1.異世界転生
異世界転生
皆さんは異世界というものはご存知であろうか。俺は異世界というものは実際に存在すると確信している。この過程で神も信じているということになるだろう。それはなぜか、俺の今の状況を見れば誰もが信じ得ざるを得ないだろう。そう、俺は今、紛れもない異世界にいるのだ。明らかに日本ではない剣と魔法の世界だ。あの日から俺、皇和真の運命は変わってしまったと言っても過言ではないだろう。
「本当に申し訳ない!」
「ど、どうしたんですか!」
俺は意識が戻ったと同時に目の前にいる髭の長い老人に謝罪を受けていた。というかここはどこなのだろうか。空の上?に畳が浮いていてそこに俺は座らされている。不思議なところだ。
「事情を説明をする前に自己紹介をするとするかのう。わしは神じゃ。この地球の神をしておる。そしてそなたはわしのミスで死んでしもうた。まさか雷を落とした先に人がおるとは思わんかったのじゃ。本当に申し訳ない!」
なるほど。だからこの神様は俺に謝っていたのか。
「死んだんですか。そうなんですね。」
「なんでそんな冷静なんじゃ!?死んだのじゃぞ!?」
正直死んだとかどうでもよかった。もうあの世界に未練もない、とは言えないか。唯一の心残りが一緒に住んでいた妹の沙耶ぐらいか。でも、まぁ、あいつならなんとかするだろう。心配はしてないと言えば嘘になるな。
「はい。死んだということはもうあの場所には戻れないでしょうし、あまり未練もないので。」
「そういうもんかのぉ。お、そうじゃそうじゃ。これからそなたには異世界に行ってもらおうと思うておる。剣と魔法がおる世界じゃ。そなたらの世界でいう異世界転生ものといえばちょうどいいかの。」
「はい。わかりました。」
「な、な、なんてええ子なんじゃぁぁぁ!わしのミスで死んだのにも関わらずわしを責めることなくこれからの事を受け入れようとするその姿勢にわしは感動したぞ!ちょっとじいさんも本気出しちゃるぞぉぉぉぉぉ!」
「あ、ありがとうございます、アハハハ。」
ちょっとおかしな神様だなと思いながら机の上に出された。お茶らしきものを飲んだ。うん、お茶だ。美味しい。
「ということでそなたには今から異世界に行ってもらうことになるんじゃが何か欲しいものとかあるかの。」
「欲しいものですか…………。」
「なんでもいいぞ。スキルでも武器でもなんでも。」
スキル、かぁ。あ!確か転生したら○○○○だった件とかのスキルっていいのかな、あのナビみたいなやつ!あるのかな?あれすごい便利だと思うんだよねー!
「えっと、じゃあこの世界のナビ?みたいな全てを知っていてサポートしてくれるスキルとかありますか!?」
「んー。それじゃったら【世界樹】とかじゃな。こやつはなんでも知っておるぞ!他には何かあるかの?」
「特に何もないですね。私は平和に暮らせればそれでいいので。」
「平和にじゃな。わしに任しておけ!」
「ありがとうございます!」
とりあえずこれからもなんとかやっていけそうだな。信じていなかったわけではないけどこのじいさん本当に神様なんだなぁ。
「では転生するとするかの!今からそなたが行くのは剣と魔法の世界エルドラというところじゃ。よほどのことがない限り死なんと思うから気楽に生活を楽しみなさい。それと転移先は中立都市エドガーという街の近くの森にしておるぞ。まずはエドガーに行くと良い。ちなみにわしには頭の中で呼びかければ念話ができるからのぉ。気をつけて行くんじゃぞぉー。」
「はい!何から何までありがとうございます!行ってきます!」
そう言って俺は転移先に繋がっているであろう門をくぐった。これから俺の人生第二幕が始まるんだ。少しはワクワクしてもいいというものだ。目の前が光に包まれた。
「いやぁ、あの少年がいい子だからと言ってちと強化しすぎたかのう?なんせあのステータスはスキルの意味を理解し本気で鍛錬などすれば神話クラスぐらいであれば0.1秒もかからず殺せるからのう。ん?このステータスは…。思っていた100倍位になっておるな。もしかしなくてもわし、やっちゃったかのー!アッハッハ!これが地球のJKで言うピエンってやつじゃの!まぁええか!アッハッハー!」