ぼくのくるしみ ー短歌、変則五七調ー
恋愛、グルメ系
『短歌』
空き時間 今の君を 浮かべれば
駅の電車を 降りた頃かな
あきじかん いまのきみを うかべれば
えきのでんしゃを おりたころかな
帰り道 君を想うと 苦しくて
ケーキ片手に 小走りで行く
かえりみち きみをおもうと くるしくて
けーきかたてに こばしりでいく
さっきまで 仕事してたと すっとぼけ
背中汗だく 素知らぬ顔で
さっきまで しごとしてたと すっとぼけ
せなかあせだく そしらぬかおで
「ただいま」と 近付いて来る 突っ込んで
手元のケーキ とりあえず食う
ただいまと ちかづいてくる つっこんで
てもとのけーき とりあえずくう
「何それは?」 二個あるけれど ぬか喜び
「ねぇ、私のは?」 のらりくらりと
なにそれは にこあるけれど ぬかよろこび
ねぇわたしのは のらりくらりと
はい、ごめん 日にち間違え 不要だと
平伏しては 頬張るケーキ
はいごめん ひにちまちがえ ふようだと
へいふくしては ほおばるけーき
また買うね 三つ希望を 無茶するな
メロンのヤツと 桃とチョコもね
またかうね みっつきぼうを むちゃするな
めろんのやつと ももとちょこもね
やっぱりか 苺ケーキも 「許して」と
笑顔で言うか 四個に増えた
やっぱりか いちごけーきも ゆるしてと
えがおでいうか よんこにふえた
ワイン開け いっきに飲んで 憂さ晴らし
笑顔で「タルト」 美味しいの買う
わいんあけ いっきにのんで うさばらし
えがおでタルト おいしいのかう
『定型詩』
誕生日
ルビー差し出し
トラブルあれど
君に求婚
耳紅く
飛びつく君が
僕の心も
苦しくさせる
たんじょうび
るびーさしだし
とらぶるあれど
きみにきゅうこん
みみあかく
とびつくきみが
ぼくのこころも
くるしくさせる
ー訳ー
有給を取って、予約していたケーキ屋さんに頼んでいたケーキを受け取りに。
箱に詰めている待ち時間で君は何をしているかと思い浮かべた。
「そろそろ駅についたかな……」
帰り道で君を思いながら、喜んでくれるかと考えていると何だか心臓がドキドキして苦しくなって来た。急いで帰宅しよう。
(あれ、待てよ?今日誕生日じゃない!?
いや、でもこのケーキどうしよう。捨てるには勿体ないし)
うん、何もなかった。僕は仕事して来たんだよきっとそうに違いない(涙)。
※急いで帰って来て汗だくで、更に違う汗が出てる。
彼女が帰ってくる前に(本人にとっては)素知らぬ顔で急いでケーキを食べる。
直ぐに「ただいま」と、彼女が帰って来た。急いで口に入れるけど、間に合わず。
「何それは?」
彼女に「ねぇ、私のは?」と言われて、のらりくらりと言葉を発する……君はまだ食べちゃ駄目だ(絶賛混乱中)。
素直に君の誕生日と間違えたてた「ごめん」と伝えて謝る。
今は不要なケーキだけどコイツに罪はない! 彼女に謝りながら結局残りも食べる(僕は未だ混乱中さ☆)。
また買うと言ったら、メロン、桃、チョコと……お前えそんな食うの?無茶するな。
結局苺のも増えたよ。いや、何個も食べた僕が言えた事じゃないな。何より彼女の笑顔が怖いです。ごめんって。
ワイン飲んで忘れよう!憂さ晴らし。一緒に飲んでいた彼女が「タルトにすれば全部楽しめる!」と、妙案を出してくれた。ハイ、美味しいの買って来ます。
後日
彼女の誕生日にルビーの指輪を差し出して「不甲斐ない僕ですが、結婚してほしい」とドッキドキでプロポーズする。
真っ赤になった彼女はーー
「ぐはっ!」←飛びつかれた。
ーー喜んで僕の求婚を受けてくれた。
ホールタルトを分けて食べたせいでお腹いっぱい。君の事で色々と僕の心もお腹も苦しくさせられたプロポーズ。きっとこれからも、こんな苦しみは続くだろう。
幸せな苦しみだな。
『藤の花の季節』その後の2人でした。
・短歌(定型:5.7.5.7.7)
ちなみに頭の文字を「あいうえお、かきくけこ……」と、五十音順に揃えて遊びながら作成。
・変則五七調?(今回は5.7.7.7、5.7.7.7)
こちらは頭の文字を縦読みすると「タルトきみとぼく」と、読めるように作成。
7月の誕生石:ルビー
※今回季語はあまり気にせず。
メロンは夏(7月)、桃は初秋、苺は初夏。
Σ(・ω・) 苺って季語的には春じゃないのね!?