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11話 友達の作り方

今回は短めです。

 「待っていたよ!浜辺ちゃーん!」


 翔太郎がすかさず浜辺に近寄る。


 「遅くなってごめんなさい。ちょっと用事があったもので。」


 彼女は、申し訳なさそうな顔を浮かべる。


 「良いんだよ!そんな事は!それより、皆さんに自己紹介を!」


 翔太郎よ、お前はいつからそんなに浜辺さんと仲良くなったんだ?いや、あいつが勝手に盛り上がっているだけか…


 彼女は、軽い自己紹介をした後、僕の隣の席に座った。

 ほんのりと、甘い香りがした。


 「それで、さっきまでなんの話をしていたのかしら?」


 僕たちは、今現在起こっている事を彼女に話した。

 

 最も、説明しずらかった部分も当然あるわけだが…


 「そう。それで、その説を決定づけるものが必要ってわけね。」


 どうやら、浜辺さんはこの変な説に関してはなんの違和感も抱いていないらしい。


 浜辺は少し考えた後、とんでもない事を口走る。

 

 「そんなの簡単じゃない!鈴木くんが琥珀さんと仲良くなれば良いのよ!」


 僕は自分の耳を疑った。


 「ちょっと待った!一体、どうなったらそんな結論になるんだよ!」


 柄にもなく声を荒げてしまった。


 「だって、違和感の原因は琥珀さんでしょ。だったら、直接聞けばいいじゃない。」


 彼女の意見も一理ある。

 恐らく、これ以上この4人で話し合いをしてもまともな結論にはならないだろうからな。


 だったら、誰かがやるしかないのだ。

 今回は、その役目が自分に回ってきた。ただそれだけのこと。


 「私もそう思ってたんだよね!陽太と琥珀さん隣の席同士だし!」


 ごめん。その理由に関しては意味わかんない。


 とういうわけで、この件に関しての話し合いは、僕が彼女に直接情報を聞き出すという事で、幕を閉じた。


 今考えると、そんなの敵国のスパイに行ってアナタの国家機密を教えてください。って言ってるようなもんじゃないか。


 次の日、あまり乗り気ではなかったが、早速行動を開始した。


 ネットの情報によれば、人と仲良くなるためには共通点を見つけて、そこを深掘りしていくと良いらしい。

 そうすることによって、「ああ、この人は私の理解者だ。」という感情になるらしいのだ。


 友達とは、共通の理解者である。ということなのだろうか?そんなこと、考えた事もなかった。


 朝、人が入り組んだ教室へと足を踏み入れる。


 琥珀の席に目をやる。


 「よし、1人だ。」


 今、登校をしたばかりなのだろうか。

 琥珀の周りには、まだ人だかりはできていなかった。


 すかさず席に座り、琥珀に話をかける。


 「おはよう。良い天気だね。」


 彼女は、僕の存在に気づくと、笑顔で


 「おはよう!」とだけ答えた。


 さて、ここからどうやって話を続ければ良いのか…


 わからない…


 少しの沈黙の後、琥珀が少し困った顔で「どうかした?」と話しかける。


 僕は答えに詰まった。


 なぜなら、聞きたいことが山ほどあるからだ。


 君は、この世界のなんなのか。


 音という存在を知っているのか。


 何のために世界の改変を行ったのか。


 僕は、このどれでもない。自分の正直な気持ちを相手にぶつけてみることにした。


 「君と、友達になりたいんだ!」と。


 琥珀は、なんだそんなことか。という表情を僕に見せた。


 「もちろん!私もだよ。」


 言ってみるもんだな。

 僕は、肩の荷が少し降りたように感じた。


 「君は、"私と''友達になりたいんだよね?」


 彼女の言い方が少し引っかかる。


 「そうだよ。僕は君と仲良くなりたいんだ。」


 「私の人生経験からすると、共通の話題を見つけると人と仲良くなりやすかったよ。」


 僕がさっきまで考えていた事を言葉に出して伝えてくる。


 この人は、僕の考えを全て見透かしてるように思えた。


 

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