気が付いたらここにいた
「次の方どうぞ~」
気が付くと白い部屋の中に立っていた。目の前に誰かいる気配はあるが、うまく認識できない。
「お名前をお願いします」
「えっと… 武藤太志…です」
状況は全くわからないが、質問されるがままに名前を答える
「武藤さん 武藤さんっと… 事故で亡くなれたようですね~」
その言葉とともに事故の記憶がよみがえってくる… 三度目の転職先で職場になじめずにいた俺は、帰宅途中にトラックに轢かれたのだ。信号は赤だったと思う。疲れやストレスで参っていなければ避けられたのかもしれない…
「武藤さんにはこれからとある世界に転移していただきます。転移の特典としまして…」
説明によると本来の寿命前に亡くなったものは、生命の循環がどうたかで転移、ないし転生、させられてしまうらしい。目の前の人の説明は一方的で、交渉できそうな様子はない…
「…以上で説明は終わります。…最後になりますが、異世界でやりたいことはありますか?」
「やりたいこと、ですか…特にはないです」
「そうでしたか… 見つかるといいですね~それでは良い異世界ライフを~」
その言葉と同時に意識が遠のく…どうやらこれから、異世界生活、らしい