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お出かけ5〜ナンパ編〜

続きます

単刀直入に言おう。ナンパだった。


視界に映ったのは俺と同じくらいの身長の若めの男性で、店員ではないとわかったのは、染めているのか、髪の色が金髪で、両耳にピアスをつけていたからである。


正直に言おう。


すごくチャラそうである。


陽奈とその男性は俺の存在に気づいてこちらを向く。


陽奈は助けを求めるような目で、男性は誰だよ、邪魔者は去れという目で。


「んあぁ?お前、誰だよ」


それはこちらのセリフである。


したがって、俺はそう聞き返そうとして、陽奈が俺とそいつの会話に入ってくる。


「その人は私の友達です。近寄らないで」

「オレは君と遊びたいんだよ。どうだ?オレと遊んだら、全部奢ってやるぜ。そいつと君が友達なら、いま君と友達になったオレとも遊んでくれないとおかしいよな?」


そう言って薄く笑みを浮かべる謎の男性。


そのとき小声で陽奈は俺に「ごめん、一緒に恥かいて」と言ってくる。


よくわからないが、まあこの場を切り抜けられる策があると信じて首を縦に振る。


「実は私とこの男の子は恋人同士なの。だから、私はあなたとは遊べない」


陽奈はそう言って誘いを断る。確かにさっきの理屈なら、そうすることでこの場を切り抜けられるな。いやすごい大胆な嘘なんだけどね!?


「んじゃあ、なんで手を繋いでいないわけ?」


その途端、俺の手は陽奈の手に握られる。


「なんか嘘くさいぞ」

「……嘘じゃない」

「んじゃ、恋人っぽいことしてみろよ。そうだな、例えば……キスとか?」

「きききき、キス!?」


その途端、耳の付け根まで顔を赤くする陽奈。


「そこまで無理なら、わかった、ハグでいい。

おいお前、その子をバックハグしてみろ」


あ、これ俺がするのね。めちゃくちゃ恥ずいんだけど。


さっきの前持ったごめんってのはこういうことだったのか。いやまぁ、ここまでとは思ってするとは思ってなかったんだろうけど。


「陽奈、ちょっと我慢してくれ」


そう言って、俺は握っていた陽奈の手を優しく離して陽奈を後ろから抱きしめる。ふんわりといい香りが鼻腔をくすぐる。と同時に陽奈から鼓動音が伝わってくる。身長差的に俺の顎が陽奈の頭あたりに来ている。


「これでいいか?」


俺は男にそう尋ねる。


「あぁ、お前らがカップルじゃないことがわかったが、面白いものが見れたから、勘弁してやろう。じゃあな、せいぜいお幸せに」


そう言って、男はひらひらとこちらに手を振って去っていった。


何だったんだ。謎の男は風の如く、この場から消えた。


「溯斗君、あったかいね」


無論、まだ俺は抱きしめていたため、陽奈からはそのようなことを言われる。非常によろしくないと思い、俺はすぐに手を引っ込める。


「わり。嫌だったな」

「ううん」


その言葉を後にして、少しの間沈黙が続くのだった。

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