表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

1-3 辺境

城への侵入方法は至ってシンプルだ。


空を飛べるマントをつかって、

窓から侵入する。

以上である。


一応他にも道具は用意してあるけど、

バルコニーの下は裏庭になっていて、

パーティーの日は人が通ることはあまりない。


バルコニーに入ると、

姫がいた。


「!?」


「ごきげんよう、お姫様

約束通り盗みに来ましたよ」


「ふふふ

ほんとに外から来るのね

じゃあ約束通り連れ去っていただけるかしら」


「もちろん!

じゃああんまり長居もできないんで、

行っちゃいますね。

じゃあちょっと失礼して……」


「ちょ、ちょっと……」


僕はそのままお姫様抱っこして

外に飛び降りた。


そのまま馬車に合流する。


姫は抱っこされるなんて聞いていないと

言いたげにこちらを見てくるが、

それどころじゃない感を出してスルーした。


ヒューの操作する馬車が、

王城の近くを通るであろうタイミングを

予測していたので、予定通りに合流できた。


さすがに姫を連れてきたことには、

二人とも驚いていたが、

すぐに領地へ向かうための準備をしてくれた。


まずは姫の変装が必要である。

このまま関所を通ったらさすがにばれるので

まずは変装をしてもらわなければならない。


僕のギフトで作った奴隷っぽい服と、

仮面を渡した。


服や仮面はこれまたギフトで作った

亜空間ポケットに入れておいた。


これは名前の通り亜空間に

無機物をしまえる道具である。


そしてこの仮面について、

テカムナット族という

生まれてすぐの赤子に魔法の仮面をつけ、

生涯外さずに暮らす民族がいるのだが、


その仮面に似たものをあらかじめ作っておいた。


さらにあらかじめ作って置いた

亜空間ゲートを使って、

着替えをしてもらう。


亜空間ゲートは見た目はほぼフラフープだが

わっかを潜った先の何もない亜空間にいける

道具だ。


ジャガに先導してもらい、姫には

亜空間ゲートに入ってもらう。


ジャガも入るのは中で着替えの手伝いをしてもらうためだ。



--着替えが終わり、領地に向かう。


変装の甲斐あって関所は何の問題もなく通れた。


貴族が追放されて、

奴隷を連れて辺境に送られるのはよくあることなのだろう。



--辺境に着くと、そこはまさに未開の魔境だった。


まだ辺境の入口付近なのに人が住める気がしない。


密林のような場所で、

魔物もうようよいると言われているので

住み処を確保するのに一苦労しそうだ。



馬車は普通に通れないので、馬は連れて歩き、

荷物は亜空間ボックスにしまう。


少し歩くと、開けた土地に出た。

近くに小川も流れており、

ここを拠点とした。


途中魔物に襲われたが、

ヒューにより肉になった。


肉は亜空間ポケットに入れてある。

そのまま入れるのは抵抗があるので、

ジッ○ロックのような袋を作った。


亜空間でも時間は経過するので、

この袋に時間停止機能を付けた。


入れたときの状態のまま保存される。


魔の森は強い魔物がうようよしており、

さっきヒューが倒した魔物も弱い魔物ではないようだ。


ヒューにはギフトで作った『妖刀ムラシゲ』をあげている。


村重は前世の名前で、

妖刀と銘打ったのはただかっこいいからだ。

日本刀のような形状でヒューの

戦闘スタイルに合うように、

可能な限り軽く使った。


そこらの武器の中では相当使える

部類だとは思う。


あげたときは「家宝します!」

とか言ってたけど、

普通に使ってもらうように言った。


追放前ヒューはひたすらダンジョンに潜り、

ギフトと技を磨いた。


今では軽く高ランク冒険者くらいの実力はあるだろう。


今のところ苦戦することなく

魔物は屠ってくれている。


たどり着いた拠点で、

食事を摂ることにした。


食料は途中で襲ってきた魔物の肉だ。

なかにはマグナムボアという、

すごい勢いで突進してくる猪の魔物の肉もある。


今回は突進される前に倒したが、

この世界ではマグナムボアの肉は、

美味しいらしく、高級食品の部類に入る。


まずはそれらの肉を焼いて、

元実家から持ってきた胡椒をかけて食べることにした。


「姫は魔物のお肉で大丈夫ですか」


「大丈夫よ。

王族にも抵抗有るって人もいるけど

私は問題ないわ


後私はもうお姫様じゃない

あなたが伯爵家じゃないように、

私もただのパルマよ」


「失礼

肩書きは捨てても僕の中では、

可憐で洗練された印象が強いからお姫様って感じで、ついつい呼んじゃってさ。

これから気を付けるよパルマちゃん」


「パルマちゃん……

なんだか慣れない呼び方ね

まぁいいわ

私はただのパルマだもの」


……マグナムボアの肉はおいしく、

全員満足していただいた。


付近を流れていた小川は綺麗だったので、

水浴びをした。


今後は本格的に浴場を作ろうと決意しつつ、

後は家を建てれば今日の予定は終わりだ。


姫を野宿させるわけには行かないので、

家だけは最低でも用意したい。


大きなものを作ると、それだけ魔力を消費するので、今日は他にはなにもできないだろう。


またこれは最近できるようになったことなのだが、材料を使って創造した方がより良いものができる。


今回は家を作るため、予め用意していた大量のレンガを使うことにした。


家を作ると、魔力をほとんど使いきってしまった。


家は入るかもしれないが、

取り出せないので亜空間ポケットには入れていないが、ベッドなどの家具は予め用意しておいた。


家に入るとすぐに家具を設置して、

みんなを招き入れた。


「改めてすごい能力ね

着いてきて正解だったわ。

生活に困ることはなさそうだもの」


「当然です。

ご主人様はすごいのですにゃ!」


なぜか胸をはるジャガ


「お役にたてたみたいでよかったよ。

ただこれだけ大きいの作っちゃったら

もう何もできないから明日にそなえるよ。」


「ええ、おやすみ」


「おやすみなさいニャ!」


今日はもう疲れたのでそれぞれの

部屋に帰って寝ることになった。


個人の部屋リビングなど、

必要な部屋は取り揃えてある。

後はトイレとか浴室など予定地もつくっている。


完成は明日以降になる。

開拓も明日からだ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ