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テスト返却

続きます

二週間後、9時00分。時計の秒針が上に来るとともに中間テストが開始する。


「では初めてください。不正行為を行なったものはその場で失格とし、また、解答は全て解答用紙に記入すること……」


キビキビとした声で、担任の高倉先生は注意事項を述べていく。


注意事項は終わり、シャープペンシルのカリカリ音と時計のカチカチ音が教室内に溢れかえる。


にしてもカンニングねぇ。

俺の席は窓側の一番後ろの席。つまり、カンニングの選択肢は2パターン。


一つは前で一つは右の席。……①


なお、前は陽奈という唯一の友達であるが故にカンニングは不可。……②


横に関しても、常習的に授業中居眠りをしている為、カンニングはすべきではない。……③


以上①②③から、俺のカンニングは不可であることが証明された。(Q.E.D.)


解けた!この問題の配点は……なんだとこの問題、テストに載ってないだと……!いやなんなら、時間が減ったから、マイナス点まである。


アホらしいことを考えてないで集中しよう。


まぁ、カンニングを疑われたときはこれを先生に伝えればなんとか……ごめん、なる気がしない。


初めの教科は英語である。他の生徒がバシバシ解答している最中、俺は問題量を確認していく。すると、想定以上だった。


さすが紗耶高校、進学校と言われるだけあるな。


最初の数ページは文法や単語などを問う問題が多かったが、後の数ページになると、授業では扱わなかった長文問題がわんさかわんさか。


さらにざっと長文の主題に目を通すと気づいたことがある。それは内容がさまざまであることだ。馴染みのあるインターネットの話から、馴染みのない有機化学の話まで多岐にわたっていた。それに難易度もバラバラだ。


これは、難しいものなどは捨てていかないと高得点は厳しいだろう。


そしてもうひとつ、最初の数ページはほとんどあっている状態にするべきであるということ。


うん、陽奈に全教科75点以上って言ったけど、だいぶきついかもしれない。



いわゆる基礎部分と言われるところを解答し、残り30分。


残っているのは全て長文で、6題か。最後の有機化学の話は多分ほとんど差がつかないと考えて落とすことにする。最後の大問は3問なので、10点の失点は覚悟しなければならない。


そしてそれを抜いたとしても一題につき許された時間は6分か。


……きつくね?


まあ、ノリと根性で頑張りますか。

長文をできるだけ正確にかつ早く読んでいく。


俺だって伊達に本を読んできたわけじゃない。

読書で鍛えた読解スピードをいまここで披露するんだ!


そんな感じで読解と問題の解答を行い、最後の題問では残り8分。そのうちの5分を使い俺が解くべき最後の大問を解ききり、残りの時間を見直しへと費やすのだった。




同じ感じで他教科も行い、2日間にわたる中間考査が終わりを迎えるのだった。





次の週の月曜日———テストの返却日である。1限が化学なのを見ると、まず最初に帰ってくるのは化学のテストのようだ。化学はマジで自信ない。特に記述の部分。


『15〜17族元素のうち、なぜアンモニア、水、フッ化水素は高い沸点を示すのか、その理由を答えよ』

教科書

→『これらの分子を構成する電気陰性度の差が大きく、非常に強い分子間力である水素結合が系されるから』


わかるかボケーー!

電気陰性度?何それ美味しいの?って叫びたくなる。


もっと教科書読んどいたら良かったと思うのは後の祭りである。


自慢じゃないが、俺はテスト期間に化学の教科書を一度たりとも開いていないんだぜ。ワーク周回勢にはきついぜよ。


ホームルームまでまだ時間があり、よって前の席にやってきたひとに声をかける。


「陽奈、おはよう」

「おはよう、溯斗君。き、今日はテストがたくさん帰ってくるね…」

「どうした?そんなに不安か?」

「うん。あれだけ溯斗君に頼ったのにもし低い点数とっていたらって考えたら、やっぱり怖くて」

「そっか。まぁ、気楽に行こうぜ。もし75点より低い教科があったとしても陽奈の努力が報われなかったわけじゃない」

「うん、ありがと。なんか元気出たかも」

「にしても化学はむずかったな。電気陰性度出てきた時は何それ美味しいの?状態だったな」

「え?」


陽奈は何故か少し驚きを含んだ表情をする。


「ん?」

「溯斗君、その単語私ですらわかるよ……」

「ほへぇ?」


あっれー?これもしかして、俺化学全然わかっていなかったのでは?ヤッベェな。ま、終わったことは気にしない気にしない。

※なお1時間もしないうちに掘り起こされる模様


「なあ陽奈、俺化学やばいかもしれない」


俺は途端に弱気になる。


「何言ってるのー?せっかく、さっきまで強気でかっこよかったのに」

「そりゃ、お世辞をどうも」

「お世辞じゃないのに」


陽奈が小さくそう呟いたのは気のせいだろうか?

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