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億、兆、京、その次のが出てくる人はメガネかけてる説

七人の心がひとつになった。


「あ、勿論速度はドーピングです。星流れる腕輪の効果を高めて使ってます」


そこはもういい。

七人は思った。

まずいまずいまずいまずいまずい。

一人は思った。

けれど、踏みとどまる。

自分には魔神の加護がある。

キュウは〈見えざる手〉を一日に一度しか使えなかった。

しかし、アシドは〈穢れし土の呻き〉を一日に三回まで使える。

どんなにステータスが高かろうと地を這う人間。

防げるはずがない。

アシドは、目にも止まらぬ旅商人の一撃を喰らった瞬間。〈穢れし土の呻き〉を放つ。

これならば逃げることは出来まい。

地面が腐っていき、それを踏みしめる旅商人の足も腐り溶けていく!

そんな幻が見えた気がした。

何も起きていなかった。


「な、何故だ?」


今日何度目であろうか? アシドは目を見開いていた。


「僕の持つ薬神の加護は薬の効果を89倍にするだけでなく、本来生物にしか効かない薬をモノにも使うことが出来るようになるのです」


は???????

七人の心はひとつだ。

けれど、その一つとなった心から離れていく心がひとつ。

勿論アシドである。

アシドは逃げた。

ソロバンの盾がある限りダメージはない。死ぬことはない。

ならば、何度殴られても逃げるだけだ。

外に出ればあとはどうとでもなる。

その願うような思いでアシドは逃げ出そうとした。

けれど、その願いは彼女の信仰する魔の神には届かなかったようだ。

旅商人の放った【魔蜘蛛の糸】によって動きが止められている。

事前に振りかけられていたポーションのせいで腐りのスピードが出ない。


「は、ははははは! しかし! 私には貴様らの神ソロバンの盾がある! ダメージはない! 死ぬことはない!」


己を鼓舞しようと大きな声で自分のストロングポイントを叫ぶアシド。

それに対し、旅商人は得意の笑顔で一つの商品を取り出した。


「ダメージ与えたいなあ……でも、攻撃力がたりないなあ……そんなときにはこれ! ブラックポーション! こちらはポーションの失敗作で何がどうなったのか分からないまま生まれた謎のアイテム! 効果は、何故か防御力や付与魔法等関係なしで必ず7の固定ダメージを与える謎のアイテム」

「な……し、しかし! 7程度で……」

「そして、今日限定のお得な効果! 水の曜日の関係で水属性アイテム効果倍増で約1.5倍の効果で10に! 更に、【道具屋の心得】というスキルがレベル10なので、アイテム効果を10倍に! え? 10倍程度じゃソロバンの盾もあるし、倒せそうにない? ご安心ください! この安心安全! はやい! やすい! ウザイ! で、お馴染み!わたくし! ダウ=グヤサン! 商売神ソロバンの加護がございます!」


は??????? 加護二つ持ち???????


「私の持つソロバンの加護は【商売神の見えざる手】! なんと! 数の概念を歪めてしまうという驚異の効果!」


は??????? どういうこと???????


「10の10倍と言えば、そう! 100! ですが、今回はなんと特別に10という数字そのものを10個にしちゃいます!10101010101010101010!」


は??????? 1010京???????


「更に、スキル心ばかりのおまけで1増やして1垓101京101兆101億101万101に!」


へ~、京の次って垓っていうんだ~???????


「今回は特別大サービス! 薬神の加護をつけちゃいます。大出血サービス! ええい!持ってけ! 泥棒! 全部こみこみでどん!」





ダメージ8989898989898989898989!!!!!!!???????





理不尽な黒い光にアシドが包み込まれていくのをプラチネは眺めながら、あの『8』と刻まれた金の卵の首飾りのことを思い出した。

あれは、とある冒険者学校の先生の教え子たちが卒業記念に与えられるモノで、天才鍛冶師の鍛えた金属に、世界最高の錬金術師の技術、ウォルターの師匠である大魔法使いの魔法が込められた豪邸一個買えるくらいの、モノづくりに関わる人間たちが絶望するくらいの理不尽極まる一品だと細工師仲間から聞いたことがあった。けれど、絶対に誰も売らないのだそうだ。どんな多くのお金だろうと、高い技術だろうと、人の羨望だろうと売らないそうだ。

曰く、それは自分たちの思いだから。

売らない思い。

あ、そういえばうらないと言えばあの先見の占術者も同じようなものつけてたかもなー。

そんなくだらない駄洒落のようなことを考えている間に七大魔王、暴食のグラトニーの五魅と呼ばれる幹部アシドは消えていた。けれど、ソロバンの力は偉大だったのか、ソロバンの盾と、アシドが持っていたのであろう幾ばくかのお金がちゃりーんという音を立てて、ポーションによって回復した床に落ちていた。


お読みいただきありがとうございます。


実験も含め、今日完結まで一時間ごとの連続投稿させていただきます。

23時で完結しますので、一気読みされたい方は23時にまとめてお読み下さい。

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