ばか
続きます。
今日は水曜日。
そう、俺たちの委員会の初仕事。
図書室に行くと、先生に書庫に連れてこられる。その書庫はあまり使われていないようで少し埃っぽい。今日は俺たちは図書室の書庫を整理する仕事があるらしい。初仕事というわけで、先生から説明を受ける。
「ここが書庫ね。貴方たちの仕事はそこに積まれてある本をジャンル、著者名ごとに分類すること。」
そう言って、先生は積まれてある本を指さす。ん?あれ、結構高くね?落ちてきたらあぶねーなぁ。そんな事を考えている間にも、先生の説明は終わる。
「じゃあ、二人とも頼んだわよ。」
そう言って先生は部屋から出て行った。少しの間沈黙が続く。その沈黙を破ったのは池野だった。
「さてと、どこから手をつければ良いのかな?有栖川君はどう思う?」
俺たちの目の前にあるのは積まれに積まれまくった古書たちだった。
「じゃあ、俺は棚の整理をするから、池野はそこの積んでいる本をジャンルに分けっていってくれ。」
俺はそういうと自分の作業を始める。
ちなみに彼女は床に座っていて、もちろん積まれた本の方が高い状態だった。
「気をつけるんだぞ」
一応声をかけておく。
「はいはい、わかってるよー。有栖川君もねー」
心配したら、逆に心配された。やっぱり、コイツ優しいんだな。なんて、思いながら整理をしていると、
「ねぇーこの本さー」
と彼女はその本を見せようとこちらを向いた。
その刹那、彼女が持っていた本と積まれた本が当たった音がする。本のタワー、倒れるんじゃないか?当然、彼女はすわっている状態なので、俊敏な動きはできない。
「!」
頭が理解するよりも先に体が動いていた。とりあえず、アイツの頭だけ守ればいい。そうして、俺は彼女の頭を抱きしめるのだった。ふんわりと良い香りが漂う。本が俺の背中に来て、絶対痛い!なんて、思っていたその刹那、
「いや、来ないのかい」
本は池野側ではなく、違う方向に倒れていった。
彼女は何が起こったのかわからず、しどろもどろしていた。
これ、傍から見れば俺が一方的に彼女を抱きしめているだけなのでは、そう思うと同時に手を離し、彼女と距離をとる。
「その、ごめん」
「ばか」
やっぱり、女の子って、触られるの嫌なのだろうか?などと俺が罵倒されなきゃいけない理由を考えていると、
彼女は顔を赤らめながらそう言って
「でも私も不注意だった。ごめん」
和解はしたものの、それから先生が戻ってくるまで俺たちは何も話さなかったのだった。




