お出かけ3〜昼食編〜
続きます
ショッピングモールに着くと時刻は正午くらいだった。横で歩いていた陽奈が声をかけてくる。
「ねぇ、お腹すかない?」
あぁ、確かに。もう昼だもんな。俺も小腹がすいていたので何を食べたいのかを聞いてみる。
「小腹が空いている。陽奈、何か食べたいのはあるのか」
「わぁー、溯斗君が奢ってくれるのなら、新しくできたパスタ店の」
「いや待て待て。奢りじゃないぞ。と言うか、何で奢り前提なの?」
俺は陽奈の言葉を遮って、そう言う。
ただでさえ学生故にお金がないってのに、奢りなんてできるわけない。
「男女が一緒にご飯を食べる。そして、男の方は『仕方ない、僕が払ってやろう』って言って、女の子のハートを鷲掴みするの。きゃあなんてロマンチック!」
「恋愛小説の読み過ぎだぞ。というか、現実でそれって、女の方、ただ単に男の財政力に惹かれただけなのでは?」
「確かにそうだねー」
陽奈はすごく納得したような顔をしている。
「したがって俺が奢る必要はないことは証明された。きゅーいーでぃー」
「数学チックに話を完結しちゃった。まあ元から自分で払うつもりだったからいいんだけど」
「あ、ソナノ?」
「何故にカタコト?私はそんな弱い人間にはなりたくないって言う単純な理由だよー」
彼女は結構真面目な顔をしてそう言っていた。
まあ確かにそうだな。俺だってそうだ。金絡みになってくると面倒いことしか起こる気配がしない。
そんな言葉を交わしながらショッピングモール内を歩いていると、フードコートにたどり着く。そこには大手バーガーチェーン店やうどんのチェーン店、ちゃんぽんのチェーン店など、多種多様な飲食店が並んでいた。
「何食べる?」
俺が尋ねると、陽奈は返事をしてくれる。
「んー。迷う!」
「はは。そうだな」
俺は陽奈の反応がシンプルに面白かったため、笑ってしまう。
数分後、何にするか決まったらしく、彼女はその店に向かって行った。ちなみに俺は普通にバーガーセットにしておいた。具体的には照り焼きバーガーとポテトとコーラだ。俺が席を取って待っていると、陽奈がお盆を持ちながらこちらに近づいてくる。やがて座ったので合掌する。
「せーの」
「「いただきます」」
そう言って俺たちは食べ始めるのだった。




