お出かけ6〜ナンパ解決?編〜
続きます
私は中学の頃からよく知らない男性に声をかけられていた。何故だかわからないけど。そして、今もその状況なんだよねー。1人じゃ対処できないから、結構まずいかもしれない。そんな時だった、溯斗君が来たのは。というか、これは私が悪いやつだよね。勝手に溯斗君を置いて一人で服を見ようとしたから、今こうなっているんだ。溯斗君が視界に映った男の人は溯斗君に声をかける。
「んあぁ?お前、誰だよ」
「その人は私の友達です。近寄らないで」
「オレは君と遊びたいんだよ。どうだ?オレと遊んだら、全部奢ってやるぜ。そいつと君が友達なら、いま君と友達になったオレとも遊んでくれないとおかしいよな?」
確かに。不覚にも納得してしまった。ん?いつからこの人と私は友達になっていたんだろう。
そこを指摘すればいいのかもしれないけど、それで私と溯斗君は?ってなって、私たちの友達関係に水が差されるのはいやだ。そこまできて
私はとある名案を編み出した。これは私たちが2人とも恥をかくことで成立しそうなものだった。したがって、私は溯斗君にあらかじめごめんと伝えておく。
「実は私とこの男の子は恋人同士なの。だから、私はあなたとは遊べない」
「んじゃあ、なんで手を繋いでいないわけ?」
確かに。咄嗟に私は溯斗君の近い方の手を握る。溯斗君の手は温かかった。
「なんか嘘くさいぞ」
「嘘じゃない」
「んじゃ、恋人っぽいことしてみろよ。そうだな、例えば……キスとか?」
ふぇ?
「きききき、キス!?」
「そこまで無理なら、わかった、ハグでいい。
おいお前、その子をバックハグしてみろ」
「陽奈、ちょっと我慢してくれ」
え?その瞬間、後ろから手が伸びてくる。
「これでいいか?」
いま背後から溯斗君が私を抱きしめている?
ひゃあああああああああ
溯斗君の匂いがする。
私、ただでさえ男の子に抱きしめられた経験なんてないのに。それを誰かに見られるなんて。
恥ずかしすぎて、意識がとびそう。
「あぁ、お前らがカップルじゃないことがわかったが、面白いものが見れたから、勘弁してやろう。じゃあな、せいぜいお幸せに」
なぜかよくわからないが去っていった男の人。
それから密着したまま数秒間が経過して本音が出てくる。
「溯斗君、あったかいね」
昔からお母さんの手の温もりとか、そういう人の体温を感じるのが結構好きだった。
「わり。嫌だったな」
別に耐性がないだけで嫌なわけじゃなかった。これは多分、溯斗君が私のことを本当に優しく扱ってくれるからだろう。だから、
「うんん」
と私は返すことにしたのだった。




