうとか。そんな水曜日にコイツは俺に放課後残れと?俺、水曜日だけ、学校休もうかななんて俺が考えていると、池野がこちらの様子を伺ってくる。
「本当に、大丈夫なんだよね?これ、11月くらいまで続くよ?」
うちの高校は、委員会が前期と後期で分かれている。
「ああ、大丈夫だ。だるくなったら、図書室で本を漁るだけだから。」
「いや、ちゃんと働きなよ」
俺は池野から冷たい視線を浴びるのだった。
そうこうしている間に、意見がまとまり、他のクラスが水曜日を選ばなかったので、俺たちは争わずして、ことを終えたのだった。